やれやれ、村娘だぜ
ヒロインの一人登場!(o^O^o)
やれやれ、なんとか全員に食事が行き渡ったようでよかったぜ。
「ありがとうございます。おかげで助かりました」
村の住人らしき若い娘がお礼を言ってきた。純朴さを残した三つ編みエプロン姿の女の子だ。
「構わないさ」
「ナロウ様は強くて料理もできるのですね。尊敬します」
「照れるぜ」
やれやれ、こんな可愛い子ちゃんにおだてられるとはいい旅夢気分ってもんだぜ。
「君の名前は?」
「私はムースと申します。村長の娘です。この前16になりました」
「そうだったのか。確かに目元に村長の面影があるぜ」
「ええ、よく言われます」
クスクスと笑うムース。素朴な笑顔で良いじゃないか。
「私、あまり男性の方と知り合うことがなかったので、ナロウ様のようなお方がいらっしゃるとは知りませんでした」
「それは君がまだ無知なだけさ。俺以外にも強い男や料理のできる男はたくさんいる。村の外に出るのも楽しいと思うぜ」
「ですが私は村娘にすぎません。非力な私では魔物にすぐ襲われて……」
「なら俺が守るさ。君が外へ行きたいと言うのなら、その護衛くらいさせてもらおう」
「ナロウ様……!」
見聞を広げる事は大事だ。知識は得られても、体験しなければ経験にはならないからな。
「その時は俺を呼んでくれ。すぐに駆けつけるさ」
俺にはチートの力があるからな。
「ナロウ様……私、ナロウ様のことが……」
「旦那ぁ~! こっちに来てくだせぇ~!」
「おっとすまない。呼ばれてしまった」
気になることを口走っていたが、ひとまずゲッヘ(旦那旦那と言ってくる男)の元へ行くとするか。
「ああ、ナロウ様……」
なつかしい
できごとのひとつ
ポーツマス条約