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誕生

転生をする前は、日本のとある都市で両親と妹と僕の4人で生活していた。

ある日、父さんの仕事が休みになった夏の日、家族で海水浴に出掛けたんだ。

でも、その帰り道、対向車線のトラックが突っ込んで来て、僕達、家族は事故にあった。

父さんと、母さんは、その場で亡くなり、なんとか生きていた妹は病院で亡くなった。

最後まで、生きていた僕は、事故の様子を覚えている。

トラックの運転手は、携帯で話をしながら、運転していて、ハンドル操作を間違えて

僕達の車に突っ込んだんだ。

その事を警察に告げた後、僕も息を引き取った。

意識が無くなる時に、僕は思っていた。


「僕の父さん、母さん、妹を返せと・・・。

 こんな理不尽な最後なんて・・・・

 僕に、何とかできる力があれば・・・と。」


そして、最後は、息を引き取り、話すことが出来なくなった。


次に、僕が気が付いたのは、場所は分からないけど、白い世界だった。

フワフワと浮きながら、僕は移動していた。

その時、誰かが僕に話し掛けて来た。


「さあ、出発の時間ですよ。

 次の世界では、楽しい事があればいいですね。

 貴方には、沢山の加護を与えておきました。

 いってらっしゃい・・・・」


その言葉を聞いた途端、また、意識が無くなり、目の前も暗くなった。


それから、どれくらい経ったのだろう。

目を開くと、僕は見知らぬ場所にいた。

(ここは、何処?)

僕に大きな手が伸びて来る。

逃げようとしても、動かなかった。

(どうなっているの)


僕は、女の人に抱かれていた。

女の人は、胸をはだけさせて、僕の口元に持って来た。


「さぁ、ナッシュ、ミルクの時間ですよ」


僕は、何かに惹きつけられる様に胸に顔を付け、ミルクを飲んだ。


「今日も、よく飲みましたね」


女の人は、僕を元の場所に戻すと、はだけた上着を整えた。

その時、僕は、転生したんだと気付いた。

しかも、前世の記憶を持ったままで・・・・。


僕は、動けない体で、ゴロゴロしながら周りを見ると、着ている服や、

家の様子から、日本よりも時代が古くなった感じの世界だと思った。

そして、僕に、ミルクを飲ませてくれる女性は、僕の母という事もわかった。

その人の名は、シルビィ。

シルビィは、ミルクだけでなく、おむつも交換してくれる。

ただ、記憶がある状態で、おむつを交換されるのは、凄く恥ずかしい。


それから、夜になると、僕の所に来るおじさんが父なのだろう。

僕の所に来ると、髭を押し当てて、僕を抱いているから。

父の名前は、ノーマン。

体は、大きく、僕を抱いた腕は引き締まっていた。

ただ、問題なのは、母がいない時に来る人。

多分、僕の姉。

姉は、母が僕にミルクを与える所を見ていたのか

母がいない時に、自分の胸を押し付けて来るのだ。

しかも、上着を脱いで・・・・。

そして、今日もやってきた。


「ナッシュちゃん、ミルクのじかんですよー」


姉は、上着を脱いで裸になり、胸を押し付けてきた。


「さぁ、ミルクですよー」


強引にミルクの出ない薄い胸を押し付けられて、あばら骨が当たり

痛くて藻掻くけど、姉は、笑顔で続けて、決して止めることは無い。

姉は、気が済むと、僕をベッドに寝かせてくれる。

そして、僕が、寝るまで頭を撫ででくれるんだ。

まぁ、姉の薄い胸で、藻掻き苦しんで疲れているから、直ぐに寝てしまうけどね。


それから、月日が経つにつれて、僕も、ベッドから、起き上がれるようになり、

次の年には、ハイハイが出来る様になった。

ただ、姉の行動は、全く変わらず、僕にミルクを与える真似事はしていた。


僕も、3歳になり、少し話せる様になった。

その頃の僕は、体の中に、何か塊のような物を感じていた。

ただ、その塊に精神を集中させると、体の周りを何かが包む気がしていた。

ある日、1人で、遊んでいる時に、体の中の塊が大きくなっている気がしたので

いつもの様に、精神を集中させて見たら、もの凄い音と共に、僕の周りに風が起こった。

その音に、姉と母がやってきた。


「今の音なに?

 ナッシュ、大丈夫?」


「イヴ、一体、何があったの?」


「分からないけど、ナッシュは無事よ」


姉は、僕を抱いたまま離さなくなった。

夜、父が、帰って来て、母からその出来事を聞くと父は、僕を見つめた。


「ナッシュ、何が、あったんだ」


僕は、一生懸命説明したけど上手く伝わらなかった。

翌日から、僕は、精神を塊に集中する時は、気を付ける様にした。


それから、時が経ち、僕は歩いたり、話せるようになった。

ただ、前以上に、姉が僕の傍から離れなくなり、僕が何処か行こうとすると

必ず手を繋ぎ、何処にも行けない様にされた。


「ナッシュ、いい。

 お姉ちゃんの傍を、離れたら駄目だからね」


僕は、諦めて返事をする。


「うん、わかったよ、お姉ちゃん!」


僕が、返事をすると姉は、笑顔で抱きしめて来る。

いつもの事だ。


僕も5歳になり、教会で祝福の儀式を受けなくてはならない年齢になった。



不定期投稿ですが、宜しくお願い致します。


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