第4・6節 1週目の休日
私は昼まで寝ていた。遅めの昼食を食べていると、以前出会った儚げな女性が近寄ってきた。
儚げな女性:「お隣、よろしいかしら。」
私:「もちろんです。どうぞお座りください。」
儚げな女性:「大統領とだいぶ仲良くなっているようね。」
私:「はい。おかげさまで。」
儚げな女性:「先生は、大統領のお仕事に興味はあるのかしら?」
私:「政治ですか?興味がないと言えば嘘になりますが、どちらかといえば茶道の方が興味を惹かれます。」
儚げな女性:「そう。茶道の先生ですものね。そのままの先生でいてくださいね。」
儚げな女性は立ち上がり、こう言って去っていった。
儚げな女性:「楽しかったわ。いつかまた会いましょう。」
私:「はい。いつかまた。」
少し眠気が襲った。食事の最中に危ないと思いながら、なんとなく目をこすっていると、寮長が近づいてきた。
寮長:「今日は珍しく遅い起床でしたね。お疲れですか?」
私:「どうでしょう。ただ、少し眠気が取れないようなので、もう一度、眠ろうかと思います。」
寮長:「今日は、皆様、大統領府へ行かれているようで、寮内には誰もいませんからね。昼寝するには、もってこいですよ。」
私:「誰もいないのですか?」
寮長:「はい、今いるのは、ここの調理師と私くらいですね。」
私:「調理師には女性の方もいらっしゃるのですか?」
寮長:「いいえ、いませんよ。そもそも女性の職員は珍しいですからね。誰がいたかな?寮にはいない気がしたけれど。」
私:「そうですか。先ほど女性の職員の方が、こちらにいらしたので、ちょっと気になったものですから。」
寮長:「ここは大統領府の職員も来ますからね。私も知らない人が多いですよ。」
私:「なるほど。」
私は食事を食べ終わり、寮長に会釈をして部屋に戻った。
私:「昼寝をするには、もってこいか。少し眠るか。」
夕飯時、私が寮の食堂へ行くと、ものすごく混雑していた。
私:「なるほど、大統領府の職員も来ると、こうなるよな。」
調理師:「33番の方。」
小柄な女性:「はい、私です。」
私:「少し時間をおいて、出直してくるか。」
私は大浴場を堪能した後、人が少なくなった食堂で遅めの夕食を食べた。
私:「あれだけ混雑するなら、昼間あった女性には、中々会えないかもな。」
調理師:「72番の方。」
私:「あっ、はい。今行きます。」