第2章〜異世界転移成功?〜
「こ、ここは?」
「ようこそ。ここは転生の間。ライトタワー。私は神に仕える天使の一人。アーマード。」
「はぁ、どうも。」なかなか美少女じゃないか。これはハーレム展開狙えるのか?wktk、wktk。
それはそうと今思う最大の疑問がひとつだけ。
「僕以外の人はどこに?」
アーマードは数秒、躊躇ってはっきりと話した。
「貴方だけ来るのが遅くて三時間ぐらい前に全員行っちゃいました。」
「は?」
何言ってるか意味が分からない。
多分耳がバーニングしてたんだろ。
「もう一度言ってくれませんか?」
「貴方だけ来るのが遅くて三時間ぐらい前に全員行っちゃいました。と言ったんです。繰り返し言うのめんどくさいんで一回で覚えてくれます?」
「えええええええええええええ????!!!!」
嘘やろ。あいつら。やりおったわ。
驚きすぎてエセ関西弁出ちゃったよ。
天使が性格悪いのは問題としても、それを差し置く程の問題だよ!
三時間ぐらい前にってなに?
なんか俺バグってるやん。
ロード遅いとかそういうことなのか?
どんなクソゲーでもここまでかかるゲームはそうそうないと思うんですけど。
ていうか、先生。俺、生徒。
生徒の命は安全第一。違うのか?
俺の事、絶対嫌いだよな。「おい。葛藤が長いんですけど。ステータス伝えてもいい?」
「あ。す、すいません。」
「一応名前は現実のだけど、ゲーム名に変えられるけどする?」
「慎一で大丈夫です。」
「長いから一《 はじめ》にするわ。」
「は?ダメに決まってんだろ?」
「わり。もうしちゃった。」
このクソ天使。マジで頭おかしい。
人の名前を勝手に変えるってどういうことじゃあ!
「戻してくれませんか?」
「半年は変えられん。すまんな。」
あ、クソ。マジでf・・k。
ていうか俺最初とキャラ違くね?
あ、ヤバい。メタいことを考えてしまった。反省反省。
「もうステータス伝えていい?」
「もう勝手にしやがれ。」
「そう言えばさー。」
「ステータス言わないのかよ!」
「そんなん後でも充分でしょ。」
このクソ天使は。
本当に天使なのか?
一瞬でも可愛いと思ったが、あの時の俺を5発ぐらい殴ってやりたい。
目を覚まさせてやりたい。
それが俺を救うチャンスだろうな。
「あんた知ってる?」
「何を?」
はい出ましたー。
あんた知ってる?とか言って知るわけないだろ。状況作り出すやつー。
絶対1年に1度は見るやつー。
こんなこと思ってたら天使にボコられるかもな。
「私人の心読めんのよ。」
「ブフォォォォォ??」
「汚ったな!」
ヤバい。ヤバい。思わず唾を吐き出してしまった。
ていうか、こいつ人の心読めんのか。
ヤバいな。
さっきまで考えてたことを見られてんのか。
「すいませんでした。」
「ちょっ!急に土下座しないでよ!
ビビるでしょ!
ていうか、読めるっての嘘だし。」
「は?」
この尼。俺の事騙しやがった。
許さん。騙されんのは1番嫌いだ。
「でもあんた、相当良からぬことを考えてたみたいねー。」
でも、良からぬこと考えてたのはバレてるな。
ははっ。土下座しよう。
「土下座はNo thank youよ」
「なんで英語で言ったの?かっこよくないぞ?別に。」
「・・・」
黙りやがった。赤面してる。ウケるw
「もういいんだよ!ステータス伝えるから!」
逆ギレされた。もうワケわからん。
とりあえず念願のステータスだ。
「じゃあアンタのステータスね!」
名前 一
役職 冒険者
レベル 1
装備加護 無し
状態異状
HP100
MP 50
攻撃 10
防御 0
会心 5
回復 5
敏捷 5
攻撃耐性 5
魔力耐性 5
スキル 無し
固有スキル ?日借?
素質 ????
「っとこんな感じね!素質が出ないのはしょうがないの!見えないようになってるらしいから!」
「あの?固有スキルが所々しか見えないんだけど。
」
「ブッフォオオオオオwww あんたwww才能ないんじゃないwww」
このクソ天使が!
