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「銀河騎士隆盛記 零」オッサン銀河騎士は太古の地球に不時着し、縄文文明期の古代剣法を習得し、その剣、五次元の域に達する。  作者: ジム・プリマス


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銀河騎士隆盛記 零 地の章(PE57QとYWC2+湯治編)84~85 見切りの稽古は間合いの稽古


見切りの稽古は間合いの稽古


84

 夜明け前にフツは皆より早く起きて,カマドの灰を探って火の付いた炭を探し当て、落ち葉をくべて火を起こした。土器に水を入れて火にかけて沸かし、炒った黒豆を碗に入れて、温かい豆湯を入れて、暖を取る。


 カンデンが一番、最初に起きてきた。「フツ殿、私にも白湯を分けてもらえませぬか?」と言うので、碗に黒豆を入れて、薦めると「これは何という、のみものですか?」と聞くのでフツは答えた。「あたしたちは豆湯とよんでいるよ。これは身体に染みるよ。」

 

 カンデンがその味に感心して「これは滋養ががありますな。」と言うとフツはフッと微笑んで「それにしてもアンタ、言葉旨くなったね。」と今度はフツの方がカンデンの言葉使いに感心していた。


「カネノカタがほんの三日ほどで、わたしらの言葉を喋るのには驚いたけれど、アンタはカネノカタの次に言葉がうまくなったよ。」カンデンがフツと話をしているうちに、ほかの皆も起きてきた。


 フツは他の皆にも豆湯を薦めて、薪の火が消えて熾火になったところを見計らって、カマドに平たい岩を据えた。その周りの灰の中に、皮付きのままのタイモをいけた。


「大先生。見切りの稽古はそろそろ終わるのかい。」フツがそう聞くとボーア老師は「そうじゃのう。昼前で一段落というところじゃ。」


 それに対してフツは独り言を言うように「まだ魚の干物もあるしタイモも余っているから、もう一晩くらいなら泊ってもかまわないけど、酒はなくなるね。」そういうとボーア老師は「酒がないのはさみしいのう。昼から屋敷を片付けて、午後から山を降りるとするか。」と答えた。


 フツが用意した鹿肉の切り身の残りを,焙ったものと焼いたタイモで朝餉を済ませて、一行は温泉の方に向かった。


85

 温泉に浸かってから、タチの都合でコムロがタチを八双に構え、その背中を掠めてカンデンが、タチを振るうことになった。しかし稽古を始めてすぐに、カンデンはコムロから叱責された。


「カンデン殿、カンデン殿が振るうタチの切っ先と私の肌の間には、私の感覚では、指が一本入るくらいの隙間があります。カンデン殿、見切りの稽古は、タチを振るう者にとっては間合いの稽古でもあります。相手の肌に、二筋や三筋、傷を入れるくらいの、思い切りと、覚悟が肝要ですぞ。」


 そう言われてカンデンはもっと大胆にタチをふるったが、コムロから「まだビワの葉ほどの厚みの隙間があります。薄い桜の葉、一枚くらいまで詰めなされ。」そう言われてタチを振るったら、コムロの背の皮膚を皮一枚ほどの厚みで切ってしまった。


 しかしコムロは「その調子ですぞ。」と嬉しそうにいうのには、カンデンは弱り切ってしまった。その後は、ひやひやしながらカンデンはタチを振るい続けたのだった。


 その後のキンタとボーア老師の身切りと間合いの稽古はもっと酷かった。キンタはほとんどボーア老師に怒鳴られながらの稽古になった。キンタはボーア老師の背に三筋ほどの傷をつけて稽古を終えた。


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