小樽{2}
時は遡り、地獄。
八咫烏は自身の復活のために冥界門を守る守護者の一角、イザナミと戦っていた。
ちなみに、閻魔も守護者の一人だったりする。
「貴方を倒せば通してくれるのですね。」
「そうだね。ちゃんと返してやるよ。」
「ならば行きます。」
八咫烏はそう言い放ち攻撃を仕掛ける。
【八からなる黒翼】
アレッタに見せたのとは比べ物にならないほどの大きさの羽が八咫烏を包み込んだ。
ここは地獄、弱体化が解かれた八咫烏を止める者はいない。
【黄泉の軍勢】
イザナミも相対するように自分自身を強化する。
自らの軍勢を呼び出しそれを喰ったのだ
「ヤバいのじゃ、壊れてしまう。」
閻魔は急いで結界を構成した。
【地界地獄】
ある程度の距離を持つ結界が内側からの衝撃を守る。
【終局の陽炎】
八咫烏の初激は最高峰の技だった。
それはレヴィアタンに使ったような光線ではなく、点を穿つような光だった。
【鬼哭啾啾】
対する、イザナミは亡霊の声を使い何十倍にも膨れ上げさせ、放つ。
光と音が収縮し、轟音と共に跳ね返った。
【逢魔が時:鬼ノ刃】
【黄泉之渦禍】
イザナミは二種類の技を掛け合わせ、武器を召喚した。
【醜華万象】
人々の怨念が具現化し、八咫烏を襲う。
【太陽の道標】
羽の一つから放たれる光が亡霊を近づけさせない。
【八咫之神】
【黄泉之神】
【地獄之神】
八咫烏とイザナミが自らの権能を開放すると、すぐさま閻魔も開放する。
二つの権能から地獄を守るのには足りないと感じたのだ。
そして、
「やぁ閻魔ちゃん、助けいる?」
「頼むのじゃ。流石にこれは厳しいのじゃ。」
「そうだね。僕も一人では厳しいと思うよ。」
【月読之神】
日本の夜を司る神までもがそこに現れる。
【夜之結界】
【地獄之結界】
【八の太陽】
一つ一つの威力が【終局の陽炎】に匹敵する光線が放たれる。
【黄泉之簪】
しかし、黄泉の軍勢からイザナギを守ったとされる簪が今度は八咫烏を阻んだ。
更にそこから蔦が生まれ、八咫烏を狙って動き出した。
【蔓檻】
「埒があきませんねぇ、そろそろ決めますか。」
「そうだね。お互い最高の技を決めるよ。」
イザナミと八咫烏はお互いに技の準備を始めることになった。
これは案外ツクヨミと閻魔のためでもある。本人たち二人はこのまま何時間でも続けることが出来るが、他の二人は仕事があるのだ。流石にまずい。
「行くぞ。【黄泉之醜悪軍】」
「流石ですね。【八の黒陽惑星】」
黄泉から湧き出た軍勢と
太陽に連なる八の惑星の光がぶつかり合う。
多数対多数、相殺が所々で起き蒸散する。
そして最後、不意を突きイザナミの体が光に貫かれた。
「とまあ、こんな感じで脱出しました。」
なるほどなぁ……。
八咫の説明を受けて若干引いてしまったのは俺だけじゃないはずだ。
今八咫烏は大幅な弱体化を受けてここにいる、と言っても強さは俺と同じぐらいなのだが……。
「主がいれば勝率は上がるな。」
「そもそも、フィロも来るんでただただ殴るだけになりそうですけどね。」
「なるほど。」
そう言ったのがまずかったのだろうか?フィロから電話が来た。
(すまん、援軍を送れそうにない。)
(はぁ?)
(メランがまずい物を持って来た、なるべく早く解決しておいてくれ。)
(おい、ちょっと……って切れたか。)
「すまん、援軍来ないそうだ。」
「「「え!?」」」
「何かあったらしい、自分で解決してくれだとよ。」
「なるほど、どうします?」
「戦うしかないだろ、少し勝率が落ちただけだ。」
「そうじゃの、抵抗軍をここに集めてくれないか?これを渡せば来てくれるはずだ。」
そういって爺さんは首にかけていた物を少女に渡した。
「分かったわ、すぐに行ってくる。」
「気を付けてくれよ」
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