旅は道連れ
良し、二本目。また始まります。青森編 第二節 湿地の村
翌朝、街のみんなに見送られながら、俺たちは出発した。
「今、どの辺にいるっすかね?」
そういえば、どこだろう。学校が岐阜にあったから意外と進んでいるはずなんだが……。
「もう少しで、関東平野です。東京とかはどうなっているのでしょうね。」
答えてくれたのは、八咫烏だ。相変わらず執事服が似合ってる。そんなことを考えていると、いきなり横から魔物が現れた。
「魔物です。」
「戦闘準備っす」
「了解」
出てきたのはワニの形をしていた、しかしどっからどう見ても埴輪である。
「はにわ?なんで」
「ほんとですね……」
「と、とりあえず始末するぞ。」
誰が始末するか決めよう、そうだな、ここは新人君である、八咫烏だな。頑張ってもらおう。
「八咫烏やれ」
「了解しました」
そう言って、八咫烏はワ二に近づいていく。それをスキと見たのか、ワニがとびかかってくるが、
「邪魔です。」
八咫烏が腕をはらった瞬間、ワニは死んでしまうのであった。
「ふぁ!?」
え、今のワニ見た目はともかく、ハイオークぐらいの力があったはずだぞ。それをスキルなしで、一撃かよ……、やばいな。
「やはり、弱体化してますね。」
「……弱体化ですか。」
あれで弱体化とか化け物だろ。とんでもない奴、呼び出してしまったのでは。
「アレッタ様、魔石です。魔物の名前もお願いします。」
「ありがとう、えっと名前は……、ハニワニ?」
「「……」」
なんなんだ、この魔物。ネーミングセンス終わってるだろ。
「最後まで、微妙っすね」
「同じく」
「名前はともかく、先ほどの魔物はどこから現れたのでしょうか。」
そういえば、そうだ。隠れていたにしてもあれはめだつ。急いでワニが現れた方に行くと、そこには湿地が広がっていった。湿地と言っても陸地が見えて歩けるような湿地ではなく。人が丸まるはいりそうな水深をした、湿地だ。どうなってるんだこれ。
「……すごいっすね」
「何があったんだ」
メランと二人で呆然とつぶやいていると。八咫烏が解説してくれた。
「Sランクを超えた魔物、超位魔物【嫉妬の水蛇】の仕業のようです。今はいなくなったようですが、立った三日でここまでとは……、もともと、海抜も低かったんでしょうが。侮れませんね。」
やばいだろ、侮れるとかいう問題じゃない。無理だそんなもん。お願いだから絶対に会いませんように。
「というか、これ移動手段どうするっすか」
あ、やばいどうする。ここはまた八咫烏に頼るか?
「無理です。流石に、この量の水を氷にして歩くのはきつそうですし。」
無理か、こうなったら。【陰陽師】ガチャで当てるしか。というか氷にして歩くつもりだったのかよ……。
<現在使えません>
使えねーー。
そんなことを考えていたら、いつものように魔物。ではなく、船がやって来た。
「おーい、もしかして渡れなくて困っているのかい。だったらうちに乗ってけ」
いいおっちゃんだな。
「料金は?」
「食べ物と護衛だ。」
食べ物ならある、乗せてもらうとするか。
「お願いします。」
「すぐつけるぞ」
船が近づいてきて、陸地に止めようとする。すると、ハニワニの小さい奴が、襲い掛かってっきた。しかし、「うるさい奴らです、邪魔しないでください」とばかりに八咫烏に一撃で落とされていた。
名前はミニハニワニだ。
「強いんだな。さあ乗れ。」
すぐに船に乗り込み。出発する。
「何処までだ。」
「福島のほうまで。」
「結構遠くだな、日をまたぐぞ」
「構わない」
「ならいくぞ」
そこからは順調だった、魔物も襲ってこないので、暇つぶしに世間話をした。
「おっちゃんは、こういう仕事をしていたか?」
「お、おっちゃん、まあいいが……。仕事か、これは趣味だったんだが。魔物が来るようになってからは仕事へと変わるようになったな。あ、ちょっと寄っていくぞ。」
「寄っていくってどこへ?」
周りに葦はあるが陸地なんてないぞ。どこ行くんだ。
「【存在軽薄】というスキルを持っているやつがいてな、わずかに出た、陸地の上で暮らしているんだ。三十人ぐらいいてな、全員学生だ。」
「学生ですか。」
「高1だと、聞いたぞ。」
「二つ下か、そこで何日か暮らしていいか?」
「別にいいぜ、俺はその間に、同じようなことをしている場所を巡っている。一週間ぐらい、滞在してみたらどうだ?」
面白そうだ、魔石もひさしぶりに交換できるかもしれない。
「メランと八咫は?」
「行きたいっす」
「私は、貴方様についていくまでですよ」
「よしそれじゃいこうか」
「案内お願いします」
「はいよ」
二千文字--。今までは、1200からでしたが。ここで最低ラインを1600にあげます。




