詩: 人影の消えた公園でブランコが揺れている
掲載日:2026/03/15
もうじき陽が沈むころ
人影の消えた公園で
空っぽのブランコが
長い影を引きずり
錆びた鎖をきしませながら
揺れている
風はない
それなのに
揺れはしだいに大きくなり
やがて 水平にまで振り上がり
天と地の境目が溶け合う
その頂点で
ブランコは
ピタリと止まった
重力の意味が失われたように
不自然なほど長いあいだ
そこにとどまり続ける
世界の音が
ひとつ またひとつと消えていき
完全な沈黙が満ちたとき
わたしは はっきりと感じた
止まったブランコに座り
こちらを見返している何かの気配を




