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廃れた世界の魔石取扱人  作者: 八咫
帝国拡大
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血が出ない町{4}

デキナイ。ツカレタ


長は大地を蹴って敵に肉薄し針を押し込む。しかし、敵は瞬時に飛びのくことで回避した。


「速いな、おい。」


「速度重視ですから。」


長は自らの権能によって槍を生み出しながら答えた。

それを見た敵も同じように鎌を出す。


「同族ですか?」


「その問いが出るってことは同族だな。」


「それもそうですね。」


そういうとお互いが外骨格に覆われ、体を変態(ヘンシン)させた。


「蟲人【蟷螂(カマキリ)】だ。」


「蟲人【蜂】です。」


蟲人、それはこの世界が作られた時にできた種族の内の一つである。スキルによって生み出されたその種族は人間とは違う強靭な肉体を持つ。その肉体だけで【エクストラスキル】所有者と互角に戦うことすらできてしまう。



【砕振針】


長は常に針を生み出し牽制しながら自身は槍を使い、果敢に戦う。


蟷螂と名乗った男はリーチの長さを生かした長の戦い方に難色を覚えながらも、必死に受け流す。力は蟷螂の方が強い。しかし、長のリーチの使い方がうまく、なおかつ戦闘において大切な速度が上回っているため状況は長が有利だ。

しかし、その均衡はいつ崩れるかすらもわからない。


千斬烈華(ミダレギリ)


そう、このように。


突如、蟷螂の斬撃が変化する。鎌の名を示すように多彩な太刀筋で長を追い詰めていく。元から力では上回っていたので、一度形勢が変わると戻すのは難しい。


長は必死に受け流していく。




「キリがないな。」


上級国民と言っても結構な差があるみたいだ。あの後、何人も殺したのだが圧力が消える様子はない。


【火炎瓶】


「おっと」


辺りが炎で包まれるが俺には効果がない。


「そこか」


銃で狙いをつけて撃つ。しかし、銃弾はあり得ない方向に飛んで行った。

また、重力だ。技が少なそうなのは良いことだが通常でこれはおかしいだろ。


【雹蓮花】


地面が凍り付き、俺を凍らせようと氷の花が咲く。


【空駆け】


危ないな、これ。上級国民と呼ばれていただけのことはあるよ。普段の俺ならともかく、武器商人の戦い方はどうすれば良いんだ?


飛礫(つぶて)


また飛んできたよ。


必死になって避けるが、なにぶん数が多いため少しずつ当たる。



【魔符:結界】


ふぅ~。しょうがないので結界を貼ったが意外と有能だな。良かったことはこの飛礫、魔法で出来たものだったことかな。

しかし、これで戦い方を決めることが出来たよ。今の俺は武器商人だったことを思い出せたよ本当に。


【魔石商店:槍】


魔石を槍に変えて投げる。


【引力】


槍はまたもや違う方向へと飛んで行った。しかし、その術師の場所は分かる。


魔石を投げつける。


B-ランクの魔石は空中で姿を変化させ。槍となって襲う。


慌てて槍を防ごうとしているのが見えたが、そこで止まっている道理はない。すぐに地面に下りて背後に回った。


「動くな。振り向いたら殺す。」


「分かった。」


「そこの二人もだ。」


しぶしぶ、二人が両手を挙げて棒立ちになる。


「お前らは元上級国民で良いのか?」


「ああ」


「今回狙った動機は?」


「それは聞かされてないな。」


「リーダがいるのか……。」


本来なら公爵に刃を向けた時点で極刑だ。しかし、戦ってて思ったのだがこいつらは使える。できるなら俺の駒にしたいが……。


「本来なら死刑だが、お前たち俺の下につく気はあるか?」


俺が死ぬような攻撃を仕掛けてきたら別だったがこいつらはしなかった。それならば一回くらいは見逃してもいいはずだ。利用できるもんならする、それが俺の意志だ。


「ある」


「良かったな。早速だがとりあえずリーダーの名前を教えてくれ。」


「【人形使い】」


ん……?聞いたことがあるような……。ってあの萩原さんを殺したやつの一人じゃないか。となると他にも操られているのかもしれないな。」


「お前たちはとりあえずここに移動しておけ。」


前山賊拠点の第二拠点を指して言う。


俺はサラが行った方にすぐさま向かった。



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