焚火
なんと、今日はたくさん出せます。多分7話分出せると思います。
その後、餓狼の残された体を処理しているとフィラトスの体に異変が起きた。
先ほどまでの狼と合体したいようなからではなく、体格は大人でもゴブリンのような体つきに戻ったのだ。
「直ったのか?」
「そのようだ。声帯も安定している。だが、狼に変身することもできるようだな。」
そういうとフィラトスは完全な狼状態になり吠えた。
狼状態でも人語は喋れようだ。
「今回は助かった。もし、俺の力が必要ならば口に出せ。いくらでも駆けつける。」
フィラトスはそう言い残して消えた。
閻魔や白狐はもう帰ってもらっている、流石に魔力がもたない。
メランも攻撃を途中から集中して受けてくれていたので疲労困憊と言った感じだ。
フランは比較的余裕があるようで妖精を使いに出して宴の準備をしてくれるそうだ。
すぐに村に戻るとすでに準備は終わっていて、すでに宴を開始していた。
焚き火も焚かれている。昨日見れなかったがものすごい勢いで炎が昇っているのだ。
村の人達は浮かれて酒をかぶりながら踊っている。
俺もその中に入りながら適当に踊っていた。
「どうですか?」
「最高だよ。だが、ちょっと休ませてくれ。」
流石になれない酒を飲みすぎてしまった。
疲労もあるし宿に戻って寝ることにする。メランはいつの間にか消えていた。
「公爵様。ここからの案内は任せてくれないか。」
何故か先程よりも傷を負っているヴィアが案内人を申し出てきた。
もとより頼むつもりだったので良い。おそらくこいつは魔女側からの使者だからな。
それよりも気になることがある。
「その怪我はなんだ。」
「ちょっと魔物と会ってね。」
「普通お前クラスの人間に肩を大きく切り裂くことができる魔物がいるかよ。傷を見せろ。」
「はいはい。」
【治癒魔法(中)】
「完璧ではないから気をつけろよ、ちゃんとした技術を持つ人に見てもらっておけ。」
「わかったよ。ありがとね。」
おそらくフランも治療ができるのだろう、二人の治癒なら何とかできそうな怪我だったのでフランに任せて俺は宿に帰った。
寝ることはできなかったので宿の屋根で星を見ている。雲ひとつない満天の星空がそこには広がっていた。
俺がそれをずっと眺めているとヘカテからいつもの報告がはいった。
<くいと重力などの3人が裏社会をまとめ上げることに成功しました。ヴァセロ帝国は本格的に日本を支配することに決めたそうです。【氷焔巨狼】との交渉の席に宮廷執事がつきました。>
(なるほど。西日本はどんな感じなんだ?)
<基本的に魔物の領地へと変わっていってます。四国は完全に落ち、吸収も一部の地域以外は魔物が支配しています。中国地方は比較的マシですが山口などはもう侵略されました。このまま行けばヴァセロ帝国とぶつかりますが帝国は西日本にはあまり手をくださないそうです。救出に留めるらしいですね。>
(意外と消極的だな。)
<Sランクが何匹か確認されているからでしょう。>
(あ〜、たしかにな。)
<海外では特に変わった動きはないです。中国が完全に魔物の楽園に落ちただけですかね。>
(結構重要じゃないか。)
<今後ヴァセロ帝国が進出する範囲によっては重要になるでしょうね。それとたった今異端審問官の7席が殺されました。>
(たった今?)
<ええ。おそらくヴィアが殺したのでしょう。なかなかに強いようですねあの人間は。>
(そうだな。俺でも実力を隠しているように感じるぞ。)
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