オーク街{4}
φ(..)カキカキ
でかいな、身長二メートルは越してるんじゃないか?
(ヘカテ特徴を教えてくれ)
<個体名オーク、力と耐久性に優れていて素早くはないです。>
(なるほど)
「メラン行くぞ」
「はいっす」
俺は扇を持ちながら走り出す。メランはすでに攻撃を仕掛けているようで余裕を見せて倒している。何で扇と思うかもしれないが、メランから渡された武器がこれだったのだ。メラン曰く「チャイナドレスと言ったらこれっす」らしい。……扇と言っても鉄扇だが。
そんなとき戦っているにもかかわらず、メランが提案してきた。
「言葉それだとぼろが出そうなんで、普段から女らしい言葉づかいでやったほうがいいっす」
一理ある、誰も聞いてないと思ったら聞かれてましたじゃ困るからな。
「わかったわ」
「そんな感じっす」
「ありがとう」
おっとオークの拳が当たりそうになったぞ。危ない。お返しとばかりにすぐさまスキルを放つ。
【華焔】
突如としてオークの首に赤い花が咲く。その花は瞬く間に広がっていき絶命させる。
意外と強いなこのスキル。次のオークに向かいながら次のスキルの検証だ。
【火走り】
自分の速度を上げるとともに名前の通り地面に火を走らせるスキルだ。これも同じようにオークに当たったが殺すまでにはいかなかった。しかし、そこは炎といったところか、燃焼によってすぐさま刈り取る。さて次だ。
【鳳炎華焼】
スキル名にもなった技、ほかにも技はあるが今回はこれくらいにしておこう、これで終わりそうだからな。
「メランさがって」
言葉づかいに気を付けて巻き込まないように警告する。その後オーク共の全滅を告げるような赤が咲いた。鳳凰の炎が花のように燃えるそれがこのスキルの由来だが結構すごくないか。何でレジェンドじゃないんだろうか。【纏雷風】もそんな感じのスキルだったな。
火が収まるとすぐさま魔石を取り出す。解体しながら思ったことを言う。
(ヘカテ、オーク肉って食べれるのか)
<もちろんです、高級な豚のような味です>
(そうか、後で食べよう)
鳳炎を免れた豚をヘカテのいう通りに解体して肉を取りだす。
そろそろ日が暮れてきたしちょっと食べるか。
「メランご飯だわ」
「ありがとうっす」
早速オーク肉を食べる。
「……美味しすぎる。」
「っな、なんすっかこれ」
やばい、これは旧世界では最高級の肉だ。元がオークだということに目をつぶれば、行けるな。
「オーク肉」
「あいつらの肉っすか」
メランも驚きを隠せないようらしい。これはもうやるべきことは一つしかない。少し前に、人が集まっている場所も見つけたし。
「メラン、しばらくオーク狩りになるわよ。」
「わかったっす」
それから一週間俺らは嫌というほどオークを狩った、おかげで、世界放送のアナウンスで
《メランと鳳が称号【オーク殲滅者】を獲得しました》 と出てしまった。
いや何でこんなのが出ちゃうんだよ。ちなみに鳳とはこの姿のときの名前だ。称号があるのは知っていたがこんな感じで手に入るとは思わなかった。称号にも効果があるらしく、これはオークに対して能力がアップする、というものだ。ぶっちゃけいらない。アナウンスで出たのはいいことかわからないが。
「集めた肉をあの街にもっていくんすよね。」
「そうだわ」
あの街とは、ここに来る途中で見つけた人が集まって住んでいた場所だ。周りの人間には、近くにいオークがいる事からオーク街と呼ばれている。
「皆さん持ってきたっすよ。」
「ちゃんと魔石と交換してくださいね」
今からやるのは、ここの住人との魔石の交換だ。ここの人たちはオークなどは倒せないがゴブリンじゃない、ほかのGランクの魔物は倒せるので、それと交換してもらうのだ。最初は疑われたし、大変だったが、今じゃたくさんの人が来てくれている。そろそろここから出ていきたいのだが、安定してオークを狩ってくれる協力者を作らなければならないと思う。
そんなことを考えているアレッタをじーっと見ている人物がいた。メランだ。
(ほんとにすごいっすね、ギルド創設計画っすか、最初聞いた呪縛からとき離れた後で頭が回ってなかったのか、馬鹿じゃないのと思ったすけど、今は全力で協力する気になったっす。あとほんとは別にオーク肉と引き換えに魔石じゃなくてもオーク狩りの魔石が1000はあるのに。優しい人っすね。狩りの時だけ容赦なさ過ぎて怖いっすけど。……おっと呼ばれたようっす)
「メラン、明日いよいよオークの本拠地を攻める。」
「はいっす」
本拠地は狩りをしている時に見つけた場所だ。オークの上位種も確認されてる。できればもう一人いてほしかったが……。
<マスター ラージャさんが近くにいるらしく協力してくれるようです。>
持つべき物は友とヘカテだな。
<あと、アレッタとして例の計画のことも話したところ全員協力してくれるようです。>
え、単純にすごい。
(変身のことは?)
<もちろん言ってあります>
有能すぎるんだが。
<っありがとうございます>
これで準備ができたあとはラージャを待つだけか。
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