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その八 小樽湾
僕が中学生くらいのときの話。
その日は朝から、父、僕、妹、犬とで、北海道の小樽市に釣りに行くことにした。
朝は特に何もなく、皆、楽しんでいた。
問題は夜になってからである。
僕はまず悪寒に襲われた。朝より空気の質が違う。
そして、今度は妹が悪寒に襲われ、寒いと嘆いている。
犬は何もないところに視線を向けたまま、吠えている。
さらにおかしい事が、夜になってから、ラップ音が止まないのだ。
結局、朝まで寝れずに一夜を明かした。
明るくなってから、周囲を探索したら、海に面して、端っこに花束とお供物
があった。
それから、僕はそこに行くことが無くなった。