銀河騎士隆盛記 零 地の章(コッポ修行+カズイ編)5~6 カズイの想い
カズイの想い
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「カンデンよ、このタチをお前に授けよう。タチの取り扱いや手入れについては、このカズイに聞くと良い。このタチを自由自在に扱えるように、弟子と共に励め。」
とボーア老師はそう告げると、右手でカンデンが構えるタチを受け取り、左手に持った鞘にタチを納めて、両手でカンデンにタチを授けた。
カンデンは立て膝をついて、うずくまり、恭しくタチを受け取り、額をつけた。
手にしたタチには決定的に現実的な重みがあった。カンデンは武人として、今まで感じたことのない充足を感じていた。
YWC2(アシナシ様)の力があってのことだが、太古の伝承を残し、それを形にするサンマナの人々の文化の深さに、ただの技術を超えた畏敬と感謝を感じていた。
カズイは自分が手がけたタチに対する、カンデンの真摯な態度を見て、自分の仕事に対する誇りとはどういうものかを初めて感じていた。自分の仕事に対する武人の敬意を目にしたカズイの口からはある言葉が自然に出た。
「ありがとう。」
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カズイの発した言葉はカンデンのもとに届いた。カネノカタがその言葉の意味をカンデンに伝えると、その言葉の意味を知った、異界から来た青い目の武人は、立ち上がりカズイの手をとって「こちらからもお礼を申し上げる。このタチは大切にします。こちらこそありがとう。」と真摯に答えてくれた。黒い肌の彼の弟子も、師の後ろで控え目に、頭を下げていた。
カズイは青い目をした武人と、黒褐色の肌をしたその弟子が、コッポの老師ボーアに弟子入りして、オオヤシキのそばの古いヤシキに住み着いたと、聞いていたが、カンデンという人物の生来の人の好さを改めて感じていた。
異界から来たという、見たこともない風貌の青い目をした男と、黒い肌をしたその弟子を、天才コムロ、知恵の狩人ラケア、大賢者ダイ、稀代の名剣士ボーア、と名だたる者たちが一も二もなく信頼をおいているのが不思議だったのだが、このカンデンという人の生来の人の好さというか、悪く言えば気の弱そうな柔和でいながら、それでいて、時折見せる、懐の深いところに、自然に惹かれているということが良く分かった。




