針葉樹の森{5}
満たされるのは大きな万能感。
閑話といってもこの後には2章しか残っていない。
古代の都市を名としたこのスキルは今までとは比べ物にならない能力である。
【虚焔吐息】
先ほどまでなら避けるしかなかった攻撃だが今は違う
【流星】
高所からの攻撃により、炎を遮る物体を生み出し、その陰に隠れたのだ。
さらにそれを遮蔽物としてメランやフランが走り出す。
アレッタは味方に有利となるような場所に次々と流星を落としていく。
瞬時に肉薄した二人は吐息直後の隙をつき一点集中で傷を作り上げていく。
【狂風】
【呪弾】
すかさず上空の二人が援護を開始し、アレッタも最後の仕上げを始める。
そろそろ、終盤の気配が見えてきたところだった。
【虚焔之城】
餓狼が最後の切り札を使う。
領域魔法式。普通のAランクでは不可能。
知恵を持つものだけに許された魔法である。
【傷つく鼠】
最初に気づいたのはメランで瞬時に自らを極上の囮に仕立て上げ走り出す。
【図書之管理人】
間髪を入れず意図に気づいたアレッタは自らの魔法式の術式を呼び出した管理人に任せ、小規模の魔法でかく乱させる。
【妖精ノ遊戯場】
それによって稼いだ時間でフランの魔法式が完成し、世界最高峰の幻覚魔法が始動する。
しかし、それすらも餓狼が吐いた吐息によって霧散してしまう。
【虚焔之塔】
空が裂け、突如炎の塔が生まれ、アレッタ達を押しつぶそうとする。
最前線で攻撃を引き受けているメランはもちろん、例外なくすべての人間に猛威を振るった。
管理人含め全員が至る所から繰り出される攻撃に対し防御するが数・質、何方も高く、次第に押されていく。
そんな中、同じように風によって防御しているヴィアが攻撃の合間を縫って近づいてきた。
「僕だけなら攻撃できるからしておく?どうも防御は性に合わないんだよね。」
「分かった。なるべくサポートする。」
そう俺が言うと、フランも妖精を動かしサポートに入った。
(私の負担が増えるのですが……。)
(今は我慢しろ。)
(あ、それとフィラトスが接近がしています。餓狼は気づいていません。)
その報告と同時に餓狼の頭が少し凹んだ。
そのまま飛び降りてきたフィラトスは続けざまに足に攻撃を放つ。
大剣を構え炎の塔ですら防いで見せた。
【滅狼断鬼】
吸収した狼の力を使いフィラトスは俺たちにない圧倒的な近接火力でもって餓狼と相対する。
その影響で攻撃頻度が落ちていく。
(私だけでなんとかできるので全員攻撃でお願いします。)
【気まぐれな刃】
その直後、先ほどまで全く届いていなかったヴィアの攻撃が餓狼の足を大きく抉った。
名の通り「気まぐれ」なのだろう。
「運が良いね。行けるよ。」
恐らくここが正念場、上空の二人もフランも一斉に餓狼に向かって行く。
【地獄門・百鬼夜行】
【鎌鼬】
地獄の底から召喚さらた餓鬼どもが餓狼に群がっていく。
さらにその上を鎌鼬が暴れる。
まるで膿のように傷に群がっていくその姿はそれこそ地獄であった。
仲間である俺ですら若干の吐き気がするのだから餓狼からすれば鬱陶しいことだろう。
俺たちが仕留めにかかっている間にメランも何かを進めていたようだ。
【過去之遺物】
人類が残した過去の情報の産物が餓狼を襲い弱点をあらわにする。
全員の攻撃によりひるんだ餓狼めがけて閻魔が決めた。
【氷獄地獄】
絶対零度の地獄の氷により一瞬で氷になり餓狼は砕け散った。
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