第015話
どうしても2日で書くのが間に合わない。
いつも遅れてしまってすいません。
食後にセバスさんに案内された客室は、とても広くて逆に萎縮してしまいそうになるくらい立派なお部屋でした。おトイレは水洗で、ウォシュレット付きだし、お風呂もあります。石鹸だけでなくシャンプーやリンスまで揃っているのには驚きでした。
でも、セバスさん曰く、大浴場もあり、いつでも誰でも入れるとの事でしたので、カリーネさんんと一緒に入る約束をして、取りあえず各自のお部屋に空間魔法から荷物を取り出して置いていきました。それを見ていたセバスさんが少し驚いていたのが見れて、ちょっとだけ誇らしく思ったのは内緒です。
「カリーネさん、それじゃお風呂に行きましょうか」
「そうね、でも大浴場の場所知ってる?」
「いえ、知りませんね…。そんな時は聞けば良いんですよ」
と言うわけで、侍女さんに案内されて大浴場にやってきました。勿論混浴ではありません。ちゃんと男女に分かれています。では、入りましょう。
「お邪魔しまーす。わぁ、広い!」
脱衣所で服を脱ぎ去った私達は、浴室へ入っていきました。そこはジャングル風呂でした。いくつかの浴槽と、その周辺に植えられた熱帯樹の数々。まさしくジャングル風呂です。魔王さんは何を考えてこんな大浴場を作ったのでしょうか。
「とりあえず、そこで身体を洗いましょう」
壁際に並んだ洗い場へ向かい、身体を洗います。因みにタオルは大浴場に備え付けのもので、石鹸、シャンプー、リンスも部屋の風呂にあるものと一緒でした。
それにしても、カリーネさんはスレンダーなスタイルですね。貧乳ではありませんが、決して大きくもありません。カップはBくらいかな?でも、スラリとしたスタイルは良いですね。私もああいう風になりたいです。
カリーネさんはそんな私の視線に気付いたのか、「な、何?」と訝しげに聞いてきたので、適当な事を言ってごまかしておきました。こんなところでおっぱい戦争をするわけにはいきません。
身体を洗い終わった私達は、一番手前の浴槽へと身体を沈めました。ちょっと熱めのお湯が気持ち良いです。
「ふぅーっ」
つい、口からそんな声が漏れてしまいました。カリーネさんも同じように蕩けた表情でお湯に浸かっています。この広いジャングル風呂にただ二人。すごい贅沢です。そう思っていたら、脱衣所で誰かの声が聞こえてきました。どうやら誰か入りに来たようです。
ドアを開けて入ってきたのは、銀髪のおかっぱ頭をした可愛らしい女の子でした。歳は私と同じくらいでしょうか。その後に続いて入ってきた人は、この女の子に付いている侍女さんなんでしょうね。カリーネさんと違い、お胸がすごいです。
「ちっ」
あ、隣から聞こえてはいけない舌打ちが聞こえてきました。これはいけませんよ。でも、そのことを言う勇気は私にはありません。何とか話題を変えましょう。
「あの方々はどなたなんでしょうね」
「そうですね、私もこの国には詳しくないのですが、ここに居るという事は高位の貴族か王族のどなたかの娘だと思われます」
カリーネさんが真面目に答えてくれる。うん、何とか目をそらすことができたね。そうしているうちに彼女たちも身体を洗い終わり、こちらへ向かってきます。でも、まだこちらに気付いた様子はありません。
「ん?ココット、私達以外に入浴している者がおるぞ。あれは誰じゃ?」
「姫様、人を指さしてはいけません。あれは勇者様達でしょうね」
「勇者じゃと!?私は何も聞いておらぬぞ!」
「え、昨日言いましたよね。でも『はいはい、聞いておるわ』と話し半分だったじゃないですか」
「う…」
どうやらお姫様らしい。でも、なかなかのお転婆のようだ。そのお姫様は、意外と大人しく身体を洗った後、こっちにやってきた。
「勇者と言うのはどっちじゃ」
「あ、私です」
姫様の後ろでココットさんが申し訳なさそうにペコペコしている。いや、気にしていませんよ。
「う、強そうじゃのう。後で私と模擬戦でもせぬか」
「えー、せっかくお風呂に入ったのに汗かくのいやですよ」
「また入れば良かろう」
「姫様、勇者様達はこちらにお着きになったばかりですから、お疲れなんですよ」
ナイスフォロー、ココットさん。カリーネさんも知らんぷりしてないでフォローしてよ。
