復讐はおやすみ、ちょうぼをみなおしましょう!
「うーん、予算がいまいちとれませんな」
「魔法石はどうですの?」
「思ったより採算がとれませんな、うーんそうですな別の方法も考えましょう」
テオが首をひねっています。執務室でロッドが帳簿を見て困っているテオに悪いなと声をかけていますわ。
「執務室ってかっこいいな、俺こんなの初めてだ!」
「執務室は必須ですぞ、ロッド様!」
いつも広間で何やらいろいろやっていましたが、やっぱりちょっとということで執務室を作りましたわ。
テオすごいですわ、お父様の執務室より立派ですわ!
「この椅子ふかふかだぞフリーゼ、座ってみろよ!」
「うわあああ、すごいですわ、すごいですわロッド!」
「お二人とも遊ばないように、そうですなあ」
私たちはふかふかの椅子を交互にぴょんぴょんしていると、テオがふうとため息をついてとめてきましたわ。でもふかふかですのよこれすごいですわ!
「……俺、この机少しだけ背が足りないような……」
「椅子は上がりますから、しばらくはそれでお願いいたします」
「すごいぞこの椅子あがるぞフリーゼ!」
「すごいですわ、すごいですわロッド!」
椅子の座るところがぶわっと上がりますのよすごいですわ。遊ばないようにとまた言われましたわ。
ロッドはすごく喜んでますわ。
でも書棚に詰め込まれた本はかなり難しいですわよね。
「俺、この本、たぶん半分もわかんないと思うぜ……」
「将来的にロッド様のお役に立ちそうな書物を集めました。だから今はわからなくても大丈夫ですぞ」
うーん、この国の歴史から経済から、この世界全体のこととか、いろいろありますわね。
ぱらぱらと読んでみると、勇者の歴史もありましたわ。
「勇者は世界に一人である。そして……これは」
「俺はさすがにそれは知っている。親父とお袋も説明してくれた」
「知っているならほかを勉強することですな」
さらっとテオが流します。そして帳簿があいませんなぁとため息をつきます。どんぶりでしたからねえ。
本を閉じて、ロッドが次の書物を読み始めます。
「ドラゴンの大冒険!」
「うわああ、ドラゴンですわ、ドラゴンですわ!」
「遊ばないでくださいお二人とも!」
ドラゴンの冒険のお話を二人でじっと読んでいます。うふふ、ドラゴンってたくさんいますのよね。
銀の竜のお話もありましたわ、世界に銀の竜はそんなにいないのですよね。
「銀の魔法使いは、銀の竜に呪いをかけた……呪われよと魔法使いの少女は……」
「うーんでも裏切られた魔法使いの少女の絶望もわかりますわ」
銀の竜が半島から出られなくなった理由は銀の魔法使いの少女の呪い、ドラゴンは少女との結婚の約束を破って、同じ竜の少女と婚姻した。
だからこそ、銀の竜はいまだに半島を出られないというお話ですわ。
「今は出られるのか?」
「私は知りませんが、その話は続きがあるようですな。お気に召したなら取り寄せます」
「お願いしますわ!」
「竜と人間って……異種族だよな」
「魔族と人間の結婚もありますから、それもあり得ますわ」
私がそういうと、顔が真っ赤になるロッド。
魔族と人間の結婚はあります。子供だって生まれるらしいですわ。数が少ないらしくあくまでらしいと聞きましたが……。
ロッドはそっかと頷いてます。
「魔法石採掘は中断、そうですな、この地では確か水の質がいいそうですから、それを売り出しましょう!」
「水?」
「水は貴重ですが、こちらの領地は水が豊富です。それを生かしましょう」
そういえばお父様はお水がどうとかいっておられましたわね。
飲める水が少ないとかなんとかこうとか。
「水かぁ、確かに雪解け水や、川などもこの地方は豊富だもんな」
「そうです。お水がおいしい、これは資産ですぞ!」
そういえばお父様……お母様と喧嘩してましたわね。私の仕業とはわかっていないようですが、謎の勢力の嫌がらせということになったようですわ。
というか……アリスさんの敵が多いようなのです。庶民が王太子妃にという反発が多いようなのでばれなかったようです。
「お父様、お母様、ローリー……」
「一度、お里帰りを検討されては?」
そういえばもう三週間もあってませんわ、いえ……会わない覚悟はしてきましたが、やっぱり心配性ているでしょう……家を出てきているのにそんなこと思うなんて……。
「お前一度帰れ、親父とお袋を心配させるなよ。また来ればいいからさ」
「ふむそうですな、一度ご主人様と奥方様にもお話をしないといけませんな。陛下と何やらきなくさいことになられているようですから」
「え?」
「陛下はこのたびの婚約破棄のことをお気になされているようで、いろいろとお話をくださっているようですぞ、だがご主人様はお断りされてるようです。娘のことでいろいろ便宜はいらないと……」
「ああ、たぶん私に対する縁談などですか?」
「そうですぞ、お嬢様の新たな縁談をお断りされてるようで、それが周囲にちと……」
「ああ、陛下のお言葉をないがしろにしているとか言われてますのね?」
「そうですな」
私が被害者ですわ、それなのにいろいろという方がおられますのよ。一度帰ったほうが……。
でもロッドが心配ですわ、私がいない間に勇者が攻めて来たら……。
「帰りませんわ、勇者が来たら困りますもの!」
「お前そのぶっ飛んだ思考……」
「だからここにいますわ!」
「勇者も7歳だからこんだろ」
「もしもということがありますもの!」
「まあお前も7歳できたしな」
ロッドがため息をつくと、ではロッド様もご一緒にきたらどうですか? とテオが提案します。
しかし魔族が王都に言ったら……。
「幸い、ロッド様は人型ですぞ。その目の色だけごまかせばばれませんぞ、私に任せてください!」
というかロッドがいやだと首を振ってますわよ。なのにあれよあれよっていう間に部下さんたちとお話をテオが決めてしまいましたわ。
人間の暮らしも見ていたほうがいい、魔王の勉強になるとか……前代の魔王様も少しの間、人間に化けて暮らしていたことがあるそうですの。
「敵を知ることも大事ですぞ、ロッド様」
「いやお前ら……」
嫌がるロッドを後目に計画が立てられ、一時王都にみなで帰ることになりなりましたの。
魔王の城にはテオがいろいろトラップをしかけましたから、勇者がきても大丈夫とのことですわ。
「トラップってなんだよ!」
「帰られたら解除しますぞ」
「だからさ……」
突っ込みはあきらめたようですわ、ため息ととともに黒目になったロッドは私と一緒に王都に変えることになりました。テオの移動魔法で帰ってきましたの。




