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後悔はいつ役に立つのだろうか

作者: あまね


後悔先に立たずという言葉は、正しさしかないものだ。


正しさとはこっちだってそんな事はわかっているんだよと、息まいて渦巻いて叫びたくなるものだ。


つまりは、今この時点で後悔をしているという事だ。


僕は今片手に持っている大型の本屋のロゴが入った白いビニール袋には少しの余裕があるぐらいに詰められた文庫本が三冊ある。


包み隠さずに言えば十八禁とよばれる、エロ本だ。


文学的なものではない実に堂々としたエロ本だ。


それが三冊だ。


いや、成人男性で大人である現在なら所有していたっておかしいことはない。


おかしくないなら正しく健全ですらあるようにも思え後悔する必要などないように思えるのだけれど、後悔している。


何故なら、今は平日のお昼だ。



何故なら、今は会社に勤めている成人男性らしくきちんと働いている格好をし、三十分もすれば夜まで精神と体力が削られるパソコンとのにらみ合いが続く。


そんな勤務をしているなかで、会社と目と鼻先に近い書店で、なんでエロ本を数日のお昼代を犠牲に購入しなければならなかったのだろうか。



店員の何かを見ておいて見なかったことにするようなマニュアル的な態度。


会社にエロ本を持ち込む愚かしさ。

ドキドキするとかそういう背徳感を興奮に変える思春期は終わったというのに。


さして好みのシチュエーションでもないエロ本。


しかも三冊だ。


これが少年漫画などの最新刊であれば、元手を幾ばくか回収出来たのにエロ本だとそうはいかない。

ストレスがたまっていたならコンビニ寄ってスイーツでも頬張ればいいのに。


よりによってエロ本三冊って。



なんでだよとも思うし、誰に指摘されるまでもなくアホな事をしてしまったという事をわかっているし、どうしようもない。


この後悔した空きっぱらに、何か詰めよう。


あぁ安い菓子パンと飲み物でこの後悔をさらにしてしまう。


なんでエロ本三冊を買ってしまったのだろうか。

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