やれやれ、ジャークを連れて村に帰るとするぜ
ナロウにパパみを感じる……(´;ω;`)
数分の後にジャークは泣き止んだ。反省、大いに結構だぜ。
あとジャークのパンツとズボンはチート能力で洗って乾かしてやった。やれやれ、おねしょした子どもみたいだな。
「お前を連行する。いいな?」
「うん……」
ショボくれているジャーク。やれやれ、あんまりにも陰鬱なムードが続くのは好きじゃないぜ。
「わわ、ナロウ、何するの……?」
小さなジャークの体を持ち上げ、肩車してやる。
「これは肩車というんだ。親が子どもにしてやれる愛情表現の1つだぜ」
「そうなんだ……」
この状態のまま村まで帰るとしよう。
「どうだ、高いだろう」
「……ボクは空を飛べるんだよー? もっと高い所から景色を見てるもん」
道中にて、こんなやり取り。確かにそうだな。
「でも、この視点から木や草むらを見たことはないだろ?」
「それはそうだけど……あっ」
不平そうなジャークだったが、何かを見つけたようだ。
「どうした?」
「今、向こうに鹿がいたよ」
「おお、そうか。他には何がある?」
「あっちの木にはカブトムシがいてー、そこの花には蝶もいるー」
「ははっ、名探偵だな」
次々と発見をしていくジャークは、実に子どもらしい喜びに満ちた姿である。
「ジャーク、楽しいか?」
「うん! 今まで上から見下ろしてばかりだったからー、こんな景色を見る事なかったもん」
「空の上からじゃ分からない景色もあるってことだ。たまにはこうして地上を散歩するのも楽しいもんだぜ。それに、よーく聴いてみろ」
「ん? んー……」
耳を澄ましてみれば、木々のざわめき、動物や虫達の鳴き声、そして――――――風が吹く音色。
「いろんな音がするー……」
「ああ、そうだ。目で見たもの、耳で聴いた音、肌で感じた事。それらが身の周りにいっぱいあるんだ。そう思うとどうだ、日常が面白く感じるだろ?」
「……気付かなかった。ボクより小さなもの、大きなもの、大きな音、小さな音、たくさん……」
ジャークは知ろうとしている。今までちゃんと見てこなかった、聞いてこなかった事を。
「誰かを傷付けることなんかよりも、ずっと楽しくて、幸せになれることはいっぱいある。それを探してみようぜ――――――俺は、ジャークにそれを知ってほしいからさ」
「ナロウ……」
やれやれ、臭い台詞を言っちまったぜ。風使いだけに、この臭さを流してくれねえかな。
「もっと早く会っていれば……ううん」
ジャークが俺の後頭部をぎゅううと抱きしめる。
「――――――ナロウがボクのパパだったら……ボクは悪い子にならなかったのかな……」
「…………」
静かに泣くジャークに、かける言葉もない俺はジャークの頭をポンポンと撫でるしかなかった。
やれやれ……魔王許すまじ! だぜ!
オークの
ギ
ャラクシー
るすばん(R15指定)