血塗られた都{2}
「うちの者が失礼した。」
うん、失礼されたな。殺されることはなかっただろうが……。
ま、そんなことを言えるはずがないので適当に返しとく。
「別に大丈夫だ。」
「助かる。」
「それよりもここのことの方が気になるからな。」
「それについて説明していきましょう。」
その男は俺らの前の席に座り話し始めた。
「私たちは簡単に言えば、ここ、裏道の治安維持組織です。」
裏道……、通り抜ける道じゃないよな。
「といっても城の公認組織ではないですし、まずいこともやったりしてますよ。」
「そうなのか。」
「そんな私たちですが、この裏道において裏組織を潰しまわってきました。そして次が最後です。」
女が続けた、
「相手は『喰種』って組織でね。今回の殺人騒動もあいつらのせいだよ。」
「そう、そんなわけでしてね。仲間を増やしたかったのですよ。」
「なるほどな、一個聞いていいか?」
「なんですか?」
「何で非公式なんだ?」
「それはまずいことをやってるから……」
「嘘だな。【吸血姫】もまずいことはやっているだろう。でなければ不可能だ、あれは。」
「そうですが……、」
「答えてくれ。」
「わかりました、言いましょう。公式になってしまうとあの女の配下になったと同じようなことになってしまいます。いろいろとまずいのですよ、それは。」
「まずい?」
「派閥問題とだけ言っておきましょう。質問はそれだけで?」
「ああ」
派閥ねぇ、なんなのだろうか……。気になるな。
「仲間だったけか?、少しだけならいいぞ。」
「おお、ありがとうございます!」
仲間になることが決まってからはさっきまでの緊張感が嘘のように消えた。
謎の世間話が始まり、メランと女がしゃべっている中、俺は、一人酒を頼んでいた。
え、未成年じゃないのかって?
そんなこと新世界じゃ関係ないんだ。一応ヘカテにも聞いたよ、そしたら……
<100%害はありません。>
やったね、初酒だ。
だが、運ばれてきたのは……
「葡萄ジュ―スかよ。」
何食わぬ顔でパブの人が言った。
「害がなかろうと未成年がこの味を覚えるのは早いですよ。」
「む~。」
せっかく飲めるチャンスだったのに。
<マスター、またいろいろと情報集めてきましたよ。>
(おお、さっそく頼む。)
<はい!
まず、世界情勢ですが色々動きました。
七つの大罪の化け物達は現在消息不明に、これにより人類が対抗不可能な強大な魔物はいなくなりました。>
(いいことじゃないか。)
<そうですね。次に人間国家のことです。
バチカンが現在ヨーロッパの中では一番強い勢力になっています。対魔物特化の組織がありますね。過去にAランク撃破記録があります。
アフリカですが、マダガスカルが完全に陥落しました、魔物の領土になってしまっています。現在救出活動が行われていますね。アフリカは【獅子王】と呼ばれる人物が強いそうです。
北アメリカですが、まだまとまっていません。日本のような状態です。
南アメリカや中東は、……いまだ争っています。その様子は私からしても滑稽ですよ。
東南アジアの帝国は本格的に皇帝が決まり動き出しています。今一番まともなのはここですね。
中国は……面積に対して魔物が一番多いです。S級が10体ほどいるだとか……>
(色々言いたいことはあるが……、中国終わってないか?)
<人口が二十分の一になっております。>
(おお)
<最後に、重要なことですが。八咫烏と連絡が取れました。>
(死んでなかったのか)
<それがそうでもないらしく、地獄にいるそうです。脱出までにあと100日かかると言ってい。>
(何で地獄なんだよ)
<そういう場所があるのでしょうか。>
(宗教どうなるんだろ。)
<そうですね。>
(いつもありがとなヘカテ、また頼む。)
<はい!!>
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