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愛歌~アイノウタ~ (文化祭編)  作者: 遊斗
予想外過ぎる文化祭
42/51

番外編 至軟×領可 不安☆

今回は至軟と領可の番外編。

短時間で書いたのでクオリティの低さには突っ込まないで下さい(^。^;)

『やっぱ異性じゃないなんておかしいと思うんだよな、オレ』

『え?』

『だからもうオレはお前を好きでいるのはやめる。じゃあな』

『え、ちょっと待てよ!!何だよそれ……おい!!!!』


嫌だよ、何だよそれ。

オレはまだ至軟といたいのに……。嫌われちゃった。どうしようどうしようどうしようどうしよう……夢なら醒めて。

あまりの悲しさに頬を雫が滴った時……。


「…ょう……ょ……りょう」


少し焦った様な至軟の声。

幻聴かと思ったけれど、それは確かに至軟の声で。


「よか、た……夢」


ふわりと微笑むと、とたんに涙が沢山頬をつたう。

悲しくて苦しくてつらいその言葉は夢だったのだ。訳も分からないまま、きつい位に抱きしめてくれる至軟の腕の中で泣きじゃくりながら、つっかえつっかえ事情を話した。

するとばかだなぁ……と小さく呟きがもれる。


「何が良くてオレがお前を好きでいるのやめるんだよ。異性じゃない?関係あるかそんな事。オレが好きなのはまぎれも無く領で、他はどうでもいい。分かったな?」


耳元で低く囁く、良く通ってドキドキする声。

オレを落ち着けるかのように、ゆっくりと言葉を紡ぐ。


「うぅうっ……し、しな…んっ……」


それでもあの夢のダメージは信じられない位大きくて、情けなく震えてしまう。

普段から気にしていた事を夢で見て、さらに現実味を増したそれは、領可の心をずたずたにしていたのだ。





しがみついてぼろぼろ雫をこぼしながら見上げてくる領可は、未だかつてない程不安そうな顔をしていて、見ているだけでも胸が痛む。

「領……なら、不安は全部オレがぬぐってやる」


オレがどれだけ領の事好きか、分からせてやる。


髪をふわふわと撫でながらにこりと微笑みかけると少し安心したような表情になる。それに少しほっとしながら手の甲に唇を落として腕をぐいっと引く。


「へっ?」


耳の裏に唇を這わせられて慣れない快感にどうにかなりそうになった。


「んっ…耳はだめ……」


だめ、何て言われたら余計したくなるのに。

そのまま首筋を指先で愛撫していると恥ずかしそうに瞳を伏せようとしたけれど、顎をくいっと上げて視線を合わせる。


「まだ少し触っただけだぞ?」

「そう、だけど……」


朝からしたら、夜まで待てない……。頬を真っ赤に染めて嬉しすぎる事を言ってくれる。


「だーめ。不安になる事がもう無いように、いっぱい触らせてもらうから」

「い、いっぱい……」


何を想像したのか、さらに真っ赤になって掛け布団をがばっと被って隠れてしまった。


「だめ!!いっぱいはだめ!!」

おかしくなっちゃう……

涙声で必死に逃れようとする領可。そんな事言われたって、遅かれ早かれすっごく恥ずかしい思いする事になるんだぞ?掛け布団の上から抱きついてにやにやしながら囁くも、だめの一点張り。意外に頑固なんだな……。まぁそれも可愛いんだけどさ。顔見せてくれたって良いでしょ?だめ。どうしても?だめ!!


仕方ない。それなら。


「ん、分かった。そうだな……まず着てる物は全部剥いで、全身楽しく観察。それから、嫌がっても無理にいじめる。詳しく言うと――」

「分かった、分かった分かったから!!」

「不安とか言ったら「言わない!!オレは至軟が大好きだから……もう思わないし、言わない。不安になった時は……その、また…………………………慰めて」

「うん、分かった」


ようやく掛け布団をまくり上げる事に成功して真っ赤な顔を拝む。ちょっと唇を突き出してむっとしたような表情をしていたけれど、先程の不安そうな瞳の揺らぎはもう見当たらない。


「良かった」

「うん……ごめん」


ありがとう……。

耳元で囁き返してくれる。それが嬉しくて、領可をベットに押し倒した。


「約束は?!」

「約束?恥ずかしくしないって?」

「うん」

「忘れた」

「は?!」


にやりと笑って体中を触り回してあんあん喘ぐ様子を楽しそうに見物する。


「はっはっは、喘げ喘げ」

「ばかー!!変態!!」


何とでも言え。オレはお前が不安を忘れてくれれば何と言われても構わない。


オレはお前の為なら何でも出来るんだから。





心の中では純情な事を囁きながら、領可とはあまり純情では無い戯れを続けるのはどうかと思うが。

この際は無視だ。

したいんだから仕方ないだろ。


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