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復讐のだいごはまほうせきかくとくから!

「この北の地にあるというのは悪くないのですが、辺境すぎてとても……」


「勇者はここまでくるのにかなりの年月が……かかるからいいと父上が言われていたが……」


「非効率的ですな」


 親父というのは駄目と言われて父上に変えたようですが、ロッドさん言葉づかいを指摘されて落ち込んでます。

 魔王らしくないとのことですが……。


「俺というのもだめです。私、もしくは僕、僕が許されるのは幼少時だけですので私と……」


「はぁ? それくらいは許せよ!」


 テオが先生モードになってますよ。駄目ですねぇ、結構改善のよちがあると見た人だけがこのテオを見られます。期待されてるのですよ。

 テオが魔法でボードを出して、魔法のペンで計画をたてていきますが、私の計画なんてこれと比べたらゴミでした。


「まずそうですね予算面の生産向上としては、こちらの北の地にあるという魔法石を輸出しましょう」


「いやそれは希少性が高くあまりとれないが……」


「場所は私が魔法で予測します。場所さえわかれば大丈夫です。後は人出ですな」


「だからさお前その魔法……」


 椅子に座りため息をつくロッドさん。私達のお勉強タイムですが、みなさんは掃除と洗濯も終えて、テオの勉強を一緒に聞いています。

 他の方々は予算帳簿のやり直しなどですね。


「お嬢様の復讐はシュノーデンの国の衰退も入っていますから、輸出はシュノーデンには行いません」


「復讐ってお前本気か?」


「お嬢様の純情を踏みにじった王太子を許す訳には参りません!」


「あいつら……怖い奴を敵に回した自覚ないんだな……」


 滅ぼすのは確かに駄目となりました。

 せん滅ならお父様もせん滅ですわといったら、そうですなあとテオが笑いましたわ。

 なんでしょう、お嬢様のためならとかぶつぶつ言ってましたが、ではシュノーデン王国の衰退、王太子と婚約者の破滅のみですかなぁと言います。

 魔王軍の増強をそれに結びつけるために計画を建てますとテオはいいますが……。


「テオ、私も手伝いますわ!」


「お嬢様が主役ですぞ!」


 復讐を考えている時はとても切なくて胸が痛かったのですわ。

 テオだって文句を言いながらも王太子妃のお勉強手伝ってくれてましたもの。


 アリスさんが馬鹿にするように笑って飴玉をこちらに差し出した時は悔しくて悲しくて……。


 それを言ったらテオが涙を流して泣いてましたもの……。


「私、泣いてばかりいられませんわ! 絶対に復讐します! お胸が大きい年上ってだけであんなえらそうにされるのは嫌ですもの!」


「十年たてばお嬢様はもっと美しくご立派なご令嬢になられます! 今もご立派ですが! 17歳のお嬢様、27歳の女狐なら勝負はついたも同然! だが今は……」


 テオが悲しげにため息をつきます。確かに今は飴玉を差し出される年齢ですわ。 

 見た目、七歳、中身もそうですもの。

 お胸もありませんわ……。


「お母様と同い年の年増になったアリスさんを笑って差し上げますわ!」


「お嬢様、お母様は年増ではありませんぞ」


「お前ら、いちいち叫ぶなよ……」


 私達の誓いは永遠です。私はチビだからと馬鹿にされるのは嫌でした。

 でも王太子様が私との婚約をおままごとのようなもの、いつか私が諦めるものと思っていたのはもっと嫌でしたわ。


「私、私……テオ、私がまだ7歳だから……だめなのですか? 王太子様は……」


「お嬢様、お嬢様の魅力をあの馬鹿王太子がわからないだけですぞ!」


「7歳に魅力感じる17歳って犯罪だろそれ……」


 抱き合う私とテオをじと目で見るロッドさん。

 魔法石はこの地の端にある山のこの辺りに埋まってますなとこほんと咳をテオがした途端、何処かロッドさんが厳しい表情になって、部下は行かせられないから自分が行くと言い出しました。


「どうしてですか?」


「どうしてもだ!」


「非効率的ですな、わざわざ……」


「俺が行く!」


 絶対に行くと息まくロッドさん、仕方ないといったようにため息をついてテオが同行することになり、私も行きますと言ったらなぜ? とロッドさんに聞かれました。

 一人だけ仲間外れは嫌だといったら馬鹿? と言われましたよ。


 ちなみに私は一応中級の火の魔法は使えますといったらすげえと言われましたが……。


 普通は20年修行した人が使える魔法だそうですが……。

 テオは私位の年齢で上級だったからまだまだですといった途端、ため息をまたロッドさんがつきました。


 用意して山に向かうことになったのですが……今は春とはいえやっぱり寒かったのですわ。


 

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