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廃れた世界の魔石取扱人  作者: 八咫
青森
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終局 八咫烏VSレヴィアタン

頑張った。

 

「今回の勝利条件のためには……、しばらく復帰できないようにすればいいですね。」


 八咫烏は目的を理解し、、八つの黒い翼を使い空に昇っていく。そしてレヴィアタンを鋭くにらんだ。

 その眼光に少しばかりレヴァイタンは後ずさりしてしまった。


「お前か、俺が察知した危険な奴ってのはよ」


「っ喋れるのですか。そして正解ですよ。この付近に私を上回る強者などいません。」


「もちろん喋れる。俺をそんな低能な奴にするなよ。そしてまさか俺を後退させるなんてよ。この巨体だからほとんどがすぐに逃げちゃうってのに。っち、ほんとは色々聞きたかったが。俺の仕事は終わってないようだ。お前のおような危険分子は排除しとかないとな。 あばよ。」



【天地洪水】


「返しなさい 【黒き災厄の風(カラミティー・ブロウ)】」


 レヴァイタンの放った特大の水相手に八咫烏が選択するのは破壊力を持った風だ。普通の人間ならかすめただけで死に至るような破壊力だ。

 しかし、水の量が多くレヴァイタンに当てることはできなかった。


「お前、この水を戻せるのか。」


「この程度、力が制限された私でもたやすいことですよ。」


「力を制限だと!? これほどの力を持っておきながらか。……まあいい関係ないことだ。」


「今の私ではあなたに勝つことはできません。しかし、相討ちに近いところまでは持っていくのつもりですので。私は一対一の戦いが一番適しているのですよ。というわけで。」


【八咫烏】


 八つの翼がさらに大きくなっていく。それは妖艶な、しっとりとした黒を生み出しながらも、光り輝く。という矛盾した翼だった。その様子は、下からも見えるほどの大きさで、心配していた群衆がそろりそろりと出てきていた。


魔壊(まかい)


 拳に破壊の権能が込められたオーラを巻き、レヴァイタンに殴りかかる。

 そして、その機動力を活かしながら、縦横無尽に飛び回り、相手が攻撃をする前に他の場所へ行くということを繰り返し始めた。

八咫烏に殴られた場所はひび割れはじめ、レヴァイタンの体を蝕む。直接攻撃と、その後まで考えて攻撃する。それが【魔壊】なのだ。


レヴァイタンはこのままでは危ないと感じ、いきなり人化を始めた。


「おいおい、ここまでてこずったのはお前が初めてだぜ。」


そして、どこからともなく三又槍(トライデント)を出して構えた。


それを見た八咫烏も同じようなことをして黒と赤が入り混じった刀を取り出した。


最初に動いたのはレヴァイタンだった。目にも留まらぬ連撃を八咫烏に浴びせる。しかし、八咫烏も負けてはいない。軽くいなしてから。


逢魔が時(おうまがとき)


軽く一太刀浴びせた。

それを受けようとするレヴァイタンだったが、いやな予感がして躱す方向に変える。それは正解だった、もしも正面から受けていたらすぐさま武器が壊れていただろう。なぜなら【逢魔が時】は武器破壊を主にした技だからだ。また、ある時刻の時は確定で武器を壊すこともできる。

その後も高度な空中戦繰り広げていたが、優勢だったのはレヴァイタンである。純粋な力の差が大きいのだ。いや大きすぎる。品性のかけらもない力業によって八咫烏は段々と追いやられていった。


「っく、まずいですね。このままじゃジリ貧です。そろそろ効く頃でしょうしやりますか。」


魔壊 それは三重の効果をくらわす技だったのだ。

一つ目は純粋な直接的な痛み。二つ目はひび割れによっておこる痛み。そして、三つめはたくさんあった破壊場所のひび割れが全てつながった時に起きる。


それこそが。


終局の陽炎(ラスト・ヒートヘイズ)


ひび割れを使った本来ならできないような大規模魔法である。そのエネルギーを一点に集中すればレヴァイタンまで死ぬほどの。


「こりゃまずいな、しかしお前も巻き込んでやろう。」


レヴィアタンは焦りそして、笑った。


【氷の巨城】


それは全てを閉ざす城。その拘束力は絶大で、【終局の陽炎】を使った八咫烏に逃れるすべはない。


八咫烏を巻き込んだレヴァイタンは完全防御の体制に入った。そして、


光の柱が昇った。すぐさま付近にあったものに喰らいつくように広がる火はレヴィアタンたちを見逃すはずもなく。


光が収まった後、レヴァイタンは何とか生き残った、しかしその体は傷だらけ、満身創痍という言葉ですら生ぬるい。どのようにして生き残ったのかすら本人にもわからない。


「おいおい、最初からこれが目的だったわけだ。八咫烏は地獄からの使者っぽいものが連れて行ったし、絶命したんだろうな、あれで制限がかけられているとか、考えたくもない。」


そして、そのまま海に飛び込み。傷を癒そうと深く深く潜っていった。


その様子に群衆は歓喜し喜んだ。

その時の八咫烏の姿は英雄譚(サーガ)として語り継がれたそうだ。



八咫烏は目を覚ました。


「地獄ですか、150階層っぽいですね。」


八咫烏が、起きた場所について考えていると重い音を立てて男が近づいてきた。


「八咫烏じゃないか、ひさしぶりじゃのう。」


「閻魔じゃないですか。ということはここはやはり地獄で合ってるのですか……。」


「お前がここに来るなんてな、どうしたのじゃ?」


「いや、弱体化してるときにやばい化け物と出会ってしまいましてね。仕方なく主様を逃すために戦ったのですよ。瀕死にまでは持ち込めました。」


「……そうか」


「それよりその偽装取りませんか?ここには私しかいないようですし。」


「おう、そうじゃな。」


閻魔が変身を解くとそこには幼女っぽい子が現れた。


「ほんとに、この格好はいじられるから嫌なのじゃ。」


「別にいいではないですか、それより早く現世に行けるよう交渉してくれませんか?」


「それがの、イザナミ様が今ふさぎ込んでいるらしくな連絡がとれぬのじゃ。」


「それじゃあ直接乗り込んで来ます。」


「は、えぇぇぇぇぇ!?」


必死に閻魔が止めるが本気になった八咫烏を止めることが出来るほどの力を持ったものはいなく。地獄のさらに底、幽世(かくりよ)の隣の黄泉(よみ)の国ではイザナミの絶叫が響いたそう。


八咫烏は諸説あるが親となる神はよくわかっていない。しかし、三貴神のアマテラス、ツクヨミ、スサノオに匹敵するといわれる。その強さゆえに友と呼べるものは少ない。しかしその中でも閻魔やツクヨミ、神武天皇などはたまに話すことがあるのだ。

八咫烏の仲間たちは全員仲が良くたまに地獄で宴会してます。

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