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廃れた世界の魔石取扱人  作者: 八咫
青森
21/110

湿地の村巡り。{1}

よし、三本目。3000文字行きました。

 

「ここだ」


 案内された場所に来ると、そこは、葦に覆われた。なんてこともないような場所だった。おっちゃんは一本の葦を引っ張ると。


「物資が来たぞ、スキル解いてくれ。」


 と、叫んだ。当然のように魔物がやってくるがこれは、メランが始末した。


「今解きます。」


 返って来た声とともに、景色がどんどん変わっていった。

 そこには、アメリカンインディアンが使うような形をしたテントがいくつもあった。見た目は結構しっかりとしている。その中から次々と人が出てきて、おっちゃんによってった。


「おじさん、いつもありがとうございます。」


 彼がここの代表者なのだろうか?。俺らのほうを見たその青年は首を傾げた。


「その方々は?」


「ああ、客だ。お前らのことを伝えたらしばらく過ごしたいんだとよ。いいか。」


「お願いします。」


 青年は、こちらをしばらく見て、仲間にも確認を取ったが、大丈夫だったようだ。


「大丈夫だそうです、自衛はできますか?」


 自衛はもちろんできるな。


「自衛はBランクの魔物だけなら倒せるぞ。あと、こちらでテントも持っているので、設置場所を教えてもらうとありがたい。」


「Bランク……。凄いですね。テントの設置場所はそこです。」


 青年と話をしていると、おっちゃんが支度を始めた。


「俺はそろそろ行くぜ。」


 え、行っちゃうのか、もう少し話を聞きたかったんだが……。すると、慌てたように、青年が止めた。


「おじさん、もうすぐ夜になるんですから。今日は泊まっていきましょう。明日の朝行けばいいんですから。おじさんは働きすぎです。もう少し休んでください。」


「いや、しかし……。この程度しか、働いていないんだぞ。今も待ってる人がいるだろうし。」


「もうそのことは良いんですよ。他の人達も休んでいった方がいいと言ってました。そこにこだわっているなら、力ずくで行かせませんよ。」


「う、わかった。泊まっていこう。」


 青年が必死に止めたおかげか、おっちゃんは止まっていくようだ。


「夜は危ないですからね。魔物の危険度が格段に上がってしまいます。あの人が死んでしまったら私たちも動けなくなってしまうので、青年には感謝しなければいけませんね。」


 八咫の言葉に激しく同意だ。“そのこと”と言っていたがいったい何があったんだ?。


「そこの人たちも来てください、焚火(たきび)を焚きました。」


 焚火か、せっかくの機会だ、魔石商店で食べ物出すか。えっと、どれどれ。


 マシュマロ30個入り、Fランク魔石10個。 


 スルメ30個     同じく


 焼き芋1個 Eランク魔石1個


 意外とするんだな、よしマシュマロ30×10。スルメも同じ数で、焼き芋は一人ずつの40個で行こう。


「なら、デザートでも出すぞ。」


 何もない空間からいきなり、ものが出てきたので青年は、驚いたようだが、スキルの存在を思い出したのか、納得した顔をしていた。


「ありがたいです。 みんな来てくれー--。」


 こうしてみると結構いるな。


 焚火の周りに集まりながら、みんなでおしゃべりをする。久しぶりに落ち着けるところにきたな。


<マスター、レヴィアタンのことで報告が。>


 せっかく、落ち着いたと思ったら、すぐこれか。


(今は後にしてくれ)


<……はい。>


 気を取り直して。話を進めようか。そう思い、近くにいた青年に声をかける。


「今回は、泊めてくれてありがとな。」


「こちらこそ、このような甘味をありがとうございます。世界が変わってから、甘味のありがたさにやっと気づきました。」


「魔石をもってきてくれたらそれと交換でどんどん出せるぞ。」


「そうですか、お願いします。」


 このタイミングだな。


「それとな、あのおじさんのことなんだが何かあったのか?」


「おじさんは……。いないですね。実はですね。」


 そこから始まったおじさんの話はある意味悲しい物語だった。


 おじさんは、旧世界では、酒場の店長だったそうだ。あるとき、酒屋にガラの悪い男たちがやって来た。その人たちは、おっちゃんの昔の仲間だったそうだが、今は決別していたはずだったのだ。しかし、その男たちは、おっちゃんの制止も聞かずにすき放題し始め、挙句の果てに客に手を出そうとしてしまったのだ。おっちゃんはさすがにぶち切れて、その男たちにつかみかかる。

 そこからは乱闘騒ぎだったそう。気づけば、男たちは2人もいたにも関わらず死んでいたそうだ。最初、警察にも連行されたが、住民たちの強い反発と、事情を踏まえ、執行猶予35年になったのだそう。

 今でもすぐに、その男たちを止めれなかったことを悔いているらしく、そのために地域のために頑張っていたそうなのだった。それはもうほとんど休みがないほど。


「そんなの……、おっちゃん悪くないじゃん。」


「そうなんですよ、それとこの話には続きがあってですね……、【水蛇の給仕(シーサーペント)】っていう、レヴィアタンの小さい版みたいなのがいまして、そいつらが俺らが水に浮いている時に、襲い掛かって来たんですけど、それで一人が死んでしまって、先生でした。その時に、一緒に俺らを守ってくれたのがおじさんなんです。おじさんは自分より若かった先生だけが死んでしまったのが悔しかったのか、あのように、休みなく船の仕事をしているんです。」


 想像以上に重かった、あと


「【水蛇の給仕(シーサーペント)】って強いのか?


「B-ランクです。それが群れで来ます。」


「実質、B+じゃないか」


「ええ、撃退はできませんでした、おそらく慈悲で見逃されたのでしょうね」


 化け物だな、()()()()()()()()()()


「話は変わるけど、【存在軽薄】スキル持ちは君か?」


「そうです。エキストラスキル【影沈】ですね。」


 青年が続けた。


「ここにいるみんなはクラスメイトなんですけど、みんなで協力し合って、魔物を倒したりしています。僕はこのスキル持ちなので、今は偵察などをする役割をしています。目指すのは暗殺者のような役割です。あ、忘れていました。僕の名前は、()()()()ではハイドと言います。もと学級委員です。」


「影薄いのに、学級委員かw。あ、暗殺者になりたいんならあっちにいるメランに話しかけるといい。あいつは、旧世界でもプロの暗殺者だ。」


「そうなんですか!?聞いてきてもいいでしょうか?」


「大丈夫だと思う。自分は寝るよ、また明日。」


「おやすみなさい」


俺は眠くなってきたので先ほど設置した、テントに入り寝ることにした。メランはまだ、起きているようだ。アレッタとの関係を色々聞かれた八咫烏は、疲れて烏状態になり。屋根の上で、どこからともなく出した日本酒を飲んでいる。


「相変わらず、美味しいですね。しかし【嫉妬の水蛇(レヴィアタン)】ですか……。高天原(たかまがはら)から見たときは、そこまで強くなさそうでしたが、この惨状は、私の力でももっとかかりそうです。誰かが手助けしたのでしょうか……。調べる必要がありそうです。アレッタ様を害するものはすべて排除しなければいけないのだから。」


そのとき、レヴィアタンは海の上にもかかわらず寒気を覚えたそして、急いでその殺気を放った主を探すために、来た道を引き返したという。


知らぬところで、主に迷惑をかけてしまう八咫烏であった。


あらら、レヴァイアタン戻ってきちゃったよ。八咫烏は何やってだか。

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