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廃れた世界の魔石取扱人  作者: 八咫
inヨーロッパ
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訓練{2}

テスト週間が終わりました。

翌朝、友人に礼を言って俺たちは出発した。


この後行く街は魔女が拠点としている街の一つで、町人全体が魔女の仲間らしい。

こういった街はいくつかあり、思っているよりも表立って教会と魔女は戦争をしている


数は少ないが教会よりも個々の力が強い。

だからこそ今まで五分五分の戦いを演じてきたのだ。


しかし、教会も本腰を入れて攻勢を仕掛け始めた。

異端審問官を始め、多くの強者が参戦を始めたのである。洗脳で時間が経つほど戦力を上げることができる教会側に対して魔女側は仲間を増やすのに時間がかかる、段々と戦況は厳しくなっていった。

ただ、それもここまでである。魔石さえあれば無限に物資を生み出し続けることができる人材が派遣されたのだから。


程なくして俺たちは次の街に入った。

しかし、すでに街には人の気配がしない。代わりに火薬と血の匂いが充満していた。



「何があった?」


「すでに侵略済みか。予想外だね、早すぎる。」


所々に教会の旗が立っていた。

暫く進むと見るからに教会側とわかる服を着た騎士のような姿の死体を見た。

生きている人間は誰一人としていない。


だから今、俺達の目の前にいる人間に見える物も、人間ではないのだろう。


突如として地面から現れたそのものを相手に俺たちはどうすべきか迷っていた。


「突然すまんな。一瞬教会連中かと思っちまった。ヴィア様がいるなら問題ないだろう。」


すると突然その物が喋りだしたのだ。


「【死霊術師】聖骸布の側近、人形遣いだ。よろしく頼む。」


あいつとは違うから良いが、人形遣いと聞くと嫌な思い出が蘇るな。隣のメランも厳しい目をしている。


「その様子だと他の人形遣いに会ったことがあるのか。一応ユニークのはずなんだけどな・・・・・・。」


「いや、気にしないでくれ。それにしてもこれは何をやっているんだ。」


「そうそう。僕が前に来た時はこんなことにはなってなかったはずだよね。」


「それが分からないんだ。俺も専門分野であるので派遣されたが意味がわからん。何故か教会の連中も死んでいるし、住んでいた人間もいないしで操作が難航している状態だ。」


「何かわかったことは?」


「これが教会の仕業ってことだ。だが誰の仕業かがわからない。あの連中が死霊術を使えるとは思えないのだがな。」


「死霊術?の仕業なのか?」


「あ、言ってなかったな。それに一番状況が似ているんだ。」


「異端審問官5席【異端】ならこの状況を作れなくもないが自分の兵を見殺しにしている時点でやつではないよな。」


「ああ。それにやつは他の場所で4席とともに確認されている。流石に並行して作業はできないはずだ。」


<私の方でも調べていますがこれといった情報はありません。無名の新戦力の可能性が高いです。>


なるほど。となると俺たちはどうすればいいんだ?情報担当のヘカテや専門家である目の前の男ですらわからないのに俺達がやることはあるのか?


そんな思いを抱いたがもう夜が迫っている。死霊術師の家に泊まらせてもらった。

中に入るとそこには本当の死霊術師がいて俺たちを出迎えてくれる。


「よろしくおねがいします。」


「よろしく〜」


俺たちが家に入ると死霊術師はゆっくりと扉を締めた。


「ここなら安全でしょう。」


「・・・安全とは?」


不穏な空気を感じ取った3人はすぐさま武器を構えた。

爆発にそなえるように【読書家】も発動させておく。


「そんなに身構える必要もありません。着いてきてください。」


そう言って開けられたのは地下室への扉。


恐る恐るついていくと中には沢山の人がいた。


「これは?」


「避難民です。」



「どういうことだ?」


「先程、上にある街は教会の手によって落とされたと言ったが、あれは嘘だ。まだこの街は落とされていない。まぁ、次で攻略されそうだがな・・・・・・」


「ふ〜ん。で?この人達は何なの?」


ヴィアが多少不機嫌そうに聞いた。


「次の戦いに向けて戦力が足りていない魔女側は一般人の中で多少戦いができるものは優先的に戦わせる事になった。それでこの人たちを訓練するために派遣されたのが俺だ。ヴィア様たちには教官になってもらいたい。」


「別にいいけど。魔女様には言ってあるの?」


「ああ、先程確認を取った。大丈夫らしい。」


「ならいっか。でも、君がやれば良いんじゃないの?」


「俺の魔法を使えるやつはここにはいないからな。普通の戦闘技術は俺にはないから教えることができないのだ。」


「あ〜、わかった。でも、僕達がやるにはこの人達とスペックが違いすぎて参考にならないと思うけど。」


「それはなんとかなる。」


そう言うと術師は等身大の人形を持ってきた。


「お前たちにはこの人形を使ってもらう。一般人程度の力しか出せないように設計している、俺の能力を使えばこの人形に乗り移らせることができるからそれで頼む。」


「面白そうだな。」


「そうっすね。ゲームっす。」


「そうだね。他人を訓練するってのも面白そうだ。」


人形に憑依して他の人に教えるなんてまさにゲームと同じである。


人形のことはアバターとでも名付けようか。


「それぞれ身長を目測で測って作ってある。数cmの誤差は悪いが我慢してくれ。」


それぞれが自分の人形を持ってベッドに体を横たわらせた。


面白いと少しでも思ったら評価お願いします。

広告の下の☆を押すだけでいいので。

物凄くモチベになり、書くスピードが上がります。


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