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廃れた世界の魔石取扱人  作者: 八咫
青森
20/110

旅は道連れ

良し、二本目。また始まります。青森編 第二節  湿地の村

 

 翌朝、街のみんなに見送られながら、俺たちは出発した。




「今、どの辺にいるっすかね?」


 そういえば、どこだろう。学校が岐阜にあったから意外と進んでいるはずなんだが……。


「もう少しで、関東平野です。東京とかはどうなっているのでしょうね。」


 答えてくれたのは、八咫烏だ。相変わらず執事服が似合ってる。そんなことを考えていると、いきなり横から魔物が現れた。


「魔物です。」


「戦闘準備っす」


「了解」


 出てきたのはワニの形をしていた、しかしどっからどう見ても埴輪である。


「はにわ?なんで」


「ほんとですね……」


「と、とりあえず始末するぞ。」


 誰が始末するか決めよう、そうだな、ここは新人君である、八咫烏だな。頑張ってもらおう。


「八咫烏やれ」


「了解しました」


 そう言って、八咫烏はワ二に近づいていく。それをスキと見たのか、ワニがとびかかってくるが、


「邪魔です。」


 八咫烏が腕をはらった瞬間、ワニは死んでしまうのであった。


「ふぁ!?」


 え、今のワニ見た目はともかく、ハイオークぐらいの力があったはずだぞ。それをスキルなしで、一撃かよ……、やばいな。


「やはり、弱体化してますね。」


「……弱体化ですか。」


 あれで弱体化とか化け物だろ。とんでもない奴、呼び出してしまったのでは。


「アレッタ様、魔石です。魔物の名前もお願いします。」


「ありがとう、えっと名前は……、ハニワニ?」


「「……」」


 なんなんだ、この魔物。ネーミングセンス終わってるだろ。


「最後まで、微妙っすね」


「同じく」


「名前はともかく、先ほどの魔物はどこから現れたのでしょうか。」


 そういえば、そうだ。隠れていたにしてもあれはめだつ。急いでワニが現れた方に行くと、そこには湿地が広がっていった。湿地と言っても陸地が見えて歩けるような湿地ではなく。人が丸まるはいりそうな水深をした、湿地だ。どうなってるんだこれ。


「……すごいっすね」


「何があったんだ」


 メランと二人で呆然とつぶやいていると。八咫烏が解説してくれた。


「Sランクを超えた魔物、超位魔物【嫉妬の水蛇(レヴァイタン)】の仕業のようです。今はいなくなったようですが、立った三日でここまでとは……、もともと、海抜も低かったんでしょうが。侮れませんね。」

 やばいだろ、侮れるとかいう問題じゃない。無理だそんなもん。お願いだから絶対に会いませんように。

 

「というか、これ移動手段どうするっすか」


あ、やばいどうする。ここはまた八咫烏に頼るか?


「無理です。流石に、この量の水を氷にして歩くのはきつそうですし。」


無理か、こうなったら。【陰陽師】ガチャで当てるしか。というか氷にして歩くつもりだったのかよ……。


<現在使えません>


使えねーー。


そんなことを考えていたら、いつものように魔物。ではなく、船がやって来た。


「おーい、もしかして渡れなくて困っているのかい。だったらうちに乗ってけ」


いいおっちゃんだな。


「料金は?」


「食べ物と護衛だ。」


食べ物ならある、乗せてもらうとするか。


「お願いします。」


「すぐつけるぞ」


船が近づいてきて、陸地に止めようとする。すると、ハニワニの小さい奴が、襲い掛かってっきた。しかし、「うるさい奴らです、邪魔しないでください」とばかりに八咫烏に一撃で落とされていた。


名前はミニハニワニだ。


「強いんだな。さあ乗れ。」


すぐに船に乗り込み。出発する。


「何処までだ。」


「福島のほうまで。」


「結構遠くだな、日をまたぐぞ」


「構わない」


「ならいくぞ」


そこからは順調だった、魔物も襲ってこないので、暇つぶしに世間話をした。


「おっちゃんは、こういう仕事をしていたか?」


「お、おっちゃん、まあいいが……。仕事か、これは趣味だったんだが。魔物が来るようになってからは仕事へと変わるようになったな。あ、ちょっと寄っていくぞ。」


「寄っていくってどこへ?」


周りに(あし)はあるが陸地なんてないぞ。どこ行くんだ。


「【存在軽薄】というスキルを持っているやつがいてな、わずかに出た、陸地の上で暮らしているんだ。三十人ぐらいいてな、全員学生だ。」


「学生ですか。」


「高1だと、聞いたぞ。」


「二つ下か、そこで何日か暮らしていいか?」


「別にいいぜ、俺はその間に、同じようなことをしている場所を巡っている。一週間ぐらい、滞在してみたらどうだ?」


面白そうだ、魔石もひさしぶりに交換できるかもしれない。


「メランと八咫は?」


「行きたいっす」


「私は、貴方様についていくまでですよ」


「よしそれじゃいこうか」


「案内お願いします」


「はいよ」



二千文字--。今までは、1200からでしたが。ここで最低ラインを1600にあげます。

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