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6th 助っ人

キャラ紹介

アニス(風の巫女)

ネコ科の獣人族。風の魔法を得意とする

 ドラグニス率いる群れはかなり統率が取れていてワイバーンを倒すだけでもかなり骨が折れた。


『やるでは無いか。さすが王とそれに使える巫女と言ったところか。だが、まだまだ詰めが甘いな』


 そう言ってドラグニスは少女を握った手を見せてきた。俺はその姿を見て動揺していた。そこにいる少女は鈴鹿だったのだから。


「鈴鹿!」


 鈴鹿は苦しさで声も出せないようだった。


「ごめんなさい、私、鈴鹿ちゃんが捕まるところを見ているしかできなかった……」


 俺が我を失いかけていた時、レンカがそう言いながら泣き崩れていた。


「レンカ……」


 ヒョウカがレンカを慰めているのを見て俺は我に戻った。そして、もう一度ドラグニスの方を向く。


『ははははは、いいぞ。その顔だ!この娘を返して欲しくば我の居城へ来い。まぁ、こいつを倒せたらだがな』


 ドラグニスは高笑いを上げながら空高く飛翔し、飛び去っていった。


「待て!」


 追いかけようとするもエメラルド色の鱗を持つドラゴンに立ち塞がれた。


「ここを通すわけには行かぬ。このドラグニス様直属配下騎士龍ディアバルドがお相手いたそう」


「唸れ大竜巻、サウザンドストーム!」


 騎士龍ディアバルドの前に巨大な竜巻が発生した。アニスの魔法だ。


「ここは私が食い止めるわ!必ず鈴鹿ちゃんを救うのよ」

「私も残る。レンカを泣かせるやつは生かししちゃおけない!」


 つい先日、ヒョウカ自身がそういう立場だった気がするのだが……。まぁ、ともかく


「2人ともありがとう!」

「私も、いく!鈴鹿は、大事な友達……なのに、私の、せいで……」

「レンカ、自分を責めるな。その責任を背負うべきは兄である俺だ。でも鈴鹿を大切に思ってくれて、ありがとう。一緒に鈴鹿を助けよう!」

「うん!」


 ◆


『くっ、2人逃がしたか。まぁ、俺様を退屈させないでくれよ』


 その瞬間尖った尾で斬撃を繰り出してくる。


「エア・ウインド!」


 アニスは足の周囲に風を巻き起こし空へと跳躍し交わそうとするが相手の攻撃の方が格段に上だった。そのまま攻撃をもろに食らったアニスは王城の壁まで吹き飛ばされた。


「アニス!」

『人の心配をしている場合ですか?あなたの相手はワタクシドラグニス様直属、極冰龍ブランディオスが務めましょう』


 アニスの元へ駆けつけようとしたヒョウカの前に透き通るような輝きを放つ蒼の鱗を持ちしドラゴン、極冰龍ブランディオスが立ちはだかるのだった。


 ◆


「……ヒョウカ!?」


 連れ去られた鈴鹿を追い荒野を駆けているとレンカがふと立ち止まり振り返った。


「どうした?」

「なんだか、嫌な予感がして……」

「ヒョウカ達に何かあったのか!?」

「分からない。でもなんだか……」

「そうか。でもきっと大丈夫、2人を信じよう。そして、鈴鹿を連れて無事に帰ろう」


 レンカの頭に優しく手を置くと照れながらも小さく頷いて返してくれた。


「……もうすぐのはず」

「そうか。急ぐぞ」


 先程もよりも速度を上げ駆ける事数分ドラグニスの居城エルドラド山にたどり着いた。


「ここに奴が……」

「行こう」


 ◆

「……っ」


 王城まで吹き飛ばされたヒョウカは攻撃が当たる瞬間に展開した氷の盾によって辛うじて急所は免れていた。白の兵はワイバーン大事に赴き、城内の避難も完了しているようだった。


「セブンスヒール」


「これは……」

「なんやなんや、偉く苦戦しとるのう」


 ヒョウカの傷は完全に癒え、そこには2人の少女がいた。黒と紫の衣装に身を包んだ見た目幼い関西弁の少女と長く伸ばした髪は三つ編みにゆわれ関西弁の少女とは真逆の体つきの少女。よく見るとそれぞれ太ももと肩なや紋章が刻まれている


「聖女様の命にて救援に参りました」

「さぁ、ショータイムの始まりや!」

「え、羽?」


 関西弁の少女は黒いドラゴンのような羽が生えたかと思うとアニスと戦っているディアバルドに向かって猛スピードで飛んで行った。


「お身体は大丈夫ですか?」

「えぇ、お陰様で」

「では私たちはこちらの凍てつく龍を殺るとしましょうか。クロノワール!」


『!?どういう事だ!体が動かぬ!』

「クロノ・トリガー!」

『ぐぁぁぁ……!!』


 動きが止まったブランディオスに今度は無数の刃が突き刺さった。


「時の刃に苦しみなさい」

「あなたの氷、私の氷で砕いてあげる。……アイスメイデン」


 氷で出来た巨大な拷問具にブランディオスは囲まれそれが閉まると同時にブランディオスの身体は砕かれ霧散した。


「どうやらあちらも終わったようですね」


 ディアバルドも倒され関西弁の少女が腕を高くあげている。


「レンカ……」


  ◆


 レンカと共に奥へと進んでいくと道の両脇の松明が灯り始めた。そして、山頂の所に黒く巨大な影が見えた。


「あそこか」

「……そうみたいだね」

「ちょっと捕まっといてくれるか」


 レンカが俺に抱きついた瞬間に跳躍で壁を蹴って行き山頂へとたどり着いた。


「兄さん!それに……レンカ!?」

「……鈴鹿!私のせいで……ごめんね」

「謝らないで……。あれは私の不注意よ」

「でも……」

「ゆっくりしてる暇はないみたいだ。あいつをどうにかしないと」


『待ちくたびれぞ剣の王』


 近くに来るとよりその禍々しい。黒光りした鱗に覆われ所々に鋭利なトゲが生えている。全身から禍々しい瘴気が出ていた。


「鈴鹿を返してもらうぞ、邪王龍!」

読んでいただきありがとうございます。そして、長く更新せず申し訳ありません。

宜しければ評価・感想の程よろしくお願いいたします

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