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奴隷の街

ゲイル達を放置し、ナッシュは野営を諦めて馬車を走らせた。

御者をアーシェに任せ、隣にナッシュが座り

捕まっていた人達は、荷台で寝て貰った。


アーシェは、朝になるまで走らせ、日が昇ってきた頃に改めて休んだ。

ナッシュとアーシェは、昼頃まで眠り

目が覚めてから、街に向けて出発した。

それから2日後、街に到着し、ギルドで捕まっていた3人を渡した。

ナッシュ達は、2人になってから宿を取り、ゆっくり休むことにした。

翌日、ナッシュ達は、市場で食糧を買い、アイテムボックスに収納して回った。


「アーシェ、ここは奴隷が多いな」


「ここは、奴隷の街だよ」


「奴隷の街?」


「そう、奴隷の売り買いで成り立っている街」


「奴隷は殆ど亜人なんだね」


「この街に来ているのは、犯罪奴隷と借金奴隷の他に

 仕事の為に奴隷になる契約奴隷がいるの。

 亜人の多くは、契約奴隷よ」


ナッシュは、街を歩いていると一際騒ぎの大きい場所を見つけ、近づいてみると

戦いが、行われていた。


「アーシェ、あれは?」


「どちらが勝つか賭けをしているのよ」


「ふ~ん」


「ナッシュも出てみる?」


「いやだ」


「だよね」


2人が話していると体の大きな男が、間を割って入って来た。


「お前みたいなガキが出ても勝てねえよ。

 ママの元にでも帰ってな」


その言葉にアーシェが絡んだ。


「あんたなんかよりナッシュの方が強いわよ!」


「お嬢ちゃん、弟思いもいいが、無理を言っては可哀そうだぜ」


「絶対勝つ!」


「ハハハ、おい小僧、俺と戦うか?

 それとも、泣いて帰るか」


「ヒューゴ、子供を甚振(いたぶ)っても仕方ないだろ」


「ヘイゼル様」


「そこのお嬢さん、私と勝負しますか?

 ここに金貨20枚あります。

 そこの弟君が勝てば、差し上げましょう。

 しかし、負ければ、貴方は、私の所有物になるという事でどうでしょう」


アーシェは、ナッシュが、負けるとは思わないが、

ただ、戦うとも思えなかった。


「さぁ、どうしますか?

 もし、受けないのであれば、無礼を詫びて貰いましょう」


「いやだ」


「何か言ったかな」


「先にちょっかいを掛けて来たのはそこのでかぶつだろ」


「おい、小僧、調子乗るなよ!」


「アーシェ、これを懸けて」


ナッシュは、金貨30枚を渡した。


「ナッシュ、戦うの?」


「うん」


「ガキが、痛い目に遭わせてやる」


ナッシュとヒューゴは、舞台に上がった。

アーシェは、外馬に金貨30枚を懸けた。


「謝るなら今の内だぜ」


「これって、相手を殺しても問題ないんだよね」


「そうだ、だから、お前が生きて帰る事は無い」


合図と共にヒューゴは、ナッシュに襲い掛かったが、あっさりと躱した。


「ガキが!」


ヒューゴは、剣を構えた。

ナッシュは、魔法を使った。


「破壊の神、シヴァの名において命ずる、かの者を破壊せよ」


剣を構えていたヒューゴは、動かなくなり体中から血を吹き出し、

内部から音を立てながら倒れた。

その様子を見ていた観客たちは、驚き、動きが止まった。


「アーシェ、勝ったよ」


ナッシュは、金貨の袋を受け取り、アーシェの元に向かって歩いた。

アーシェは、ナッシュと合流した後、外馬のお金を受け取った。


「ナッシュ、凄い大金になったよ」


「うん・・・」


2人は宿に戻った。

翌日、宿を出て、奴隷の街を出ようと馬車で門に向かうと

兵士に止められた。


「ちょっと待て、昨日、ヘイゼル様が金貨の入った袋が奪われたという報告があったので

 持ち物を確かめさせて貰うぞ」


お金は、アイテムボックスの中なので探しても見つからなかった。


「もういいですか」


そこに、ヘイゼルがやって来た。


「おい!そいつらを止めろ!

 私の金を奪ったのは、そいつらだ!」


「あの・・・戦いの賞金で貰った筈ですが」


「違う、私から奪ったのだ」


その言葉を聞いて兵士達がナッシュとアーシェを取り押さえに来た。


「違う!昨日、ナッシュとそいつの部下と戦ったのを皆が見てたはずよ!」


アーシェが、兵士の顔を見ると、顔を逸らされたので

この事が、故意的に行っている事に気付いた。


「あんたたち、分かっていてやっているの?」


「違う!そんな事は無い!」


ナッシュは、兵士に聞いた。


「アイツが領主なのか」


「だったら、どうだと言うのだ」


「倒す」


ナッシュは、馬車から降りて、奴隷売り場の方にアーシェを抱えて走り出した。


「ナッシュ、何をするの?」


「開放」


ナッシュは、奴隷たちの檻の多い場所で止まると魔法を使った。


「風の神、アウラの名において命ずる、全ての檻を破壊せよ」


奴隷たちの檻が破壊され、町中に放たれた。

街は混乱し、兵士達は対処に追われた。


その隙に、ナッシュ達は馬車に戻り、街を出て行った。

奴隷の街を出て暫くすると、馬車の荷台から物音が聞こえて来た。


「アーシェ、後ろに誰かいるから止めて」


馬車を止め、荷台を探ると猫人族の子が現れた。


「貴方は?」


「私は、ティナです。冒険者でしたが借金奴隷になってました」


「それで、どうするの?」


「出来たら、同行させてもらいたいです」


「何故?」


「行く所がありません。必ず役に立つのでお願いします」


「ナッシュ、どうする」


「好きにすればいい」


「ありがとうです」


ナッシュとアーシェに加えティナが加わった。



不定期投稿ですが宜しくお願い致します。

暖かい目で見て頂ければ幸いです。

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