星に願いを・2015
毎年七月七日の七夕にSF短編を投稿するという『七夕一人企画』を実行しています。今年も「星に願いを・2015」をお届けします。七夕の「織姫と彦星の物語」に因んだSF短編をご堪能くださいませ。【七夕一人企画・2015】
【オッサンと女の子】
赤いレンガのテラス席に白いガーデンパラソルが立ち並ぶ、昼間のオープン・カフェ。そのパラソルのなかでも一番目立つ、真ん中のパラソルの下に一人のオッサンがいた。
丸顔に銀縁のメガネを掛け、首が太くて短く、丸めた背中におなかが出ている。はげてないのが唯一の救いか。ネクタイがだらしなくゆるみ、シャツのそでを適当にまくって、くたびれたスラックスの裾は引きずってほつれていた。外見にそれ以上の特徴を持っていない普通のオッサンだ。
陽にさらされたテラス席で半身だけをパラソルの陰に隠して、パラソルの下の丸テーブルにはカフェオレらしいモノが置かれているが、たくさん入っていただろう氷はもうほとんど融けていた。同じテーブルの上に十インチの小さなモバイルパソコンを置いて、オッサンの太い指が二つのキーを押してしまうかもという不安などみじんもなく、一心不乱に文字を打ち込んでいた。時々「あ」とか「ち」とか口走りながら右手の人差し指でバックスペースキーをせわしくたたいている。
オープン・カフェに居るオッサン自体の外見とその様子は確かにこうだ。そこまでなら普通のオッサンでも有り得る話だ。だが、その先の、オッサンが居るテラス席の状況が普通ではなかった。オッサンが座るテーブルの、オッサンの向い側にうら若き女の子が座っていたのだ。
その女の子はダークカラーのワンレングスで、毛先が軽くウェーブした髪が、両手を組んでテーブルについた肘を隠していた。その髪を四六で分けた間にある丸顔の、小さな鼻と薄くて小さい唇がオッサンにほほ笑み、太めの眉に大きめで垂れた目がオッサンを愛おしく見つめていた。脚を組んで座る彼女は、サックス・ストライプの柄で大き目のラウンド襟とフレアデザインのノースリーブシャツワンピを着て、テーブルに置いたマンゴースムージーを少し太めのストローから吸い尽してジュジュと音を立てた。
脇目も振らずに画面を見て入力するオッサンに、女の子はストローから口を離して退屈そうに話し掛けた。
「ねぇねぇ、ちゃんとデートをしましょうよぉ」
「うん……うん……」
オッサンはうわの空で生返事を返しただけで、相変わらずパコパコとキーボードをたたき続けている。
「一年ぶりに会ったのにぃ。つれないわね」
女の子のピンクに染まった頬がプッと膨れる。でも、本気で怒っていない証拠に、目元と口許に笑みがこぼれていた。
「だから、今年はちょっと無理だって言ったのに」
画面から羽目を離さず、キーボードからも手を離さずに答えるオッサン。
「時期をずらして欲しかったんだけどね、ホントは」
このセリフを言い終った瞬間、オッサンは女の子に視線を走らせた。
「ダメよ、ダメダメ!」
オッサンのセリフを聞いた女の子は、今度はちょっと本気で怒って口をとがらせた。
「今日でないとダメなのよ、絶対にね!」
腕組みをしてうなずく女の子。その様子を見て視線を画面に戻したオッサン。
「……そうか。やっぱりそうなのか……」
ため息をもらした後、オッサンは再び入力作業に戻った。
「ところで、何をやっているの?」
女の子がオッサンの方へと身を乗り出す。
「仕事ですよ、仕事」
女の子を見ずにずっと画面をにらみ付けながらしゃべるオッサン。
「どうして仕事を?」
オッサンは返事もしないでパソコンでの作業を続けていた。そのパソコン画面をのぞき込む女の子。画面を見て、その内容を口に出した。
「えーっと、なになに……経営管理用ソフトウエア『モウモウ』と……種付け管理用ソフトウエア『わぎゅう』か。それって何?」
女の子はオッサンに尋ねるが、オッサンはこの二つのソフトをいじくるのに一生懸命で女の子の質問を完全にスルーしていた。だが、女の子は何かを必死で考えていた。
「ひとつは『経営管理』でしょ? もう一つが『種付け』でしょ……うーん、何かが引っかかるわねぇ、そのキーワード……」
額に手を当てて考え込む女の子。オッサンは相変わらずパコパコと入力を続けている。
「あ、分かった!」
女の子は何かに気付き、何かを思い付いて、その場に勢いよく立ち上がった。それに驚いたオッサンは手を止めて顔を上げて女の子の顔を見た。
「急にどうしたんです?」
不思議そうに見上げているオッサンの顔に、ニンマリと笑った女の子が顔を近づける。
