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純喫茶メローの平凡で予測不能な毎日

作者: 由田空井

「おしぼりとお水です。こちらの席は2時間制なのでご了承ください」

「ごゆっくりどうぞ 」


俺の名前は小田 26歳 ここ純喫茶メローで働くただのバイト。

趣味はここに来た客の話を盗み聞きすること

小さい頃から家のラジオの周波数を弄って知らない無線に繋ぐことが好きで

昔から人の話を聞くのは好きなんだ

まぁ今日もどうせ暇だしぼーっと今案内した客たちの話でも聞くか。


「久しぶり」


「久しぶりだね」


「田中とは高校ぶりだよな?」


「いや、雄介くんとは中学校が同じだっただけで高校は違うかな、」


「あれ?まぁいいや」


二人とも水を飲み沈黙が続く


「でさ、雄介くんさ今日はなんでここに僕を呼び出したの?」


「そうそう、お前さ今自分の稼ぎに不満とか持ってねぇか?」


「まぁちょっと生活厳しいかな、」


「じゃあさ、お前にいい上手い話があるよ」


「うまい話?」


「そう、絶対に儲かるから」

リュックサックから何かのボトルを出す


「なにそれ?」


「このビタミンエキスがパンパンに詰まったこの化粧水をいろんな人に売ってけば

必ず儲かるんだよ」


マルチみたいなことしてんなぁ、今時こんなんで騙されるやつなんて…


「めっちゃいいじゃん」


めっちゃ騙されてるって、情弱すぎないか?


「いいなお前、話がわかってるじゃねぇか、じゃあこの化粧水5000円な」


「え、5000円?」


「バカだなぁお前は」


「え?」


「5000円でも友情価格だぜ、」

「それでこれは売れば一万の値段がつくぜ」


「そうか、ちょっと喉乾いたから何か頼んでいい?」


「おぉ、いいぜ」


「すみませーん」


「はいご注文をご伺いします」


「俺はブラックコーヒーで」


「冷たいのとあったかいのはどちらに?」


「アイスで」


「かしこまりました」


「えっと僕は、キャラメルラテとこの、季節のフルーツパンケーキで、」


「かしこまりました」


「以上で注文はよろしいですか?」


「はい」

「はい」


「それではごゆっくり」



「お前結構食べるな、」


「昼ごはん食べてないからね、」


「まぁいいや、さっきの話の続きだけど」


「どうするこの化粧水買うか?」


「雄介くんってこれでいくら稼いだの?」


「まぁまぁ、結構稼いだよ」


「どれくらい?」


「いいじゃねぇか、そんなに聞かなくても」


「えぇでも一応聞いておきたいじゃん」


「お待たせしました、コーヒーとキャラメルとパンケーキです」

「ごゆっくりどうぞ」


「うわぁおいしそー、いただきます」


「あぁ、すごい食べるな…」


めっちゃガツガツ食べるじゃんマルチ誘ってる人もちょっと引いてるし、


「いただきました」


「おぉ、つかさお前って仕事なにしてんの?」


「え?なにもしてないけど」


「え?」


「え?」


え?仕事してないんこの人、だからあんなにガツガツ食べてたんだ。


「じゃあお前金なしにどうやって暮らしてんの?」


「お金などなくても神様が私たちのことを救ってくれるから」


あぁそうゆう系の人か、ってか今マルチと宗教の二つがこの席座ってるって面白いな


「ってか今何時?」


「3時半だけど、」


「やばい、やばい、教会に行って神様に願いを込めないと、じゃあね!」


カランコロンカラン(ドアの音)


帰ったぞ、あの人


「え?」


マルチの人も状況掴めてないじゃん

てかこの人たち2時間以上話してるな

帰ってもらお


「あの、すみませんこちらの席が2時間以上経っていますのでご退店をお願いします」


「え、あ、はい」


めっちゃ戸惑ってるじゃん


「ご会計が4130円ですね」


「高、あ、電子マネーっていけますか?」


「あ、対応してませんね、」


「え。あ。じゃあこれで」


「10000円ですね。4870円のお釣りです」

「ありがとうございました」


カランコロンカラン(ドアの音)


面白かったなぁ

あ、お釣りの渡す金額間違えた、まぁいいか。

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