山賊{1}
書けた‼
時を遡ってみよう。
「八咫烏ー-」
八咫烏が消え、レヴィアタンが逃げていったとき俺の心は安堵という感情に満たされていた。しかし許せないこともある、それは自分だ。
恨めしい。
あいつを代償にして生き残れている自分が……。力がない自分が心底恨めしいと思った。
・
八咫烏の消滅から一週間後、俺とメランそれに船がなくなってこれなくなったおっちゃんも旅に同行し。三人で行動していた。
旅も順調で魔物を倒しながら進むことが出来ている。ここで俺の魔石のランク別にどれくらい持っているか確認しよう。
Bランク 1個
B-ランク 40個
C+ランク 300個
Cランク 2500個
C-ランク 4000個
合成で上げたのも含めてこれだ、こうしてみるとすごい数だな。Dランク以下は多すぎて出さない。
そういえば、前にこのスキルでエキストラスキルを得たことがあったな。実はスキルの取得には制限があって俺は今のところ後一個入れることが出来る。自力習得したのは別だが。
そんなわけでこれをどうしていくかが問題なのだ。とりあえずCランクの魔石は全て矢に変換した。矢と言っても初めから属性がついていて、当たると燃えたり、凍ったりする。魔力の消費がないので便利なのだ。
次はBランクだな。いろいろあるが……、いつもの青色に示されたボードには魔法の道具などがあった。
<マスター、これなどはいかがでしょうか?>
お、いいもの見つけたな。これにしよう。これにはBランク五個か、B-組み合わせますか。
最後にC-とC+か、そうだなー-、武器でも売ることにするか、次の町で使おう。さっき買った収納カバンもあることだし。
収納カバンとは、二十二世紀のロボットが出てくるアニメの中の四次元ポケットみたいなものだ。流石に無限の容量があるわけではなく、大体体育館一個分の容量しかない。それでも十分だがな。
そんな感じで整理を済ませながら歩いていたらいつの間にか奥羽山脈に差し掛かっていた。
「暇っスね。」
「何にもないな。」
全く平和が一番だっていうのにこいつらは何考えているんだ。
そう思ったのがいけなかったのだろうか。奥のほうから何かを言い合っている声が聞こえてきたのだ。
慌てて見に行ってみるとそこには仮面をかぶった五人組と警察官みたいな人間が武器を構えながらにらみ合っていたのだ。
仮面たちが言った。
「俺たちが何をしたって言うんだよ。」
警察官が答える。
「上級国民から金を盗んだんだろうが。」
他の仮面男が男を馬鹿にするように言った。
「そんな法律ありませんよー-、政府が壊れていますしね。そもそも警察官でもない男たちが警察服を着ないでください、そこの人がどっちにつくか困っているでしょうが。」
へー、あの人たち警察官じゃないんだ。あと、多分わざとだろうが、人をムカつかせるようなしゃべり方をするな。……あれ?仮面の人たちどこかで見たような気がするな。そんなことを考えているとさっきの言葉に続くようにこれまた別の仮面の人が言った。
「それに、上級国民というけれど同じ国民でしょ、あのままじゃ他の国民は死んでいたわ。上級国民のすねをかじっているあなたたちには、わからないのかもしれないけれどね。」
警察服の男が答えた。
「それはそうだが……」
あれ、やっぱり声に覚えがあるような気が……。
最後に筋肉がたくさんある仮面の男がとどめとばかりに言った。
「そもそも今ここで逮捕しようとしても、お前らじゃ勝てないだろ。今日のところは見逃してやる。」
「お、覚えとけよ。」
三下の負け台詞を唱えながら警察服が逃げていった。
そんな様子を見ていると仮面の人たちが近づいてきて言った。
「蓮さん、私たちのリーダーになりませんか?」
「へ?」
え、どういうこと?なんで名前知っているの?
「シカ狩りで何回かあっているはずです。オフでもあったことありますよね。」
「っ!お前らか。」
仮面の人たちはなんとシカ狩りの関係者だった。しかも結構会っている人たちだな。
「でも、何でリーダーなんだ?」
「僕たちには特に指揮する能力なんてなくてですね、次に通りかかったよさげな人になってもらおうと考えていたのです。それがまさか蓮さんだとは、これ以上の適任はいませんしお願いします。」
こいつらは俗にいう義賊なのか……、ならいいかな。さっきの会話厄介そうなにおいがしたし。こいつらにも死んでもらいたくはない。
これが俺が山賊家業を始めたきっかけだ。
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