「分かったわ! あなたの『アクイラ・キャトル・ファーム』で働く事務方のアルシャインちゃんと牛医のタラゼド君が結婚したんだよね。今ちょうど、新婚旅行中なのね?」
勝ち誇ったようにオッサンを見下げる女の子。けれども、オッサンは表情を全く変えなかった。
「だから、ボクが全部をやっているって訳ですよ」
オッサンは言い終るとすぐに、画面に目を落として仕事を続けた。
「君の『リラ・コーポレーション』はいいよなぁ。機織りの工程を分業してさらに分社化して、今じゃ君は持ち株会社のオーナーだもんなぁ」
仕事を続けながら、多少の皮肉を込めたつぶやきをオッサンがため息交じりに吐露する。椅子に座り直した女の子は、自分の手をマジマジと見てから少し遠い目をして言葉を押し出した。
「そうでもないわ。口を出したくても出せないツラさもあるの。ある意味で『有閑マダム』と同じよ。この手で機を動かしたくなる衝動が時々あるわ……」
仕事をしながらため息をつく少々疲れたオッサンと、老成した言葉を口にするかわいらしい女の子。オープン・カフェのテラス席でまぶしい日差しをパラソルで避けながら二人の沈黙がしばらく続いた。
【彦星と織姫】
昼間のオープン・カフェのテラス。一番目立つパラソルの下で、オッサンは汗を拭いながらパソコンの入力に勤しみ、その向かいで女の子が飲み干したマンゴースムージーのグラスをアンニュイにもてあそんでいた。
「ところで、どうやって『ここ』に仕事を持ち込んだの?」
沈黙を破って、女の子がオッサンに尋ねた。
「君が言ったセリフと同じセリフを天帝にも言われたよ」
パコパコとキーボードをたたきながらオッサンが答える。
「それはどういうこと?」
首をかしげる女の子に、オッサンは言葉を続けた。
「忙しいから日程を変えて欲しいと言ったら、ものすごいけんまくで天帝に叱られたよ。『何を言っているのだ。下界の民は七月七日のお前たちのあいびきを楽しみにしておるのだぞ。日程変更はこの天帝でさえも無理な話だ』とね」
「あはは、そりゃ当然よ!」
ケラケラと笑う女の子に、オッサンは顔を向けてにらんだ。
「こっちだって死活問題なんだぞ!」
「あぁ、そりゃそうだよね」
女の子は手を口に当てて自重した。それを見たオッサンは画面に目を戻して言葉を続けた。
「今のマーケット体制はジャスト・イン・タイムだから生産量の予測は本当にシビアなんだ。アルシャインとタラゼドの能力があってこそ、うちの『アクイラ・キャトル・ファーム』がうまく稼働しているようなものなんだ。アルシャインとタラゼドが幸せになることだから彼女と彼のせいにはできないけれども、だからと言って誰かがやらないと。それができるのはボクしかいないからボクがやらないとね。そうでないと天界の乳製品事情は大変なことになる」
「うわぁ、そんな事情があったのね」
女の子はオッサンの話に聞き入りながらうなずく。
「そう言って天帝はおどかしたら、アッサリと許可を出してくれたって訳」
パコパコとキーボードをたたきながらオッサンが告白する。
「このパソコン、天帝のゴリ押しで天界ネットにつなげてもらったんだよ」
「やるわね、天帝」
ニッコリと笑う女の子にオッサンは、右手でグッジョブサインを出した。
「ところでさ」
キーを打つ手を止めて、オッサンがチラリと女の子を見る。
「なぁに?」
ニッコリとオッサンにほほ笑みかける女の子。
「なんで君が『大学生風の女子』で、ボクが『イケてないオッサン』なんだい?」
オッサンの質問に、うふと笑う女の子。
「天帝がリサーチしたらしいの。今の『チタマ』ではやっている男女の関係らしいって」
女の子の答えに、変な顔をして疑問を呈するオッサン。
「ホントかい、それ?」
「調べたのはホントらしいわよ。それがちゃんとしたマーケティングなのかどうかは分からないけどね」
女の子はほほ笑み続けたまま答えた。
「どうして各地を転々としなきゃいけないのかなぁ」
疲れた表情で画面を見続けながら、オッサンはつぶやく。
「ボクは昔のように『天の川の畔』で十分なのに。二人で河畔に座ってさ、語り合っていた頃が懐かしいよ」
ニヤけてしゃべるオッサンの言葉に、女の子はポッと顔を赤くする。
「ホントにそう。あの頃はドキドキしたわ」
うら若き女の子なのに、まるで産まれる前の記憶を探り当てたような喜びの表情をしていた。そして、すぐにキリッとした表情に切り替わった。
