急展開☆
「しかし……ルルィとハヤキの件が解決した事と、我等の組織が金欠だという事に直接の関わりは無い」
そんな事を言う首領。
まぁ確かに。
「よって、誰か一人はかっさらうぐえ」
まだ諦めていないらしい首領にオレとルルィの渾身の蹴りが直撃。
彼女のピンヒールの下で身悶える首領。ざまぁねえな。
「ユリくん、ユリくんっ……今回は心配してくれないのかっ……」
「ユリは会長さんといちゃいちゃしてる。諦めた、らっ!!」
「ぐううええ」
ルルィの言う通り、ユリは会長にべたべた。
会長もユリが気に入ったらしく、あそこだけ無駄に妖しい雰囲気だ。こういう時はひたすら無視に限るとオレはここ数年で学んだ。
妖しいと言えばウィルと比等の二人も負けていない。ひたすらにハグしまくってる。さっきのやりとりからしても、一段落したら確実に一組のカップルが誕生する事だろう。
「悪い事、したな」
「いいや大丈夫。だってこれでりぃが狙われる事は無くなる訳でしょ?」
「まぁ、な」
少しほっとしたような……何て言ったけ?データでは確か……
「憂麻」
「え?」
「タメで良いよ。歳は大体同じでしょ?ハヤキ?」
「……あぁ、そうだな」
オレのココロを読んだかのようなタイミング。やっぱタダモンじゃ無い気がする。
それでもひとあたりは凄く良い好青年、って感じだ。んでもってオレの勘からすると。
「投坂琉峡は憂麻の恋人だろ?」
「…………」
びっくりしてる。
にしてもさ、ずるいよな。美人てのはどんな表情をしても様になる。ぽかんとしている表情も、くすっと笑う表情も、先程までの険しい表情も、不安そうな表情も。
「ふふ、よく分かったね。ハヤキにも、大事な人がいるから分かったって所?」
「んー……まぁ、そんな感じかな。それと、皆にも謝る。すまなかった。……本当は麻酔なんてかけられてないんだろ?解決したから起きたら?」
そのオレの声と共に少し戸惑いながら体を起こす。座り込んだままの者、立ち上がる者……こんな状況で寝てしまった者。
「あぁあ、領、寝ちゃった。可愛いなおい」
そんなに身長の変わらない領可を軽々と抱き上げる至軟。この二人もくっついてたのか。
そして腐れ大好きなミマリア様はと言えば――
「――――っ!!」
トマトジュースを業者さんに無断で製造しない様に必死なようです。
とことん期待を裏切らない人だな!!
そして茶髪のロングが名波麻矢だったか?んで黒髪のくせっ毛クンが砕楽類香。
このノリで行くと、この二人もそーゆう関係なんだろうな。
でもさ。
「あんまりいちゃいちゃするとミマリアが凄い事になるから、出来ればあの二人には大人しくしてて欲しいんだが?」
「大丈夫大丈夫。あの二人は家以外では結構ドライ――――?!」
「……おい憂麻。あれの何処がド・ラ・イ、だって?」
全然ドライじゃねええええええ!!!!!
「あ、あれええ?お、おかしいな」
熱烈なハグまでは良いとしよう。
だけどな……いや、ちゅーもまだ良いとしよう。
でも、でもな?人いっぱいいる中でシャツの中に手突っ込むのやめてくれる?名波家の次男さん?
「ぶっ」
もちろんミマリアはぶっ倒れた。
まだ続きますが、この文化祭編(と言って良いのか)はあと少しで完結です!
本当に急展開ですが……汗