神々の審判と契約の再定義
虚無竜キュラディウスとの共鳴を果たしたカイル=アスカリオンは、三竜の力を宿す唯一の契約者となった。
白炎竜ヴァルセリウス、黒雷竜ノクトゼルム、そして虚無竜キュラディウス——
それぞれが真理、理想、否定を象徴する神獣であり、世界の均衡を司る存在だった。
だが、その力を得たことで、カイルは神々の審判を受ける資格を得てしまった。
神域〈アストラ・ノヴァ〉への旅
「神々の審判を受けるには、古代神域〈アストラ・ノヴァ〉へ向かわねばならない」
ネオ=ノアが告げる。
そこは、契約の起源が眠る場所。
神獣と人間が初めて交わした誓いが刻まれた、神話の中心地だった。
カイルはリュミエールと共に、三竜の力を携えて神域へと向かう。
その道中、神獣たちは静かに彼に問いかける。
「汝は、契約を続けるか。
それとも、契約を超えるか」
神々の審判
神域の中心、契約の祭壇に立ったカイルの前に、三柱の神が現れる。
セリオス神(真理の神)
ノミナ神(理想の神)
キュラ神(虚無の神)
彼らは、カイルに最後の問いを突きつける。
「契約とは、支配か。
共鳴とは、妥協か。
汝は、神獣との関係をどう定義する?」
カイルは剣を地に突き立て、静かに答えた。
「契約は、問いの始まりだ。
支配でも妥協でもない。
神獣と人間が互いに問い続けることで、世界は進化する。
だから俺は、契約を再定義する。
それは、共問——共に問い、共に答える関係だ」
神々は沈黙し、やがて祭壇が光に包まれる。
新たなる契約の形
その瞬間、三竜がカイルの周囲に現れ、彼の聖印が変化する。
それは、契約の印ではなく、共問の紋章だった。
「汝の答え、受け入れた。
世界は、問いによって繋がれる」
神々はそう告げ、神域は静かに閉じられた。
カイルは、契約者ではなく、**共問者**として、世界を繋ぐ者となった。
世界の変化
帝国では、神獣との契約制度が見直され始めた。
異端教団〈リベラ・ノミナ〉もまた、武力ではなく対話による改革へと舵を切る。
リュミエールは、巫女として神獣との共鳴を広める役割を担い、
ネオ=ノアは、理想の国〈ノミナ・エルディア〉を開かれた学びの場へと変えていく。
そしてカイルは、世界を巡りながら、神獣と人間の“問い”を記録し続ける旅へと出た。
——神々の黙示録は、契約の終焉ではなく、問いの始まりとして幕を閉じた。