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忌録  作者: えいる
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その六 祖父母の家

私は高校時代、夏休みで田舎に住む祖父母の家に泊まりに行くことになりましたが…そのときが最後で祖父母の家には10年ほど訪ねていなかった。


その日は、祖父母の家の中の湿度が高いこともあって、私は涼もうと思い、散歩をすることにしました。

祖父母の家から近いところには、六地蔵があります。

が、誰かのいたずらなのか…奇妙なことに全て顔が壊されているんです。

私は祟られないか、恐くなり、足早にその通りを立ち去りました。

少し進んだ先には生垣が高い家が一軒あります。

生垣の奥には、帽子を被った、白いワンピースの女性でしょうか、視認することが出来ましたが…生垣の高さは2メートル近くあるため、その生垣の向こうに見える女性は相当身長が高いことがわかるのです。

私は立ち竦みました、額には冷や汗が伝う。

その女性は、ぽ、ぽ、ぽと口ずさんでるのが聞こえてくる。

私が驚いているうちにその女性はどこかへ消えてしまいますが、その時は深く考えていませんでした。

その後、私は祖父母に何気なく、先ほどの女性の話をしましたが、背の高さと「ぽぽぽ」という声のことを話すと、それを聞いた2人の態度は急変。顔は青ざめていました。祖父は何処かへ走っていき、事情を知らない私は祖母に尋ねると、祖母は私が見た女性は数年から十数年おきに現れ、見た者を数日のうちに取り殺されてしまうこと、その女性は祀られた六地蔵によりこの区域に封印されていると話す。

私は嫌な予感がしました…六地蔵は壊されていたからだ。

つまり、今、その女性の封印は解かれた事になる。

やがて祖父に連れられてやってきたAという老婆が私に札を渡し、窓が全部新聞紙で目張りされ、その上にお札が貼られており、四隅に盛塩が置かれた2階の部屋に案内されました。祖父とAが言うには、私がその女性から助かるためには、この部屋に札を持って翌朝7時まで外に出ずに閉じこもる必要があるという事でした。夜の1時頃に女性が窓の外に出現し、部屋の窓ガラスを叩く。たまたま目覚めていた私は誰ががコツコツという音を聞き、「これは風のせいだ」と怯えていると、今度は部屋のドアの向こうから「怖けりゃ無理せんでいいぞ」「こっちへ来ていいぞ」の声が。私は思わずドアを開けようとするが、「決して部屋から出るな」との言葉を思い出し、さらに部屋の盛り塩が黒くなっているのを見て驚き、すかさず「ぽぽぽ」という声が窓の外から鳴り響く。私は必死の思いで仏像に縋るうちに眠ってしまったらしく、7時頃に起きると窓の外の声も叩くような音も消え、四隅の塩はやはり変色していました。

後日、祖父は二度と女性を見た場所には近づくなと言い、私を家に帰すのでした。

あの夏、経験したことは10年経った今でも忘れられません。


















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