「天帝だけが発動できる『インターマインド(ひょう依)』の能力を使いたくて発案したのだから仕方がないわよ、彦星」と女の子。
「そうだ、そうだったね、織姫」とオッサン。
オッサンの姿をした彦星と女子大生の姿をした織姫が、地球の、それも日本のオープン・カフェのテラスで『七夕のあいびき』をしているのだった。
「ねぇ、早くデートしましょうよ。日付が変わっちゃうわ」
「待ってよ、もうすぐ終わるから」
「とっておきの場所を用意してあるんだから!」
「とっておきの場所?」
「そう、とっておきの場所。『七夕』にちなんだ場所よ」
「どこだい?」
「まだ教えられないわ。早く仕事を終わって。話はそれからよ」
「分かった、分かった」
うれしそうに手をクネクネして誘う織姫に戸惑いながら、慌てて仕事を終えようとする彦星だった。
【アルタイルとベガ】
イケてないオッサン姿の彦星がずっと作業に没頭している。それを若くてかわゆい女子大生姿の織姫が見つめる。
「まだ終らないのかなぁ?」
ヒマを持て余してつまらなそうにしている織姫がつぶやく。
「もうちょっと待って、もうちょっとだけ」
普通の汗なのか冷や汗なのかは判断できないが、彦星の額から汗が流れ落ちた。
かすかにセミの鳴き声が聞こえた。真上に差し掛かった陽がオープン・カフェのテラスに咲いたパラソルをジリジリと焦がす。風景がもやもやとゆらめき始めた。
「おいおい、待ってよ。もう『テレポート・フィールド』を起動させたのかい? まだ仕事は終わってないってば」
彦星は驚いて織姫に尋ねた。
「何を言っているの。勘違いしないで。それは『かげろう』よ。大丈夫かな』
苛立ちと不安とあきれが混じった複雑な表情を彦星に投げかけた織姫だった。
「あわてなくてもいいわよ。目的の場所はここからおよそ五十光年の距離なの。一瞬でたどり着いちゃうから心配しないで」
少しだけ秘密を明かす織姫の顔に笑みがこぼれた。
「近いんだね、その場所は」
画面から目を離さずに入力を続ける彦星が感想をつぶやく。
「うん。七夕だから七つの夕陽なの」
はにかみながらうれしそうに織姫が少しずつ暴露していく。
「七つの夕陽?」
「七つの太陽が沈む風景よ」
織姫は彦星の疑問にヒントめいた言葉をつぶやいた。
しばらくして、彦星がエンターキーをタン!とたたいた。
「これでよし、と!」
そう言って彦星はモバイルパソコンを閉じた。
「ホントに終わったの?」
身を乗り出す織姫に、ニヤリと笑う彦星。
「あぁ、終わったよ」
彦星の言葉にガッツポーズをする織姫。
「よっしゃ!」
掛け声とともに織姫は手のひらを内側に向けて両手を前に出した。すると、手と手の間の、ほぼ真ん中の位置に、拳ほどの大きさの銀色の球体が現れた。
「ホントに行くのかい?」
疲れた表情で彦星が織姫を見る。
「ボクはここで今日一日、君と話をしていてもいいんだけどな」
ほんの少しほほ笑んだ彦星だった。
「ダメよ。周りを見て。奇異な目で私たちがチラチラ見られているの、分かっている?」
織姫は口に小手をかざして声をひそめる。
「やっぱり『オッサンと女子大生』ってスタイルがヤバいんだって!」
あきれた表情をする彦星だった。
「それじゃ、五十光年先へとテレポートするわよ」
織姫がそう言うと、銀色の球体が赤くなり、そして白く輝き出した。それと同時に、織姫と彦星の半径二メートル周囲の円形にオレンジ色の光のカーテンができて、そこを境として空間がゆがみ始めた。
「飛ぶわよ」
銀色の球体が青く輝き、オレンジ色の光があったところの空間が白黒のマーブル模様になった途端にすぐ真っ黒になった。
次に見えたのは、いくつかの恒星が接近して存在する宇宙空間だった。
「ここはどこだい?」
複数の恒星が浮かぶ宇宙空間に、オープン・カフェのテラスに在った時と同じカタチでパラソルと共に椅子に座ったままテレポートした彦星がつぶやく。
「連星か? それもかなり複雑な連星系のようだね」
テレポートした場所には、二つの小さな赤色わい星が二十時間ほどで公転していた。そしてかなり遠い位置に青白い恒星が二つ、大きい恒星と小さい恒星があった。そのそれぞれの恒星には赤色わい星の伴星を伴っているようだった。そして、その青白い二つの恒星も連星系を成していて、五百年ほどで公転、さらにその四つ星連星系と二つの赤色わい星の連星系も連星を形作っていて、複雑な連星系になっていた。
「えぇ、そうよ。どこの連星系か、分かる?」
織姫は、彦星に答えつつ次の質問をした。
「チタマの電脳情報によると『ふたご座のカストル』かな?」
