第014話
また遅くなりました。
少しでも取り戻そうとタブレットやiPhoneで書いてましたが、やはり慣れないと進まない…。
私達が村に着いてから村長さんが王都に使いを出していたらしく、魔王さんの部下の方が来ました。イケメンな騎士様です。
因みに普通の人と魔族の人の見分け方ですが、魔族の人は頭に小さな角があるので、その有無で見分けるしかありません。ですが、その角も小さく目立たないので、パッと見た目には普通の人と変わらないように見えます。
「初めまして、勇者様方。私、魔王様の命により皆様をお迎えに参りましたトーヤ・ハヤカワと申します」
そう言ってにこやかに握手を求めてくるので、素直に握手した。その時、トーヤさんの顔がわずかに驚いた顔になったが、すぐににこやかな顔に戻った。
その後、魔王さんとの謁見は明後日という事になり、取りあえず魔王城へ向かう事になった。面子は私達四人にトーヤさん、そしてトーヤさんの部下の騎士達十人程だ。日程は、これから村を出て途中で野営で一泊。そして次の日のお昼くらいに王都に到着との事だった。
「もしかして、トーヤさんって偉いの?」
「近衛騎士団の副団長を拝命しております。本来なら団長が来なければいけないのですが、何故か対外的なものは全て私に回ってくるのです」
偉い人でした。尚、他の騎士さんにも休憩の時に聞いてみたところ、トーヤさんはイケメンで物腰も柔らかいので、王家から重宝されているのだそうだ。こう言う時は必ずトーヤさんが任命されるという事だった。
「それに、団長の顔は子供が見たら泣くからなぁ」
団長さんの顔ってどんな顔なのよ。ちょっと見てみたくなったけど、今いないんじゃしょうがない。着いてからの楽しみにしておこう。
王都への行程は特に何もなく、無事に到着した。野営の時にお風呂を作ってあげたら、皆から喜ばれた。私も女だから、身だしなみは気をつけないといけないしね。あ、ちゃんと男湯と女湯と分けて作って、女湯の方は覗き防止の結界も張っておき、カリーネさんとゆっくり入ったよ。
「そろそろ王都です。入門時に簡単な確認がありますが、リリン様達は今回不要です。ただ、自分で来られた際には受けて頂きますので注意して下さい」
「確認ってどんな事するんですか?」
「水晶板に手を乗せて頂くだけです。そうする事で基本的なステータスが確認できますので」
「ステータスが!?」
「あぁ、ステータスと言っても本当に基本的なものだけですから。名前と種族、それとレベルくらいですかね」
そうなんだ。それだけ分かれば問題ないのか。罪を犯してるとかは分からないんだな。ラノベとかではその辺も分かるようになってるのが多かったけど、実際罪の定義って微妙だしね。
リリンは知らなかったが、この水晶板は称号まで確認できる。それにより、要注意人物かの判定も行っていたのだ。
「では、我々はこちらの方から入ります」
案内されて行ったのは、正門脇の小さな門。こちらは貴族や王家、それに国賓等確認が不要な者だけが通れるのだそうだ。
「近衛騎士団副長、トーヤ・ハヤカワだ。開門をお願いする」
「はっ!」
門番が、門を開ける。私達はトーヤさんに続いて門の中に入った。
「わぁっ」
そこには、華美では無いけど高級と分かる馬車が停まっていた。全体的な色は黒で、ところどころ金のラインが入っている。それを引く馬は栗毛の二頭だ。
「さあ、此方にお乗りください」
トーヤさんに促されて、私達は馬車に乗り込んだ。内装もすごい。向かい合わせになったソファはフカフカで、片側3人は座れそうだ。片側に私とかリーネさんが、もう片方にトーヤさん、クワイト、ゲネートが座った。男3人でも余裕だったようだ。
「このまま魔王城へ向かいます。そこで昼食にしましょう」
「はいっ」
今はお昼を少し過ぎたところ。正直お腹はペコペコだ。ご飯を食べさせてくれるのなら、遠慮なんてするわけがない。
