1話 異世界に転生していた!?
ここは何処だ?
目を開けると、そこは知らない場所だった。
そうか、確か誰かと間違えられてマフィアに銃撃を受けてそして……。そうか、俺、死んだんだ。
何故か近くにあった鏡で自分の顔を見る。
すると、黒髪や背丈も大して高くも無ければ低くも無く、身体付きもゴツくも無ければひょろくもない。ここまでは普通?なのだが、片方は紅く染まりもう片方は金色に染まっていた。おまけに、背中には肩甲骨の辺りから、真っ黒いコウモリだかドラゴンだかわからないような翼が生えていた。いやおかしいだろ!!
俺、人間辞めてるじゃん!
どうやらこれは種族が持つ固有スキルの、いわゆる魔眼というものらしいんだが……どうなんだ、これ?
「ア〜もう、全然わからん。うん。とりあえず寝よう。多分これはよくある、あれだ!そう、この間テレビでやってた、明晰夢というやつだなきっと。うん。きっとそうだよな」
自分の中でそうあってほしいと思いながらとりあえず、ダンジョンポイントというこのダンジョンマスターである俺しか使えないやつで布団を取り出しそれを玉座の間に敷いて、寝る。
これも何かの夢だよな。きっと。
目を開けると天井には、品の良いシャンデリアに、柱と壁。窓は無く、奥行きは……残念?ながらそこまで広くはない。
……結論を言うとこれは夢なんかではなく現実でした。なんじゃこれ?
俺の寝ていた背後にあるのは、飾りは少ないが荘厳さを十分に感じさせる玉座。そこから真っすぐレッドカーペットならぬブルーカーペットが対面の壁まで敷かれ、そちらにはこれまた装飾は少なめだが、かなり分厚いThe玉座の間、にふさわしいほどの扉があった。
しかし、何と言うか全体的に、悪役っぽさの漂う部屋だ。よくあるゲームのラストダンジョンに出て来るような、魔王のいる玉座の間を、幾分か縮小した部屋、といった感じだった。
とりあえず一旦今のこの状況を調べようと立ち上がると、
玉座の裏にあった宝玉の存在に気がついた。
そこにあったのは、丸く、バスケットボールを一回り小さくしたぐらいの、虹色に輝く宝玉だった。
俺がその宝玉を掴もうとしたその時……。
「ッ!?がああアああアアアッッ―――!?」
その宝玉を持ち上げようと思い触れた瞬間、もの凄い頭痛が俺に襲い掛かる。
あまりの激痛に気絶しそうになる。
その地獄のような頭痛が数分間続くと、やがて痛みが徐々(じょじょ)に引いていき、そして痛みが完全に消えた。
「ハァ……なるほど、な……」
俺は頭に浮かんだ言葉を唱えた。
「ステータス」
すると同時に、よくあるRPGゲームのステータス画面のようなものが、目の前に出現した。
これは、唱えた者が一番使いやすい形で現れ、例えばゴブリンなどの原始的な種族の場合は『ステータス』と唱えると今のような画面表示ではなく、本の形で出現し、人間に近い種族の場合は、そのほとんどがガラスの板の形で出現する。
このステータス画面に表示されているのは以下の四つだ。
『ステータス』『ダンジョンポイント商品交換カタログ』、『ダンジョンマップ』、『運命ガチャ』である。
この中の『ステータス』の項目をタッチすると、俺のステータスが表示された。
「種族、デーモンロードて、やっぱり人間辞めてんじゃん」
なんで、ただの人間だった俺がこんな凄そうな種族になってるだよ……。
なんだかこの先、やっていけるのか不安になってきた。
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