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廃れた世界の魔石取扱人  作者: 八咫
帝国拡大
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蓮のいない日常{4}

4。次で最後です。


「どうするこれ?」


「どうするも、こうするもないような……。」


【光よ照らせ】


雲と光が相殺し合った。


その合間を縫って美穂のレイピアが狼を刺そうとするが狼は直ぐに隠れてしまう。


「ああ、早く出なさいよもう!!」


【光の騎士よ邪狼から守れ】


光の騎士。梓に従う召喚獣の中で最高峰の防御力を持っている騎士が梓を守る。


【衝撃派】


広範囲に向けられた風圧と共に美穂が飛び出した。


「そこね」


【死音突】


死の音を鳴らしながら剣が狼に突き刺さる。


「やるではないか」


狼は直ぐに後転すると姿が消え次の瞬間、梓の後ろにいた。


光の騎士と雲の巨狼が交差する。


【光盾】


【雲牙】


光の騎士はなすすべもなく牙によってかみ砕かれた。

しかし、騎士が稼いだ一瞬の間に梓は準備を終えていた。


【光鳥】


空から光がまき散らされ雲が消えていく。


狼は即座に空に向かおうとしたが邪魔が入る。


美穂が舞い戻ったのだ。


「梓、畳みかけるわよ。」


「もちろんです。」


【光魚】


今度は光る魚が狼に向かって行った。


後ろからは美穂が迫る。


このまま空に飛んでも追撃が来ると感じた狼は向かい打つことにした。


一匹狼(サビシガリヤ)


【孤独の狼】


【孤城】


そして、今まで使ってこなかったスキルを開放する。


一瞬にして小さな要塞がたつ。


美穂と魚は同時に攻撃するがその攻撃は届かず阻まれる。



「ふむ。一人というものは本当に寂しいな。」


【孤色】


全てが灰色に染まっていく。


「梓、守って」


【光よ囲め】


梓と美穂だけが光のかまくらに覆われ灰の世界に染まらない。


「梓。一回で良いから奴を無防備にさせてくれない?」


「良いけど?どうするの?」


「考えがあるわ」


【ルスピュール・光よ侵食せよ】


ルスピュール、それは最重要命令である。

全ての光と熱が集まり、浸食を開始した。


「行くわよ……」


今日の最高速度、音速を超えた速度で美穂は狼に向かって進む。


精神葬魂歌(マインドレクイエム)


美穂が扱える単体最強の技。対象の精神を壊すその攻撃を狼に向かって放った。


「!?」


それを紙一重で避ける狼だったが掠ったことで相当なエネルギーを持っていかれた。

それでも戦うことはできただろう、そして美穂を殺しそのまま梓も殺すことが出来ただろう。


しかし、狼はそれを選択しない。


二人が見せた連撃に狼の心が高ぶったのだ


狼は昔、群れの中での中心人物だった。しかし、ある時スキルを授かったことによりそれは一変する。彼は何も言わずに群れから去っていった。

いつしかスキルは変化した。


一匹狼(ココウナルモノ)

から

一匹狼(サビシガリヤ)

へ。


そんな彼は友情というものに弱いのだ。


「見事だ。この地域に手は出さぬよ、もう」


彼はそう言い去っていった。


彼が去ってからしばらく後、二人の足音が聞こえたので美穂は立ち上がった。


駆け寄ってくるのは裕也と奏音。


「何があったんだ?」


「何って、魔狼のボスが出たのよ。」


「魔狼のボス?意味が分からないな。」


「そっちこそ何やってたの?」


「こっちはゴブリンが大量発生したから見に行ってみたらなんか英雄が増えたんだ。」


「何言ってるかわからないわよ。」


何方も焦りで何を言っているかわからない状態だったが、落ち着いている梓と奏音が情報共有を行ったおかげで他の二人も理解できたようだ。


「【小鬼英雄王】ね。大変だったわね。」


「ああ、鬼塚さんが居なかったら不可能だったよ。そっちもすごいじゃないか、最初から名持ちの魔物なんて……。」


「まぁね、と言いたいところだけど。見逃されたようなものね……。」


「何にせよ良かったよ。」


「そうですね。とりあえず今日は寝て明日に備えませんか?」


「これだけ頑張ったのに明日も仕事か……。」


「しょうがないよ。」


四人は笑いながら帰っていった。


かたずけを忘れて……。

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