いつの間にか馬車は走り出していたようで、気がつくと窓の外は街中の風景に変わっていた。広い道路の両脇に色々な建物が建ち並び、賑わいを見せている。
「随分賑わっているんですね」
「王都ですからね。この国で一番の人口と賑わいを誇っています」
トーヤさんが説明してくれた。魔王の国なんて言ってたけど、こっちの方が平和で賑やかじゃないの。こっちに住んでしまいたいくらいだ。
それから暫く経って、魔王城の前に馬車は到着した。魔王城の門には、門番の他に一人の執事さんらしき人が立っている。
「ようこそお出で下さいました。これからは私、セバス・チャンがご案内致します」
頭を深々と下げて言うセバスさん。ピシッと燕尾服を着こなした初老のおじさまだ。如何にも執事って感じだね。名前も中国系っぽいけど執事っぽい。
そんな私達も一礼してセバスさんの後について城内を歩いていく。トーヤさんは魔王城の門のところでお別れだったので、今一緒なのは私達一行とセバスさんだけだ。
しっかし、このお城って広いね。自分だけでは門まで戻れる自信がないよ。そんな中セバスさんは迷うそぶりもなく私達を案内してくれている。長く住んでいて覚えてしまっているのだろうか。
「さ、こちらが食堂でございます。どうぞお入り下さい」
セバスさんがある部屋の入口の前で立ち止まった。扉の上には「食堂」と書かれている。確かに食堂のようだ。セバスさんがドアを開けてくれ、私達は中に入った。
食堂には大きな丸テーブルと、それを囲むように椅子が十脚配置されている。一見すると上座が分からないようになっているが、それはどうなのだろうか。
「これ、どこに座れば…」
「この食堂には上座がございませんので、どこに座られても構いません。では、食事を持って参ります」
私は促されるままに適当な位置に座った。座った後に椅子の高さが勝手に変わって食べやすい高さになったのは、この椅子に魔法でも付与されているのだろうか。これは便利だね。前世にも無かったよ。
「おぉ、勝手に椅子の高さが変わったぞ。うん、これだと食べやすい高さだな」
「そうね。魔法が付与されているんだろうけど、どんな魔法なのかしら」
お昼を食べる前から皆興奮状態だ。そこへ、セバスさんと侍女と思わしき人たちがワゴンを押して現れた。ワゴンの上には、丼っぽい深皿に入ったスープ…ってこの匂いは味噌ラーメン!?
「魔王様の得意料理でございます。使えるのでしたら箸を。フォークとスプーンもご用意しております」
「「「頂きます!」」」
私は勿論箸だ。他の三人はフォークを使って食べ始めた。うん、確かに味噌ラーメンだ。よく味噌なんて作れたなぁ。懐かしいし美味しいよ。
具材にはもやし、ネギ、チャーシューと基本的なものでまとめられ、麺はどうやら味噌ラーメンにあう中太たまご麺のようだ。それもストレートではなくちぢれ麺。うん、これ作った魔王さんは味噌ラーメンをよくわかっている。コーンとかも入ってたらもっと嬉しかったけど、多分見つからなかったんだろうなぁ。
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器用に箸を使って勇者が味噌ラーメンを食べておられますな。やはり魔王様のおっしゃられる通り転生者なのでしょう。「話し合いをしに来た」という事でしたし、殺気も感じませんでしたので、必要以上の警戒は不要でございましょう。
私は念話で配下に警戒レベルを下げることを指示した。勇者の少女は多分気付いているだろうが、そのままにしておいて不信感を持たれるのは得策ではございません。それに、トーヤ殿のスキル「鑑定」ではレベルが120を超えているという事でございました。そんなレベルの者など、我が国には殆どおりません。
おっと、そろそろ食べ終わりそうですな。次は部屋に案内しなければなりません。
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