--- 中3の想い ---
「タカシ様、タカシ様、起きて下さい。タカシ様ってば。」
「うーん?眠たい。」
今日はどちらまでいきますか?
「今日は中学三年生の一学期の終わりにしよう。」
「かしこまりですぅ!」
「タカシは教室で目が覚めた。何してる? HRの様だ。」
「えーでは、もう進路決めもギリギリの所に来ているので、進路が決まっていない者はこの1学期中に第2志望まで書いて出すように」
「起立、礼」
中学三年生かタカシはギリギリまでなりたい職業や志望校が決まらず、適当に私立の普通科に決めた記憶があった。(アカネは何処を受けたのだろう?)
今回はアカネは同じクラスにいた。授業が終わるとタカシはアカネの傍に行き、
「アカネ志望校は何処にしたの?」
アカネは、ぷいっと横を向いて、
「タカシなんて知らない。」
何やら怒っている様である。
「もう私の事なんてどうでもいいんでしょ。」
よほど長い期間相手をしてなかったのだろうか・・。
「ごめんよ、でも俺はアカネの事が好きだし、出来れば同じ進路を一緒に歩んで行きたいんだ。」
「えっ!?」
「私は女子高希望で出したのよ。」
「そうなのか・・。」
「でもタカシがそう言ってくれるのなら変えようかな。」
「いいのかい、君の人生だよ。」
「いいのよ、私は全然将来の夢ややりたい事なんて今の時点ではっきりしないんだからこれから高校、大学と進学していく中で決めてその都度頑張るわ。それに私も出来ればタカシと同じ道を進みたい・・。」
アカネは顔を赤くしてうつむいた。
「わかった、じゃあ先ずは同じ志望校を目指して頑張ろうよ。」
「タカシったら、今日はあの時見たいに積極的だね・・。私もうれしい・・。」
アカネが周囲を気にしながら小さな声で答えた。
「あの時というのはおそらく前回のタイムリープの時の事を言っているのだろう。」
「じゃあ、今日、アカネの家に行って志望校を絞ってもいいかい?」
「分かったわ、じゃあタカシの進路のプリントをコピーさせて、私ももう一度書いて再提出するわ。」
「じゃあ、帰りに一緒にコンビニでコピーとろう。」
「うん。」
(しかしいちいち、過去と未来で状況が分からずそれを把握するのが大変だな。何とかならないのか?今度アオネに聞いてみよう。)
放課後、タカシとアカネは一緒に帰り、コンビニで一緒にプリントのコピーを取ってアカネの家に行った。
タカシは今の意識としては初めてアカネの部屋に入り少し緊張した。
ベッドにぬいぐるみが置いてあったり、アイドルのポスターが貼ってあったり部屋の中にピンク色が多いところなど女の子の部屋そのものという感じだ。
その後、タカシとアカネは同じ共学の進学高を第一志望に、第二志望も私立の共学高校にした。
あとは家族の了解を得て提出する。
その日、タカシは家に帰ると父・母に進路を話し、希望校を決めた事を説明した。
「あなたが決めたのなら良いけど、第一志望の高校は偏差値が65は無いと難しいのよ貴方、大丈夫なの?」
「今から頑張って模試で上げていくよ。」
正直、志望校はアカネに合わせているので、タカシには少しハードルが高いが、これからアカネに教えてもらいながら頑張るしかない。
まもなく夏休みに入り、タカシとアカネは毎日図書館で勉強していた。タカシは苦手だった数学もアカネの指導もあって徐々に理解を深めていった。
「アカネ、明日は市民プールに行かないか?勉強ばかりに根を詰めてると続かないよ。たまにはストレス発散しようぜ。」
「そうね。折角の夏休みだものね。行きましょ。」
翌日、アカネの家に迎えに行き、一緒に市民プールに来た。
アカネは白のビキニに着替えてきた。
(うわ、あちこち発育してるなー)
「もうタカシのエッチ、何ジロジロ見てるのよ。」
「い、いや、何って、可愛いなと思って。」
「もう、タカシったら、恥ずかしいからあんまりみないで! それより先ずは流れるプールを1週しましょ。」
アカネはうれしかったのかタカシの腕につかまり流れるプールの方へ歩いていった。
アカネの柔らかい胸が腕にあたって変な事を考えてしまいそうになった。
「冷たい!」
中々入れないでいるアカネに水を掛けた。
「やめてー、冷たい!」
ようやく入ったアカネと浮き輪で流れていると、
「よう、お二人さん。学校であまり話して無い見たいだから終わったのかと思ったら暑いねー」
伊藤だった。
(この世界の俺は伊藤とも仲良かったんだ。)
「失礼ね伊藤君! 私とタカシは今も付き合っているわよ!」
アカネいつの間にこんなに強くなった?
「竜二じゃないか?お前は誰と来てるんだよ?」
「おれは親戚の子供達を連れて来てるんだ。今日は保護者だよ。」
「そういうと浮き輪で鈴なりに3人繋がった子供たちを見せた。」
「しっかり監視しとけよ。」
「ああ、じゃあな。」
「アカネ次はスライダーいこうぜ。」
「うん。」
一通り遊んで二人は帰る事にした。 帰りに自販機でジュースを買い、自転車を押しながら歩いた。
プールから出た後は、蝉が鳴いているのに涼しさを感じていた。
「じゃあアカネ、明日また図書館で会おうぜ。 バイバイ。」
「うん、バイバイたかし。」
(よしあとはこれを継続して同じ高校に合格すればOKだな。この世界の俺が夢と勘違いしない様に、一応、紙に書いて部屋に貼っておくか。えーっと、アカネと同じ○○高校合格を目指す事。これでよしと。)
家に帰ったタカシは夕飯を食べお風呂に入って早々に寝た。
「タカシ様、タカシ様、起きて下さい。タカシ様ってば。」
「やぁ、アオネ。」
「どうでしたか旨く行きましたか?」
「そこなんだけどさ、俺が過去変して未来の状況がどうなっているかって起きてみないと分からないんだよなー。アオネどうなっているのか知っているとかしない?」
「それは私にもわかりません。」
「やっぱりそうか。じゃあ旨く行ったかどうかも起きてみないと分からないよ。じゃあそういう事で。」
「そういうとタカシは現実世界へと目覚めていった。」