銀河騎士隆盛記 零 天の章 55~56 カンデンとキンタの悟り
カンデンとキンタの悟り
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ベルセラが天啓を受けて、眉間から紫の雷光が迸った時、カンデンとキンタもやはり同じことが起こったということは、ブラフマーのチャクラが開き、第三の目が開眼したということになる。その刹那から三人のジンウ力はより覚醒し、共鳴を始めた。
それは先ずカンデンの身に起こった。カンデンがタチを使って譲り刃の鍛錬をして、最後の出足のところで、タチを上段に構えた刹那にそれは起こった。カンデンは譲り刃の型を熟している時から、意識が外に向かって広がるのを感じていた。
そして、それが頂点に達した時、丹田から頭の頂点まで経絡が繋がった刹那、遥かな宇宙から光が降りてきた。そしてカンデンはベルセラが得たのと同じ体験をした。
それは、異なる世界の、この物語から、はるかに時代を下った、チベット密教の経典、「バルド・ソドル」に記される、真の「空」の境地。
ただの空虚な「空」ではなく、意識は快晴の空のように晴れ渡って、すべてが満たされていおり、それでいながら、精神は活動的になり、血沸き肉踊り、身体は充足感で満ち。すべてから解放され、なんの憂いも執着もない心地。同時に、最高に幸福な境地。それこそが真の「空」であると、書かれている通りの、天界の住人が常日頃、感じている感覚(五次元の意識)と、同じ体験を、カンデンは経験した。
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それは、ほどなくして、キンタの身にも起こった。
ある朝、彼が、ベットから身体を起こした刹那に、それは訪れた。意識が広がり、丹田から、頭の頂点まで経絡がつながり、やはりそこに、遥か彼方の宇宙から光が降りてきた。
その体験の後は、激情家の彼らしく、しばらくの間、感動の涙が収まらなかったと、キンタは、カンデンとベルセラの前で語った。
この経験を経て、三人は、自分では、まだ気づいていなかったが、空簡に遍く満ちているジンウを練る力と、ジンウを感知する感度が、格段に増すことになった。




