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共問学院への潜入と封印術の真実

帝国の追撃を逃れたセリス=ヴァルディアは、かつての神獣学院——今は「共問学院」として再建された学び舎へと向かっていた。

そこは、神獣と人間が対等に問いを交わす場として、世界中から契約者志望の若者が集う場所だった。


だが、セリスの目的は入学ではない。

彼は、学院に潜入し、**封印契約術セラフィック・バインド**の開発者が学院内部に潜伏しているという情報を確かめるために来ていた。


学院の変化


学院の門をくぐったセリスは、かつての英雄たちの名が刻まれた石碑を目にする。


「カイル=アスカリオン:双竜の契約者。

リュミエール=エルステッド:共問の巫女。

ネオ=ノア:理想の神選者。」


だが、学院の空気はどこか重かった。

表向きは共問の理念を掲げながらも、内部では帝国の旧体制派が再び力を持ち始めていた。


封印術の影


セリスは、学院の地下書庫にて、古代契約術の研究記録を発見する。

そこには、神獣の精神を分離し、命令に従わせる術式——封印契約術の詳細が記されていた。


「神獣の“問い”を遮断し、命令のみを通す。

それにより、神獣は完全なる兵器となる」


セリスは震えながらページを閉じた。

「こんな術……神獣の尊厳を踏みにじるだけだ」


その時、彼の背後に現れたのは、学院の魔導教官を名乗る男——ヴァルク=エルノス。

かつて黒印騎士団の術師長だった人物であり、封印契約術の創始者だった。


封印術との対峙


「虚問の印を持つ者よ。

お前の存在は、神獣との共問を崩す“異物”だ。

我が術で、神獣の声を封じてやろう」


ヴァルクは術式を展開し、セリスの虚無竜との共鳴を断ち切ろうとする。


だが、セリスは叫ぶ。


「俺は、神獣の声を聞いた!

問いを交わすことが、力になるんだ!」


虚問の印が輝き、氷闇の力が術式を打ち破る。


「虚問詠唱・残響の拒絶キュラディウス・ディナイアル!」


封印術は崩れ、ヴァルクは後退する。


学院の覚醒


戦いの騒ぎを聞きつけ、学院の導師——リュミエール=エルステッドが現れる。

彼女はセリスの印を見て、静かに頷いた。


「あなたは、問いを持つ者。

カイルの後を継ぐ者かもしれない。

学院は、再び“問いの場”として目覚める時が来た」


セリスは、学院の地下に眠る神獣たちの“沈黙”を解き放つため、

リュミエールと共に、封印術の根源へと向かう決意を固める。

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