そのカリーネさんは、私から幾分離れて無関係を装っている。
「むぅ、そうか。ならば明日はどうじゃ」
「魔王さんとのお話しが済んだ後ならいいよ。でも、ちゃんと許可はとってね」
「そのくらい当然じゃ。勇者なんぞより私の方が強いと知らしめてやろう」
「それって普通魔王さんの台詞じゃない?」
魔王さんは平和主義のようですが、お姫様は戦闘狂のようです。実は既にお姫様のステータスは確認済みですが、負ける要素が見つかりませんでした。
名 前:ナナコ・オオサワ
種 族:魔族
性 別:女
年 齢:12
レベル:50
称 号:ピース王国第二王女
体 力:109
魔 力:15
知 力:8
攻撃力:85
防御力:85
敏捷度:22
武 器:なし
防 具:なし
スキル:
正拳突きLv.8、ラッシュLv.2
クワイト以上の脳筋でした。と言うか、名前は日本人名なのね。ピース王国って転生者が多いのでしょうか。私も前世と同じ名前が良かったなぁ。
「ところで、魔王さんのお名前ってなんて言うんですか?」
名前について確認したかったけど、こっそり見た後だから先ずは魔王さんの名前を確認してからにしよう。
「魔王様の名前は、カツユキ・オオサワと言います。何でも別の世界から来られたそうですよ」
ココットさんが答えてくれましたが、この名前は前世で聞き覚えがあります。仕事でいつも一緒だった相棒と同じ名前です。
でも、同姓同名の可能性もあります。侍女さんの話では異世界転移してきたのでしょうから、顔とかも向こうと同じはず。会ってから確認してみるしかありません。あいつだったらどうしよう。
「変わったお名前ですね。そう言えば、近衛騎士団の副団長さんも似たようなお名前でしたが」
「ああ、トーヤ様はこの国のお生まれですが、お爺様が魔王様と同じく異世界から来られた方だと聞いています。トーヤという名前もそのお爺様からつけられたのだとか」
流石はココットさん。そつのない回答ありがとうございます。更に聞いてみたところ、このピース王国は建国してからたったの十年なんだそうです。魔王さんが転移してきてから、瞬く間に魔族達を纏め上げて国として周辺国家に認知させたのだそうです。
「それじゃ、それまでは?」
「小部族に分かれて住んでいました。それぞれの持っていた領土が現在のピース王国の領土になります」
やっぱり侵略なんかしてないじゃん。女神さまの言う通りだったね。それじゃ、事前知識も入手できたし、改めてお風呂を楽しみましょう。
「ところで、このお風呂は誰の趣味?」
「勿論魔王様です」
「…そですか」
魔王さんの趣味は置いといて、ここのお風呂は全部で20もあるのだそうです。中には、薬草風呂とか、プールみたいになっているところもあるそうです。
お姫様はいつの間にか別の浴槽に行ってしまったようで、姿が見えません。ココットさんはそれでも気にした様子はなく、「いつもの事ですから」という返事が返ってきました。
「カリーネさん、私もちょっと行ってくるね」
「ええ、私はもう少ししたら上がるけど、自分で戻れる?」
「自分では戻れませんけど、ちゃんと聞きますから大丈夫ですよ」
「そう、ならいってらっしゃい」
私はプールへと向かいました。この世界に来てから水泳はやっていないから、自分がどのくらい泳げるのか分からないんですよね。前世ではちゃんと泳げたので、溺れることはないと思うのですが。
大小2つあるプールでは、お姫様が大プールのど真ん中でぷかぷか浮いて爆睡していました。浮輪もないのになかなか器用です。
私は邪魔にならないよう小さい方のプールに向かいます。先ずはちゃんと水中で息継ぎできるか確認しましょう。
「はいっ」
顔をお湯につけますが、すぐにあげてしまいました。やっぱりこの身体ではやったことがないので、怖さがあります。では、もう一度。
結局、息継ぎは上手くいきませんでした。今は顔をつけなくてすむ平泳ぎですい~っと泳いでいます。泳ぎ方は覚えているようです。でも、顔上げたままの平泳ぎではスピード出ないからなぁ。遊びの時以外は泳ぎは使えないね。
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