表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/13

問いの継承と未来の契約者たち

神域〈アストラ・ノヴァ〉での審判を経て、カイル=アスカリオンは「契約者」ではなく、「共問者インクワイアラー」として新たな立場を得た。

彼は、神獣と人間が互いに問い合い、共に歩む未来を信じて旅を続けていた。


帝国と異端教団〈リベラ・ノミナ〉の対立は終息し、世界は静かに再構築の時を迎えていた。


神獣学院の再生


帝都〈ルミナ・グラディア〉では、かつての神獣学院が「共問学院」として再建されていた。

そこでは、神獣と人間が対等に学び合い、契約ではなく共鳴と対話を重視する教育が行われていた。


リュミエールは、学院の初代導師として、若き契約者たちを導いていた。

彼女の隣には、今も風鼠ゼフィリスが寄り添っている。


「問いを持つことを恐れないで。

神獣は、あなたの問いに応えてくれるわ」


新たな旅立ち


一方、カイルは旅を続けていた。

彼の目的は、世界各地に残る古代神獣の痕跡を辿り、

まだ言葉を持たぬ神獣たちの声を“記録”することだった。


彼の背には、三竜の力が宿る剣——**共問の剣〈アスクレイヴ〉**がある。

それは、問いを切り裂く剣ではなく、問いを繋ぐ剣。


ある日、彼は辺境の村で、一人の少年と出会う。

その少年は、かつてのカイルのように、神獣との契約を夢見ていた。


「ねえ、神獣って、どうすれば言葉を交わせるの?」


カイルは微笑み、答える。


「まずは、問いを持つことだ。

“なぜ”と“どうして”を忘れなければ、神獣はきっと応えてくれる」


少年の瞳が輝いた。


神々の黙示録、その先へ


空には、白炎、黒雷、そして虚無の気配が静かに漂っていた。

三竜は、今もカイルの問いに耳を傾けている。


「問いは終わらない。

答えは、常にその先にある」


神々の黙示録は、終わりではなかった。

それは、問いを継ぐ者たちの物語の始まりだった。


そして、世界は今日もまた、問いと共に歩み続ける。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