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狙われたナッシュ

男は、ナッシュの腕を掴み、キャロットの元に連れて来た。


「おい!小僧、このお姉さんにいつも優しくして貰っているよな」


「はい、僕は、字が読めないので助かっています」


「それで小僧は、このお姉さんに依頼を斡旋して貰っているんだよな」


「いえ、読んで貰った依頼書から僕が選んでいますけど・・・」


男は、ナッシュを睨みつけ、腕を強く握った。


「痛いですからやめて下さい」


「うるせー」


男は、ナッシュを殴りつけた。

だが、ナッシュに当たる事は無く、空を切った。


「正当防衛です」


ナッシュは、素早く動き、男達を倒した。

男が意識を失うとキャロットを縛っていた蔦が消えた。


「キャロットさん、大丈夫ですか」


「ええ、ありがとう」


「こいつらどうしますか?」


「今後、この様な事の無いようにきちんと対処します」


「それで、何故こんな事に?」


キャロットは、素直に打ち明けた。

ナッシュは、自分せいでキャロットが危険な目に遭った事を反省した。


「迷惑を掛けてすいません」


「いえ、私は大丈夫です」


「・・・・・」


この後、男達をギルドに引き渡した。


「今日は、ごめんなさい」


キャロットに謝られたナッシュは、申し訳のない気持ちになった。

翌朝、キャロットはギルドに出勤したが、ナッシュが顔を出すことは無かった。


ナッシュは、昨日キャロットと別れた後、そのままガウンの街を出て行った。

街を出てからナッシュは、道に沿って歩き、次の街を目指した。

暫く歩くと雨が降り出し、ナッシュは、近くの洞窟に避難した。

洞窟に入ると、先客が雨宿りをしていたので、ナッシュは隅の方に座った。

ナッシュは、腹が減っていたのでアイテムボックスから持っていた魔獣を取り出し

焼いて食べる事にした。


魔獣を焼いていると、近くに座っていた人達が話掛けて来た。


「すいません、もし宜しければ食べ物を分けて頂けませんか」


「どうぞ・・・」


ナッシュは、焼いていた肉を分け与えた。


「お姉ちゃん美味しいね」


「そうだね」


ナッシュは、追加で肉を焼き始めた。

食事が終わると、挨拶をして来た。


「食事を頂き有難う御座います。

 ただ、手持ちのお金を持っていなくて・・・」


「要りません」


「本当に要らないのですか」


「はい」


「有難う御座います」


外の雨が止んだので、ナッシュは洞窟から出て行った。


「あの・・・」


声を掛けられたナッシュは、振り向いた。


「もし、ご迷惑でなければ次の街までご一緒してもいいですか」


「はい」


ナッシュは同行を許し、3人で次の街に向かった。

次の街は、ハウルの街だと聞いた。

そして数日後、3人で街に到着した。


「同行して頂き有難う御座いました」


「いえ、気にしないでいいです」


2人と別れて、ナッシュはギルドに向かった。

ギルドに着くと受け付けに行った。


「依頼をください」


ナッシュは、ギルドカードを提出した。


「あの・・・」


「字が読めないので・・・」


「わかりました」


暫く待つと、依頼を持ってきてくれた。


「今は、この討伐の依頼しかありませんよ」


「なら、それを受けます」



「まだ、読んでいませんけど・・・」


「はい、内容を教えてください」


受付の職員から内容を聞き、場所を教えて貰ったので

明日、出発する事にした。

ナッシュは、市場に行き、屋台で肉串を買った。

お金があったので余分に買い、アイテムボックスに入れた。

市場を離れ、少し歩くと壊れた家屋を見つけたので入ってみると

屋根が少しある程度でボロボロだったのでここで寝ることにした。

翌日、ナッシュは、街を出て森に向かった。

森に入り盗伐対象のコモドドラゴンの巣を探す為に

川岸を歩いて登っていると滝に辿り着いた。

滝には、コモドドラゴン達が屯していたのでナッシュは、

気付かれる前に魔法を使った。


「水の神、ハルクタートの名において命ずる、かの者達に氷の安らぎを」


ナッシュの魔法で全てのコモドドラゴンが凍り付いた。

凍り付いたコモドドラゴンをアイテムボックスに収納して回った。

全て収納した後に辺りを探索し、コモドドラゴンの巣を発見した。

巣の中に入って行くと奥に卵があったのでその卵も回収しておいた。

結局、コモドドラゴン16匹と卵7個を回収し、ハウルの街に戻る事にした。

街に戻り、ギルドの受付に報告をした。


「討伐依頼、終わりました」


「あっ、はい。

 あちらの買取カウンターで獲物を提出して下さい」


買取カウンターに行き、討伐を終えた事を報告した。


「そうか、坊主の依頼は、コモドドラゴンの討伐だったな。

 まぁいいや、ここで出せるか」


ナッシュは、言われた通りにカウンターの上に取り出した。

1匹目を出すとギルドの職員のおじさんは驚いた。


「坊主、ちょっと待ってくれ」


取り出されたコモドドラゴンが3m程の大きさだったので

職員は、取り出すのを止めた。


「坊主の依頼は・・・・」


依頼票を詳しく見ると【コモドドラゴンを巣ごと討伐】と書いてあった。


「坊主は、討伐してきたんだよな・・・」


「はい」


「何匹いるんだ?」


「16匹と卵が7個」


「坊主、悪いな、裏の倉庫に案内するから、そこで出してくれ」


ナッシュは、ギルドの職員と共に裏の倉庫に向かった。

倉庫に着き、指示された所にコモドドラゴンを出した。


「おお、本当に凄いな」


ナッシュが全て取り出し、職員が数を数えた。


「間違いない。

 確かに16匹と卵7個だ」


ギルドの職員は、受付に戻り、代金を渡した。


「これが今回の報奨金だ。

 金貨2枚と銀貨65枚だ。

 卵は高値だからな、良かったな」


ナッシュは、貰った報奨金をアイテムボックスに収納した。

その後、ギルドを出て市場で肉串を購入し、食べた。

ナッシュは、昨日と同じ場所に戻り眠った。


だが、ギルドからナッシュを尾行していた冒険者達がいた。



不定期投稿ですが宜しくお願い致します。

暖かい目で見て頂ければ幸いです。

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