やれやれ、ギルドだぜ
ナロウ様あ~(*^^*)
やれやれ、いくらこいつらが荒くれ者とはいえ、命までとることもないだろう。そう考えた俺は手加減をしていたぜ。
「いてえええ、いてえよおおお」
「いきてるうううう」
「お前達、生きていたか!?」
「神に感謝」
ようやく目を覚ましたようだ。やれやれ、無事で何よりだぜ。
「助けていただきありがとうございますぅ」
「やれやれ、気にすることないぜ」
「まあ、なんて飾らない人!」
「ち、ちくしょおおお悔しいけど格好いいぜええぇ」
やれやれ、この程度の力、ほんの小手調べでしかないんだがな。やれやれだぜ。
「お前達も大丈夫かい。どおれ、回復してやるぜ」
手をかざすまでもなく、念じるだけで四人の顔色が優れる。これがチートだぜ。
「くそぅ、俺たちを気遣いやがってえ!」
「悔しいけど優しさが染みるぜえ」
「俺たちはなんてお方に喧嘩を売っちまったんだと贖罪してえぜええ!」
「神に感謝」
やれやれ、あまり持て囃されると照れちまうぜ。
まだ倒れている四人にてを差し伸べて引き起こしてやった。そのたびに感涙されるとは、やれやれだな。
「あんた程の実力者なら、すぐに頂点になれるぜえ!」
「俺たちA級冒険者をあっさりと倒したんだ!」
「S級、いやSS、SSS級! ま、まさか……!? SSSSS級かもしれねぇ!!」
「ぬぼぼ」
「そうです!あなたならきっと、伝説になれますよ!」
やれやれ、ここまで褒めちぎられると冒険者になるしかないようだぜ。
女神様に世界を救ってくれと頼まれた手前、これもなにかの縁だろうぜ。
「ぜひともギルドにきてくれよぉ!」
「いいぜ。そのギルドとやらに案内してくれ」
「ありがてえ! ちょうど人が足りなかったんだよお!!」
「俺たちがこの姉ちゃんを追っかけていたのも、冒険者に誘っていたからなんたぜぇ!」
「もう! 私はしがない農家の娘よ! ただお父さんが大神官、お母さんがアサシン、おじいちゃんが賢者、おばあちゃんが14代目魔王の娘だったってだけじゃない!」
「そうだったのか。お前達、いくら人手不足だからといって無理矢理は良くないぜ。デートに誘う時、苦労するぜ?」
「おっしゃる通りでさあ! 心の底から反省したぜえ!」
「その言葉、心に刻んだぜえ!」
「神に感謝」
「ありがてえ、ありがてえ! あなた様に出会えて俺たちは生まれ変われたようだぁ!!」
やれやれ、まいったぜ。俺は神様でもなんでもないんだがなあ。
「感銘いたしました! あなた様のお名前を伺ってもよろしいでしょうか?」
「俺はナロウ。これからよろしく頼むぜ」
「ナロウ様……素敵……!」
「ナロウの旦那! これから一生ついてきますぜえ!」
「俺たちは生まれ変わったんだあ!」
「この命、ナロウの旦那に捧げらあ!」
「ぬぼぼぼぼ、ぬぼぼぼぼぼぼ、ぬぼぼぼぼ。ぬぼぼぼほぼぼ、ぬぼぼぼほぼぼ」
とんだ五七五七七だぜ。なに言ってるかは分からないけどまあいいぜ。
俺がトップになって、お前らを守ってやるぜ!
ありえないほど
ほ
くほくの
ささくれ