復讐 ちゅうだん
「お前親父に手紙の一つでも書けよ……」
「家出してきましたから、そんなものは必要ありませんわ!」
とても良い朝ですわ。テオがお嬢様、お茶はどれにいたしましょう? と聞いてきてくれましたがいつものというとわかりましたと一礼して去って行きました。
「あのさ、俺のほうがお前より長年生きているから、親を心配させるのは駄目だと思うぜ」
テオが持ってきてくれたネグリジェはちょうどいいですわ。後、ワンピースも用意してくれましたが、鞄の中にどうやって入れたのですかね?
「お前の執事、どこにお前のその服入れてたんだ?」
「さぁ?」
テオ曰く、執事はなんでもできないとということでしたが……。
お父様には内緒でこちらにきましたの。だって復讐なんて言ったら馬鹿言うなって言われるに決まってますものね。
「お前、一応……復讐とか言ってたんだろ?」
「一応言ってましたわ」
「なら親父、探してないか?」
「テオがなんとかしてくれると思いますわ」
「執事に頼りすぎもあかんと思うぞ」
どうも私達の会話を見て、部下さんたちはほほえましそうというか……なんでしょう生温かい視線を感じます。
人間に対してかなり友好的なのはどうしてでしょう?
「人間っていうかお前の執事、昨日で俺の部下を全部てなづけた」
「はい?」
「男同士の拳の友情だとかなんとか……俺もうお前の執事に突っ込みをいれるのはやめた」
テオは昔からうちにいて、ずっと取り仕切ってきました。
お父様もテオに頼ってましたから、今大変でしょうね。
私のワンピースを見て、それいい仕立てだなと目を細めるロッドさん。確かにロッドさんのお洋服汚れてます。
「そのお洋服ほつれてますわ。後汚れてます……」
「そうか? そういえば数日き……」
「脱いで、脱いでください。洗います!」
「おいやめてくれ!」
食堂で服を脱がそうとすると、おいやめろと慌てて身をよじるロッドさん。
復讐計画はまず魔王軍を強くして、そこからお掃除とお洗濯? なぜか女性がいませんので汚いです。
男ばかりといってますがなぜ?
「女はだって戦には出ないだろう?」
「他の所にはいるんですの?」
「ああ城にいないだけだ」
使用人を雇うお金もないって貧乏ですね。不衛生は敵です!
「これお洗濯しますから脱いでください。後お掃除とお洗濯を手伝ってくれる人!」
はーいと数人の方が手をあげてくださいました。嫌そうな顔をするロッドさん。
一応私、一通りの家事はテオから教えてもらっています。
なぜって? 女の子としてはそれくらいはできたほうがいいがうちのしきたりというか……。
なにも出来ないよりは出来た方がいいというテオの意見が通りました。
「お前何しに来たんだ復讐は?」
「一旦中断です。脱いでください!」
最初から汚いし臭いって思っていたんです。私が川があればなというとテオが川じゃなくて魔法で水を呼びますと言います。
大量の水がいりますというと大丈夫ですというテオ。
それを聞いた瞬間、なぜそんな魔法を使える? とテオにロッドさんが聞きかけため息をつきました。
「ああうん、まあお前ならできそうだ」
お洗濯は箒とちりとり、雑巾とお水、石鹸!
そういうとテオが用意してくれました。
窓を開けて、箒で掃いてって上からが基本ですね。
シャンデリアも埃だらけです。
私達の大掃除がはじまりました。だからなんでというロッドさんをしり目に魔法城清掃大作戦がはじまりました!