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復讐 ちゅうだん まおうじょうかいぞうけいかく!

「魔王ともあろうものが……」


「計画としては衛生関連を整備、食生活改善、その後に軍備増強です。予算は……」


「だからお前さ、復讐は?」


 予算はどんぶりでした。これは駄目です。

 テオもお父様によく怒っていましたわ。

 私は経理担当の人と話をしています。テオは予算が一番大事と言うからです。

 お掃除は丸一日かかりました。お洗濯もです。

 テオが魔法で水を呼び、たらいなどに水を入れ、石鹸でひたすらごしごし、たらいなどはテオが用意してくれました。

 諦めの目で何かロッドさんはその光景を見ていましたね。


 箒でゴミをはいて、棚や机、シャンデリアの埃を払い、雑巾でふいて、その後テオが水を呼んで風の魔法で乾かして……。


 外に干したいですがいつも外が暗いので広場に洗濯ものを干しました。


「……母上がいたころはもう少しましだったんだがな」


「この状態を改善しないと魔王軍は強くなれませんわ! 不衛生は敵ですもの!」


「あのさ、勇者は後10年は攻めてこないって……」


 今勇者さんは7歳って私と同い年ですわ! でも今のロッドさんは弱いです。

 テオより弱いって認めてますもの。


「お前の執事最強じゃね? 執事使って復讐しろよ」


「復讐は壮大な計画が必要なのです。テオを使ってって、執事がどうやって王国に攻め入り……」


「あいつだけでも可能だろう……」


 テオはただの執事ですわ。なのにどうして? と聞くとお前ってとため息をつかれました。

 ロッドさんはだぼだぼの服を着ています。全部お洗濯しているので着るものがないそうです。


「一応魔王って怖くないのか? お前の執事、丸腰できやがったが」


「テオは武器は嫌いますもの」


「だからどうやってそれで……」


 鞄一つでここにやってきましたのよ。ロッドさんはもう好きにしてくれと諦めの表情です。

 テオは清掃部隊に今いますの。私はお洗濯ものを干し終わったので、休憩していますの。


「お前さ、変な公爵令嬢だな」


「うちは出来る事は自分でやれが家訓です。テオ任せはよくないとは思いますが……」


「まあお前まだ7歳だからあのじじい頼ってもいいとおもうがな」


「何かしているほうが気がまぎれるのですわ」


「え?」


「家にいても疲れますの」


 誰もが気を使ってくれていて、諦めろというだけの家。

 確かに私が幼いのは事実ですが、ドレスを新しいものを買ってやろう、欲しいものはないかと聞くお父様。

 お母様でさえ美味しいケーキを取り寄せたのよなどと言ってきます。


 言われれば言われるほど心が痛くなったのです。


「私が諦めれば全て丸く収まるのはわかっていました。でも嫌だったんです」


「おい……頼むから泣くな!」


「でもどうしても嫌でした。2年間ずっとずっとお嫁さんになれる日を夢見てきましたのに」


「わかった! もう好きなようにしろ。だから泣くな!」


 涙が出てきそうになるとロッドさんが頼むから泣かんでくれと手を合わせてきました。

 女の涙には弱いらしいですが。

 お母様に女の子泣かせちゃだめよってずっと言われていたそうですからね。


「お前色々考えてるんだな。俺がお前くらいの頃はもっと気楽にしていたが」


「お前位って人間年齢で何歳ですの?」


「赤ん坊か?」


「なら私も気楽でしたわよ」


「だな」


 テオがお嬢様に手をだしてはいけませんよと、なぜかロッドさんの後ろでごごごっという音とともにラ割れて睨んでます。

 私の頭を撫でるロッドさん、テオの言葉に手をだせるかという突っ込みを入れるロッドさん。


 復讐するのなら状況を改善しないとだめです。

 結婚式までには時間がありますもの。それまでに絶対に魔王軍がこのままでは弱いので強くして……。


「復讐計画の第一歩がそれってずれてないか?」


「千里の道も……」


「いいけどさぁ、んでどこが無駄が多いんだ?」


「こことここですな。あとここ、どんぶりというかいい加減というべきでしょう」


「お前ってこういうのもやってたの」


「お前ではありません、テオドールです」


「えっとテオドール……さん?」


「テオで結構です。では帳簿を全て見て改善しましょう」


ここから魔王城、もとい魔王軍改造計画がはじまりました!



 

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