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廃れた世界の魔石取扱人  作者: 八咫
inヨーロッパ
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針葉樹の森{4}


「呼ビ名はフィラトスと呼んデくれ。」


自らのことを【虚鬼(ボギー)】言ったその人物は意外と俺たちと同じような身長をしていた。


肌は普通のゴブリンと同じような色をしている。


特徴的なのは右足と眼、それと左腕だろうか。

明らかに素材が違う。


俺の目線に気づいたのだろうか【虚鬼】は苦笑した。


「暴食とまでハいかない。【悪食】とでもイえばいいノか……。食った魔物ノ特徴をまれに手に入れることが出来てしまう能力でナ。発動条件すらもわかっテいない呪いだ。」


「身体能力に影響はあるのか?」


その魔物の特徴が現レる。今のところ良いが。元に直せないノが一番つラい」


「なるほど。」


「【虚焔の餓狼(マルコシアス)】は強イ。俺ヲ連れテいく気はなイか?」


よくあるゲームで突然現れた人が仲間になる展開だなと思いながらもこれは渡りに船。想定してない攻撃が来た場合こちらでは対応できないので手数が増えるのはうれしいのだ。


「有難い。だがお前の目的はなんだ?」


「これデも森の番人だ。奴にやられっぱなしというのもイやなのでな。」


「……理解した。」


「そレとフランは俺ノことを知っているからお前たちガ突然消えたことも大丈夫だぞ。今回のこともすでに話してアる。」


「なら良かった。」


「もう朝方だ。呼び寄せてしまってスまなかった。」


「いいっすよ。」


「ああ。」


俺とメランはフィラトスに見送られながら宿に帰った。


「どうやらあったようですね。どうでしたか彼は?」


もしかして待っててくれたのだろうか、そうだとしたら悪いことをしてしまった。


「良い魔物、…いや魔族といった方が良いのかな?」


「それは良かったです。それと一つ問題が、【虚焔の餓狼(マルコシアス)】がこちらへ向かってきてます。狙い勿論」


フランの言葉をメランが引き継ぐ。


「私たちっすね。」


即座にアレッタは移動を開始する。


「村に被害が出ない範囲まで行く、相手も俺たちの場所が分かっているようだから向かい打つぞ。」


「了解っす。」


アレッタは移動しながら懐から折り鶴を取り出しフィラトスに向けて伝令を伝えるために魔力をかけて送り出した。

目的の場所に着くと俺は閻魔と白狐を呼び出す。

魔力的には万全とは言いずらいがまあ大丈夫だろう。


「行くぞ。」


「「了解」」


最後の掛け声を出し、近づいてくる強大な気配に対し散らばった。



虚焔息吹(イグ二ブレス)


初手から先ほどの最強の攻撃を出してくるあたり奴の本気度もわかるというものだ。

だが、まぁそのブレスは意味なかったがな。



フランと俺が無防備になった餓狼の背中に魔法を叩き込む。


雷雪嵐吹(天の怒り)


【妖精の遊戯】


俺の攻撃が背中を裂き、妖精の容赦ない攻撃がその穴をこじ開けていく。


慌ててこちらに意識を向ける餓狼だったが今度は側面からメランが潰しにかかる。


悲壮なる絶対(トラギック…)■】


「は!?」


本来なら確実い相手を仕留めるだろうその技は発動することはなかった。


そして先ほどまでメランが居た場所には地面から湧き出た炎が蠢いていた。


「マジっすか。」


「おいおい」


外野の声を気にせずに餓狼は第二形態へ変化していく。


【虚焔之鎧】


【地獄之焔禍】


先ほどまでとは明らかに脅威度が違う炎があたりに飛んでいる。


必死に閻魔と白狐が相殺してくれているが限界も来てしまうだろう。

予定が狂ったので俺はここで切り札を投下することにした。


不完全なる図書館(ジンファルラン)】 

【閑話:大図書館(アクロポリス)


突如、空間が書き換わっていくのを感じる。


俺の背後にあった燃えかけていた木々は消滅し代わりに本が敷き詰められた棚がいくつも現れた。

変化はそれだけに終わらずその棚が移動を開始し、柱も現れたことでまるで古代ギリシャ建築のような図書館が生み出された。


元からあった能力を超強化するのがこの図書館の特質である。



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― 新着の感想 ―
[良い点] 今回も楽しく読ませてもらいました。 [一言] ヌードラゴンを知っていますか?
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