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廃れた世界の魔石取扱人  作者: 八咫
青森
35/110

山賊{5}

二日も遅れました。恨む宿題。


さあ結果発表だ。


どっかから持ってきた大型画面のテレビにPCをつなげて、全員が見えるようにする。さてどうなるのか…、頼むから最下位にだけはならないでくれ。今回の大会はポイント制で一位が4点、二位が3点、三位が2点、四位が1点、五位が0点だ。

ついに結果が出た。


第一ゲーム ババ抜き


一位皇 4点

二位おっちゃん 3点

三位萩原さん 2点

四位メラン 1点

五位アレッタ 0点


本当にあれはメランがうまかったな。皇は対策しようがない。

心の中でみんなをほめているとおっちゃんと萩原さんが文句を言ってきた。

点数に文句があるわけではないようだが……、


「おい、何で俺の名前が『おっちゃん』なんだ?」


「こっちもそうだな、何で『さん』が俺だけついているんだ?」


ここに驚いたのはこのゲームの集計をした皇だ。


「え、おっちゃんは他の名前が考え付かないし。萩原さんに関してはさんを含めて、『萩原さん』と言う固有名詞じゃないんですか?」


「そうっす。」


まさかの発言だが納得してしまった俺がいる。おっちゃんたちは文句を言いたいようだが。皇が強引に話を切った。次だ次。


第二ゲーム 神経衰弱


一位アレッタ

二位おっちゃん

三位メラン

四位皇

五位萩原さん


おー、おっちゃんはどっちも二位で凄いな。俺は極端すぎないか?


第三ゲーム スピード


一位メラン

二位アレッタ

三位萩原さん

四位おっちゃん

五位皇


俺とメランを反対にしたらババ抜きの逆の順位になるな。皇、三本の腕出してたくせに最下位かよ。速度を重視しているメランが一位なのはともかく萩原さん意外と速かったんだよな。


第四ゲーム 大富豪


一位萩原さん

二位皇

三位アレッタ

四位メラン

五位おっちゃん


これに関しては誰もスキルを使わなかったな。


第五ゲーム 七並べ


一位アレッタ

二位おっちゃん

三位皇

四位メラン

五位萩原さん


これは……運がよかっただけだな。


第六ゲーム ポーカー


一位アレッタ

二位おっちゃん

三位メラン

四位萩原さん

五位皇


これはトランプなのかよくわからなかった。ルールはみんな知っているらしいけど。実質俺はヘカテの指示に従っているだけだったし。


結果発表


一位 アレッタ 17


二位 おっちゃん 13


三位 メラン 11


四位 皇 10


五位 萩原さん 8


「勝ったー」


「最下位かよ。」


「危なかったです」


「やったっす」


「よかったな」


勝てた、しかしだ。大体ヘカテの指示通りにやっただけなのだ。次の機会があったら自分だけの力でもやってみたい。

みんなでワイワイしていると、小樽が駆け込んできた。


「また馬車だ。」


ガタッ

みんなが音を立てて机から立ち上がる。


「準備をしておいてくれ。小樽調子は?」


「おかげさまで良くなった、それと、その馬車なんだが白旗をあげててな……。」


「白旗?」


「ああ、おとりの可能性もあるから一応人数を残していくべきだと思う。」


「なるほど、ならば俺と皇、萩原さんでいく。」


皇や萩原さんもうなずいてくれている。


急いで馬車の方に向かう。馬車にのっている人が見えてきたとき俺の疑問(ぎもん)()けた。


(ヘカテ、あれってこの前の家族が病気だって言ってた人だったよな?)


<はい>


そんなことを考えながら一直線に進んでいく。俺らの姿が見えたのか、その人は嬉しそうな表情を見せた。


「山賊様、あの時はありがとうございました。おかげで別の町につくことができ娘の病気も治りました。」


「別にいいが……」


「それのお礼に、たくさんの肉を持ってきました。ぜひ他の国民に分けてください。」


「肉?」


人肉じゃ困るぞ、人肉じゃ。


「オーク肉です。娘を治したところで買いました。」


「二日ほど前に人肉を乗せた馬車が来たのでな、肉と聞いて勘ぐってしまった。すまない。」


「それは……、あのついに人間、禁句(きんく)を犯しましたか。」


「それと、何で自分で分けないんだ?」


「私がやってもいいのですが。それだと上級国民の大半から白い目で見られるので。今の地位はそれなりに高いですから。利用するまでは終わりませんよ」


おれは言葉をつなげた。


反乱(はんらん)を起こすのか?」


その男は小さく笑った。


「正確には反乱の種ですね。騒動(そうどう)が起きている間に私は逃げますが……。」


やばいだろ。今の地位も利用するだけのものだと考えているのか。この背の高い優男、相当頭が切れるな。


「なるほど……、旧世界の職業はなんだ?」


「商人です。そして新世界でも私は商人ですよ。私の商人スキル最上位のユニークスキルです。金さえあれば私は生きていくことが出来ます。しかし金と言っても新世界の金らしいのですが。」


え、これってまさか……。


<似てますねこれは。>


「皇、萩原さん帰ってもらえるか?もしかしたら町に潜入するかもしれん」


「わかりました。潜入は今がいいらしいです。」


「おうよ。こっちは任せとけ。」


いなくなったのを確認してから、商人の男に自分のスキルや目標のことなどを伝え、協力を願い出た。


「こちらとしてもありがたいです。貴方とは長い付き合いになりそうですね。」


「そうだな。それと、一回街に潜入したいのだがいいだろうか?脱出するときに必要な荷物はうちが預かっておこう。」


「それはありがたい。潜入ですか……、私の弟ということで潜入してみますか?」


「そうしよう。」


【変身】


久しぶりの変身、変身スキルが二人目に変身できるようになったからここで使う。イメージは目の前にいる優男の背を小さくして若干顔を幼くした男だ。


「凄いですね。変身スキルというものは。」


事前に伝えてあるため騒ぎはなく難なく進んだ。


「あれ貴方の名前ってなんだ?俺の名前はアレッタだが。」


「あ、私としたことがそれを忘れるとは私の名前はアウムと名のらせてもらっています。」


「アウムか……、ならこの姿での俺の名前はアルゲンにしよう。」


「アルゲンですか。それと言葉遣いは……。」


「ワザとだ。街に行くときはアウム兄のようなしゃべり方にする。」


「アウム兄ですか。なんだかむず痒いですね。それとそろそろ行きましょう。」


俺は馬車に乗りながら町に向かった。





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