彦星はパコパコとキーボードをたたいて検索したらしく、得意気に答えた。
「そして、この赤色わい星の連星系はカストルCだ」
「当り!」
ニヤリと笑う織姫。
「こんなに複雑な連星系だから、重力の釣り合いが難しくて、惑星は存在しないだろう。どこから夕陽を見るつもりなんだ? それにここは六連星だよ。『七つの夕陽』には恒星が一個、足りないけど?」
次々と疑問を投げかける彦星だったが、織姫は余裕の表情だった。
「夕陽を見るのはここからよ」
織姫が指を鳴らすと惑星級の黒い球体が目の前に現れた。
「天帝から『バーチャルプラネット』をチャッカリと借りてきたわよ。これをカストルCのaとbとの公転軌道の外へ設置すればOKよ」
黒い球体はカストルCのaとbの公転半径の五十倍の位置で円軌道を始めた。
「バーチャルプラネットの表面に降りるわよ」
織姫は拳ほどの大きさの銀色の球体を操作して、もう一度テレポートした。
彦星と織姫は、大気を伴った黒い球体の表面にパラソルと共に椅子に座ったままのカタチで転送された。
そこから見えたのは、カストルCの赤い二つの星が重なり合って見かけ上、長円になったり円になったりする大きな夕陽と、カストルAの大きな青白い円に小さな赤い円と同じくカストルBの小さめの青白い円に小さな赤い円が重なる二つの夕陽が小さくカストルCの横に添えられている風景だった。
「やっぱり、一個が足りないよ」
そうつぶやく彦星に織姫がほほ笑みかける。
「ちゃんとあるわよ」
そう言って織姫は彦星を指差す。
「七番目の太陽はあなたよ、彦星。いえ、アルタイル。そして、あなたからは私が七番目よ。だって私はベガですもの」
彦星は織姫の言葉にハッとすると同時にあきれた表情になった。
「やれやれ」
そうつぶやきながらも彦星はカストルの夕陽をながめていた。
【七つの星】
「くだらないダジャレを無理やりに聞かされたみたいだ」
チタマに戻った彦星は通りを歩きながらつぶやく。
「悪かったわね、くだらなくて!」
彦星の横で歩きながら、織姫は口をとがらす。
「でも、素晴らしい眺めだったのは確かだ。それは評価するよ」
「そう、それは良かった」
彦星の言葉に、織姫はあんどの笑顔をこぼした。そして、通りの先に目を向けた瞬間、織姫の頭の中に何かがひらめいた。
「ちょっとここで待っていて」
織姫は、道の少し先にあるコンビニへと入っていって、すぐに出てきた。手には小さな白い箱を持っていた。
「はい、これ」
織姫は、持っていた白い箱を彦星に渡した。
「タバコ……『セブンスター・ボックス』って?」
「これが正真正銘の『七つの星』よ」
不思議そうな顔をする彦星に、織姫がほほ笑む。
「なんだよ、それ!」
「チタマに七つ星があったなんてね、うふふ」
コンビニの前で、あきれた表情の彦星に愉快そうな表情の織姫がひと箱のタバコで盛り上がっていた。
【美恵子と義明】
「そろそろ、時間ね」
織姫がつぶやく。
「そうだね。そんな頃合いだね」
彦星が反応する。
「それじゃ、また来年」
「うん、また来年ね」
言葉を掛け合った彦星と織姫はギュッとハグをした。その瞬間に二人の人間から何かが抜けていった。抱き合っていた男女にそれぞれの人間の意識が戻る。
「きゃっ! だれ、アンタ!」
恵美子は義明を突き放した。突き放された義明はよろけて倒れた。
「何をするのですか!」
義明は起き上がりながら恵美子に言葉を返す。
「こっちがききたいわよ! なんでこんなオッサンと抱き合ってなきゃいけないのよ!」
恵美子は、汚いモノを見るような目で義明をにらみ付けて怒鳴った。
「ボ、ボクだって……」
ちょっとうれしそうな表情の義明は、言葉を返し切ることができなかった。
「ふん!」
恵美子は、プイと向きを変えてその場から立ち去っていた。義明は、ゆっくりと立ち上がって恵美子とは反対方向へと歩き始めた。
【天帝のため息】
「今年の七夕は、チタマからヘヴンネットにつないでくれだのバーチャルプラネットを貸してくれだのって踏んだり蹴ったりで予算額からかなりオーバーしたよ。勘弁してくれって感じだな。来年は経費が一番かからない『天の川の畔』にしよう、そうしよう」
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
【七夕一人企画の宣伝】
毎年七月七日に個人で勝手に騒いでいる『七夕一人企画』です。
今年で九年目になるこの一人で勝手に七夕SF企画なのですが、自分の小説が毎年一つずつ積み重なっていく楽しい企画です。