オーク街{5}
遅れて申し訳ございません。
「こんにちは~アレッタとメランであってるよね。」
振り返ると銃を片手に持った女の人が歩いてきた。ラージャだろう。
「そうですが、そちらはラージャさんでいいですか?」
「そうだよ~」
ラージャさんーイメージと違いすぎるんだが。優しそうな人じゃないか。問題児だと思っていたが、まさかこれは……天然なのか。どう接していけばいいんだろ。
あ、あと今の姿に合わせてもらわないと。
「ごめんなさいね、今の私は鳳と名のっているわ。それでよろしく」
ラージャさんは最初は戸惑っていたが、掲示板の話を思い出したのか納得してくれたようだ。
安心した。
「わかりました~ 鳳さんですね。今からオーク狩りですか?」
「良し、早速ですがオーク狩りに行きましょう。ラージャさんのスキルの確認もしたいですし。」
「はい、この銃見ればわかると思うんですけど、後衛なんでよろしくお願いします。」
「こっちっす」
やっぱり後衛か、ほとんどライフルの形してたし銃を鈍器にして戦うのかと思ったー-、ってラージャさんって魔素がない空間を作り出せるスキルの持ち主だったじゃん。すっかり忘れてたぜ。一応確認しておかなければ。
「銃撃てるの、良いわね」
「はい、あの時指摘されたのでこんな感じにしてみました。あ、いましたね。」
ラージャさんがライフルを構えて中立ちの姿勢になる。なかなか様になっているようだ。どちらかというと、かっこいいという感じが似合う人だ。
「いくよ」
先ほどとは違う感じのラージャさんの声とともに引き金がひかれる。
【魔素空間除去】
今、魔素というものを始めて認識できた。銃と対象の部分だけをスキルで魔素を除去しているらしい。仕事は終わったとばかりに銃を下したラージャさんが近づいてくる。
「私のスキルは【除去者】と言ってね、こんなことが出来るんだ。さて行こうか。どこに本拠地とやらはあるの?~」
指で北の方を指しながら言う。
「こちらです。話しながら行きましょうか」
さてオークの本拠地まで結構あるし気になってたこと聞きますか。
「ラージャさんはどこでその銃を手に入れたのかしら。」
「同じくです」
メランも気になってたらしい。
「えっと、これは……」
「これは?」
「……自衛隊のところから盗んできました。」
盗んだのかよ、メランといい自衛隊盗まれすぎだろ。たとえ使えない銃だとしても。管理しとけよ。……機会あったらで盗ませてもらお。
「ついたっす」
オークの本拠地か、前に見たときは小さかったがこうしてみると大きいな。
「一応確認っす、ラージャさんが遠くから狙って私と鳳が接近戦で行く感じでいいっすね」
そうなんだけど、一応保険かけておくか。
「もしかしたら、アレッタのほうの戦いになるかもしれないわ」
「……了解っす、ラージャさんアレッタの場合は後衛です。」
「そうなんですか」
銃を組み立てながらラージャさんが答える。
「ここから撃つことにする、仲間撃ちはないから安心して」
仲間撃ち……ありそうだが、まあ大丈夫だろう。
行くか。
オーク本拠地に向かって、走り出す。途中で何体か遭遇したがすぐに殺した。
【奏焔】 【糸切り】
ああ、そうだった、メランのスキルについては言ってなかったな。メランのスキルはユニークスキル【暗殺者】、〝暗殺者なんてたくさんいるんじゃ〟って聞いたら肯定された。何で?怖いよ日本……。
まあ名前の通り暗殺に特化したスキルでその中には糸を使うスキルも含まれている。
そんなことを考えていると着いたようだ。さて城攻めの基本と言えば火、水じゃなくて火。
【鳳炎華焼】
しょっぱなから、奥義を出す。オーク共の家にどんどん火が燃え広がる。続いて、
【防炎】
メランがくらっちゃまずいので、炎耐性をつけておく。ヘカテはその間索敵をしてもらっている。
<右から通常よりも強い個体が複数来ます>
その、警告音とともにずるずるとオークたちが出てくる。ハイオークか……。
「メラン、お前はほかのほうに行って」
「ラジャっす」
さてと、今回はオーク肉なんて言っている場合じゃなさそうだ。全力で行かせてもらう。肉が丸焦げになってしまう
【火走り】 【火柱】
縦と横の二つの火がオークに襲い掛かる。さらに、
【鳳炎華焼】
本日二回目の奥義だ。それにより、火走りや火柱には耐えたハイオークたちも次々と死んでいく。そんな中、仲間を殺され怒りに満ちているものが現れた。
「豚将軍か」
Cランクの魔物であり、過去一番の強敵、変身はもう解いた、【変身】は体に負担がかかるのだ、普段なら気にも留めない量だが、今は違う。少しでも勝率をあげたい。
【根力】 【拳強化】
将軍がスキルを使ったのが分かった、当然だが、魔物もスキルを使う。
【炎纏】
こちらも、自己強化系を、炎を纏うそのまんまのスキルだ。
【全軍鼓舞】
今のスキルは何だ?、そう考えていると、続々とオークがこっちによってきている。
「やばいっす、オークが強化されてるっす」
は?
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