五稜郭{4}
出すの忘れていました。
正月は忙しいですね。
色々おかしなことがあったが俺らは当初の予定を変えずに五稜郭に着いた。
五稜郭とは魔物の脅威度が本土より高い北海道において小樽とならんで人類が集団として機能している場所である。その五稜郭を守っているのは自警団とある男一人のみだ。
その男の名は【星墜ち】。圧倒的、空中戦の王者である。
流れ星のように空から墜ちていくのだ。
「アレッタ、あれが【星落ち】だ。」
「被虐趣味にしか見えん。」
俺は遠くから星墜ちの姿を見てそう思った。
「まぁ俺も自分から傷つくような落ち方をしているやつの考えは理解が出来んな。」
「したくない。」
事前に知らせておいた時刻通りに五稜郭に入った。
歩いてきたのは背の高いひょろ男だった。
「よろしくお願いいたします。【星墜ち】エトアルと申します。」
?。俺は思考回路がショートしたのを感じ、隣のメランに絶対に聞こえない声で話した。
(なぁ、何でこんな痩せ男が【星墜ち】なんだ?新手のどっきりか?)
(嘘ついていないのは分かるはずっすよね?しかし、この体系であれを実現することは不可能だと思うっす。)
(だよな)
「ふふ、私の体系から先ほどの攻撃に結びつかないのでしょう。無理もないです。何せあれは私のスキルで作り上げた偽物の私なのですから。空から落としているだけですよ。」
あー。そういうことか。
「あれは昨日のまずい奴の検証ですね。」
「なるほど、分かった。交渉をしたいのでテントはないか?」
「こちらに。」
俺とアウム、小樽に皇、フィロと新楽、三日月だけがついていった。他の人たちはメランの指示のもと一か所に集まっている。
テントに入り、用意された席に着く。
「単刀直入に言おう。俺の下で働かないか?」
フィロが言った。
「別に今の地位に固執していないのでいいですが、当然見返りはあるんでしょうね。」
「ああ、食料は見た感じ問題なさそうなので、戦闘物資と人員を派遣しよう。」
「具体的には?」
「今回ついてきた【白虎隊】50名。そして、戦闘物資についてだがこちらのアウムと相談してくれ。」
「なるほど……、この城の経営をすることが出来そうな人材はその中にいるか?」
「二人ほどいる。情報網も必要になるだろうからしばらくこの小樽を貸そう。」
「よろしくお願いいたします。」
「有難い。」
「そして、エトアル殿には公爵位の称号を授けよう。」
「それには何の意味があるのですか?」
「権威の象徴だ。いずれはそれを持つだけで意味が出てくるようになる。そして、給料も出すことにしよう。」
「給料ですか……。」
「今はまだ無理だがな。復旧が進んだらだ。」
「そうですね……。」
ん~、俺要らなかったんじゃない?もう話しが終わったぞ。
「もう少しで新年ですね。」
「そうだな」
「こちらでも新年は派手に祝いたいと思っているので皆さんも楽しんでください。」
「そうさせてもらおう。それと何かあったらこのアレッタに頼んでくれ。大体解決してくれる。」
「っ!?」
おい、何か言いだしたぞ。この皇帝。
「やってくれるよな。」
「……御意」
良いけどさ~。
フィロたちが去っていきが去っていき俺とエトアルだけが取り残された。
「俺は何をすればいいんだ?」
「そうですね。とりあえず私と戦いませんか?どのような仕事ができるのかわかりませんし。」
「戦いか。まぁ良いぞ。」
「少なくとも苦手ではないと。」
「ああ、フィロのような派手さはないがな。」
「フィロ様は派手なのですか?」
「植物を物理的に生やすからな。」
「凄いですね。では場所を移動しましょう。」
俺はエトアルに連れられて五稜郭をでた。
ちなみに五稜郭だが、相変わらずの謎の建設スキルによって城塞化している。
「ここぐらいならいいでしょうか」
そう言ってエトアルが構えたのは刀だった。
「行きますよ」
「行くぞ」
同時に声を出して駆けていった。
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