「なあ、俺のステータスって平均よりどうなんだ?」
「かなり下ね!ほんとにあんたカスい
よ!」
「どうしてだよおおおおおお!!!」
地下に連れ込まれた人の如く叫んだ。
この世界の神を呪おう。
「ていうか、あんた現実の世界でも才能特になかったでしょ?」
「ああ。」
改めて言われるとクソ腹立つな。これだから天使は。ほかの天使はもっと可愛いことを期待しとくぞ。
「神様はそういう大して才能がなかった人は可哀想ってことで
元々才能がある人には及ばないけど、かなりのステータスを持って来るわけ。
で、あんたの場合は全てが最強すぎたのよ。
誰も主人公が無双するのなんて見たくないでしょ?だからもう少しカスにしようと思ったんだけど…」
主人公ってなんの事だ?詳しく聞きたいが地雷を踏みそうだからやめとこう。
「間違えて弱くしすぎちゃった♪」
「弱くしすぎちゃった♪じゃねー!」
何こいつ。ウゼエ。俺はどうせやるなら
俺TUEEEEがしたかったのに。
このクソ天使のせいで台無しじゃねーか。
ていうか、ここの世界観がよく分からん。一応聞いとくか。
「ここの世界は今、どういう状況なんだ?」
「今この世界は、魔王に支配されていて、魔王が放った魔物や十天王がいるわ。 まあ、一応救ってよ。」
十天王て何?普通四天王じゃないの?
意外と魔王、多く部下とるんだな。
まさか、魔王ビビリなのか?
なんだ。魔王ザコなんだな。
てか、一応救ってって何?
なめてるよね?
ちゃんと世界救わせろよ。
「いや、救うとしても、最強ステータスのままで進ませれば終わったじゃん。
なんで最弱にしたの?
面白くない、とかじゃなくて救わせればこの世界助かったやん。」
「うるせーな。いいからとっとと行ってこいよ。」
腹立つな。このアーマードとやらは。
アー○ールに名前変えてやろうか。
おっとダメだ。こんな事、考えるのは。
「じゃあ、世界救ってきます。」
「行ってらー。ボリッボリッ」
こいつなんで菓子食ってんだよ。
「てか、それ俺のじゃねーか。金払え。
」
「あ?持ってねーよ。」
「クソが。人のものを取ったら犯罪だぞ。」
「残念でしたー。この世界には盗賊の役職がありますー。犯罪じゃないですー。」「でもお前盗賊じゃないだろ?」
「・・・」
こいつ・・・黙りやがったよ。
「まあ、いいや。」
「ありがとうございます。神様。仏様。一様。」
「一じゃなくて慎一だから。」
「いや、直せねえから。悪いな。」
チッ。やっぱ無理か。腹立つわ。
とりあえず旅に出よう。
「じゃあ天使様。」
「急に様付けしないでよ。なんかキモい。」
「生きていた中で一番理不尽な理由で怒られた?!」
「いや、だってなんかキモかったから。で、なんだよ。」
「まぁ、納得出来ないが、一応こういう事を言う時はちゃんと様付けをするべきだと思ってだな?」
「何?告白?キモーイ。」
はぁ。いちいち癇に障るやつだ。マジで俺の担当はなんでこいつになったか神様に聞きたい。
「告白じゃないが、言わせてくれ。
天使様。必ずしも魔王の手から、この世界を救ってみせます。」
「ふむ。分かった。頑張ってくれ。」
「じゃあ行ってきます。」
「頑張。」
「あ、ちょっと待って。」
「なんだい?クソ天使様?」
「あんた、不敬罪でぶっ○すわよ。
そんなことより、冒険者って謎だと思わない?」
「どういうことだ?」
「だって、勇者と冒険者は職業同じに見えるけど、勇者は世界救うって目標あるじゃない。
だけど、冒険者は特に目標ないじゃない?」
「つまり?」
「冒険者って無職ってことよね。
つまり今、あんたは無職!」
「はい。お前は勘がよすぎた。
開けちゃいけない扉を開いたぞ。」
「でも結局あんた無職よね。」
うん。容赦ないね。アー○ールの癖にやるやん。
「そんなこと言ったら探検家も似たようなものたろ。」
「この世界、探検家って役職ないからね。
つまり今あんたは無職には変わりないのよ。」
「うるせえ。○ね。」
「もう言いたいこと言ったからもう行っていいわよ。」
「お前とは二度と会いたくないよ。
じゃあな。」
そう言って俺は天使に背中を向けた。
とりあえず仲間を探しに行くか。
嫌な予感がするが気のせいとしとこう。
慎一は考えるのをやめてとりあえず歩くことを決めた。