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第①・4節 千利休の最後の茶会

私:「千利休は、最後、豊臣秀吉に切腹させられる人です。この千利休が開いた最後の茶会について話します。」


私は一瞬、間を開けて、話を続けた。

私:「茶室に利休の弟子が一人一人入室して席に着きます。お釜からはお湯の煮える悲しげな音が聞こえてきます。少しして、利休が入室して、お茶のお点前を始め、一人に1つの茶碗を渡して抹茶を提供します。最後に利休自身も茶を飲み干し、茶道具の説明が始まります。」


私は再び、間を開け、三人を順番に見つめた。三人とも真剣に話に聞き入っているようだった。

私:「利休は茶道具を一つずつ形見として席中の人々に分け与えますが、自分が口を付けた茶碗だけは、手元に置きました。なぜだと思います?」

大統領:「取っておきたかったのかな?何か理由がありそうだが。」

私:「利休は、不幸な者の唇によって汚された茶碗を、他人に使わせてはならないと言います。そして、器を粉々に砕いて終わります。利休の最後は、見事な切腹だったそうです。」

大統領:「そうか、茶碗は壊して使わせないようにしたのか。(いさぎよ)かったのだな、利休と言う人は。」

執事風の人:「お時間です大統領。」

大統領:「わかった。では面接は以上だ。」


私は立ち上がり、礼をした後、なぜかこう言っていた。

私:「利休は本当に潔かったのでしょうかね?」

執事風の人:「お帰りはこちらです。」

私:「わかりました。」

大統領:「そのうち千利休という人物についての話、聞きたいものだな。曽我宗和、今日はご苦労だった。」

私:「はい、ありがとうございます。それでは失礼いたします。」


帰りはあっさりしていた。大統領府前にいたはずの人々は、今は誰もいなかった。そして守衛に挨拶して帰ることにした。

私:「今日は、お疲れ様でした。」

守衛:「いいえ、そちらこそお疲れ様でした。ところでどちらまで帰るのですか?」

私:「北海道です。」

守衛:「それは大変だ。では気を付けて。」

私:「はい、ありがとうございます。」


その後、私は飛行機に乗り、北海道に帰ることとなった。



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