銀河騎士隆盛記 零 地の章(PE57QとYWC2+湯治編)70~71 温泉は如何?
温泉は如何?
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カンデンとキンタがいつものように朝餉の片付けを終えた時、今度はコムロが尋ねてきた。コムロの語るところに要ると、サンマナから二時間ほど歩いた、山のふもとに温泉があるので、湯治の為に、そこに一緒に行かないかということだった。
「肩や腕に相当の負担がかかっているはずでしょう。一日、温泉で湯治をするだけで、随分と良くなりますよ。二三日、修行を休んで、身体を休めることも肝要だと思いますが如何ですか?」コムロがそう熱心に言うので、カンデンが、「ボーア老師は行かないのですか?」と聞くとコムロは膝をポンと打った。
「これはいかん。わが師にお話しするのを忘れておりました。師をほったらかしにして湯治に行ったということになったら、何と言って怒られるか分かりません。カンデン殿、キンタ殿、どうか私が、師のことを誘うのを忘れたということは御内密に願います。」コムロが珍しく慌てているのをみて、カンデンとキンタは思わず笑ってしまった。
コムロはばつの悪い顔をして話を続けた。コムロの話によると、温泉の側に、湯治用のヤシキがあり、手分けをして、背負子で食糧を持ち込めば、ふつうの水場も近くにあるので、二三日、泊っても全然、問題ないということだった。
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「それでは雪が止んで、天気が良い日を選んで、一緒に行きましょう。朝餉が済んだ頃に声をかけます。身の回りの持って行くものだけは用意しておいてください、食糧と背負子は私の方で用意しますので。」そう言ってコムロはカンデンとキンタのヤシキを後にした。
カンデンもキンタも天然温泉に入ったことは一度もない。温泉はカンデンの知る限りないし、湯治という概念自体がバサラバートに住む、銀河連邦の市民にはない。バスタブにお湯をはって入ることもあるが、それはあくまでシャワーのついですることで、あり、天然温泉に治療効果があることを二人は、今回、初めて聞いたのである。
その日の夜、コムロはまた二人のヤシキを訪れて、今度は湯治に出かけるときに、タチを持ってきてほしいと言った。
ボーア老師を湯治に誘ったところ、ボーア老師もコムロと同じことを考えたのか、カンデンとキンタを同行するように言い、二三日、湯治をした後で「見切り」の稽古をしたいと言い出したのだそうだ。
その時、カンデンには湯治と見切りにどんな関係があるのか分からなかったが、湯治の後で得心することになる。
PE57QとYWC2にとっては今回の湯治に、何のメリットもない訳だが、ボーア老師は、カネノカタとアシナシ様にもついてきてほしいとコムロにはっきりいったそうだ。老師には何か腹案があるらしい。




