--- 4回目のプロポーズ ---
「タカシ様、タカシ様、起きて下さい。タカシ様ってば。」
「アオネか、お前にも随分世話になったな。」
「何をおっしゃるんですか。アオネはタカシ様のお役に立てればそれ以上の喜びはございません。それで今回のタイムリープはうまくいったのですか?」
「ああ、やるだけの事はやった。うまく行ったかどうかは起きてみないと分からないな。」
「そうですね。では今回が最後ですのでタカシ様の幸せをお祈りします。」
「俺の幸せか。ありがとうアオネ。」
そうしてタカシは眠りについた。
「タカシ、タカシ、起きて、タカシってば。」
「うん?アオネなのか?どうしてまだいるんだ?」
「もう何言ってるのアオネって冗談のつもり?笑えない。ア・カ・ネよ!」
目を覚ますとアカネが裸でベッドにいた。 アカネはタカシの胸元にキスをするとさっさと立ち上がって部屋を出て行った。
「今日はタカシがゴミ出し当番だからね、遅れないでよ!」
アカネはシャワーをしている様だ。
「この状況は、タイムリープがうまく行ったのか?」
タカシは起きだしてリビングへ行くと、TVの上の写真立てにはアカネとタカシの幸せそうな写真が納まっていた。
アカネがシャワーを浴びてバスタオルを巻いて出てきた。
「どうしたのタカシ?」
「アカネ俺たちはいつ結婚するんだ」
「何言ってるのよ。来月のJune brideでしょ。」
「今日はこれから結婚式場へ行って最後の打合せをするんでしょ。」
「ほら、遅れない様に準備してね、ダーリン。」
そういうといたずらっぽく笑ってタカシの唇にキスをした。そこにはもう小学5年生の時の様な恥じらいはなかった。
(やった。過去の俺達、よく頑張った。)
「アカネ、君の事は一生俺が大事にするよ!」
「タカシったら、何回プロポーズするの? もう4回目のプロポーズよ!」
「え?4回目?」
「そうよ、1回目は小学校5年生の観覧車の中で、2回目は中学3年生のプールの帰り、3回目は3週間前でしょ。そして今で4回目」
「分かった? 分かったら早く着替えてゴミ出ししてきて!」
タカシは幸せだった。ゴミを出しに出た外の世界は輝いて見えた。
「アオネありがとう。神様ありがとう!」
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「アオネ時間は掛かったようだがお前も合格じゃな。あの人間は心からお前とそして私にも感謝をしておる。」
「はい、タカシ様もお幸せになれた様でアオネも幸せです。」